“向”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
44.6%
むか19.0%
むこう9.3%
むき7.7%
むこ6.1%
こう3.0%
かう2.0%
むかっ1.4%
むかう1.0%
むかふ0.9%
むかい0.9%
むい0.6%
むけ0.6%
むかひ0.5%
むかつ0.4%
0.4%
さき0.3%
もご0.3%
サキニ0.2%
0.1%
0.1%
そむ0.1%
なた0.1%
0.1%
むく0.1%
ムカウ0.1%
ムキ0.1%
ムコ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのそばにえている青木あおきくろずんで、やはり霜柱しもばしらのためにいたんではだらりとれて、ちからなくしたいているのでありました。
小さな草と太陽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あはれ新婚しんこんしきげて、一年ひとゝせふすまあたゝかならず、戰地せんちむかつて出立いでたつたをりには、しのんでかなかつたのも、嬉涙うれしなみだれたのであつた。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
だから今見たと思って次に振り返ると遥かなむこうに雲のように走って行くという話であった。私たちは舌と眼と耳とで御馳走になった。
全羅紀行 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
夫だけではしかと分らぬ何か是と云う格別な所が有そうな者だ女「有ますとも老人の室の掃除むきと給仕とはわたくしが引受けて居ましたもの、 ...
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
日が小豆島のむこうに落ちたと思うと、あらぬかたの空の獅子雲が真赤まっかに日にやけているのを見る。天地が何となく沈んで落着おちついて来る。
別府温泉 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
そうっておじいさんは一こう取済とりすましたものでしたが、わたくしとしては、それではなにやらすこ心細こころぼそいようにかんじられてならないのでした。
曇後晴くもりのちはれ午前ごぜん時頃じごろ瓢箪山ひようたんやま到着たうちやくしてると、發掘はつくつすで進行しんかうして赤鉢卷隊あかはちまきたい活動くわつどうしてるが、一かうかはつたことい。
また上士のはいは昔日の門閥を本位に定めて今日の同権を事変と視做みなし、おのずからまた下士にむかって貸すところあるごとく思うものなれば
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
此返事このへんじいて、むつとはらつた。頭巾づきんした剥出むきだして、血色けつしよく頸元えりもとかゝるとむかう後退あとすざりもしない。またいてた。
新見付しんみつけると、むかふからたり、此方こつちからつたりする電車がになりしたので、ほり横切よこぎつて、招魂社のよこから番町へた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
やがて、子供は明日あしたの下読をする時間だと云うので、母から注意を受けて、自分の部屋へ引き取ったので、後は差しむかいになった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
『ほんとに、さうでしたねえ』とだれ合槌あひづちうつれた、とおもふと大違おほちがひ眞中まんなか義母おつかさんいましもしたむい蒲鉾かまぼこいでらるゝところであつた。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
中川君、道理上より言えばその通りに違いないが日本人の妻君は西洋人の妻君のように一日の仕事を料理の方へむけられない事情がある。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
やがて、小供こども明日あした下読したよみをする時間だと云ふので、はゝから注意を受けて、自分の部屋へやへ引きつたので、あとは差しむかひになつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いま弦月丸げんげつまるしておな鍼路しんろをば故意わざ此方こなたむかつ猛進まうしんしてるのである、一ぷん、二ふん、三ぷんのち一大いちだい衝突しようとつまぬかれぬ運命うんめい
玄石、子珍に語ったは、きに汝を伴れて汝の父を見せんと思いしも、汝の父、今牢獄にあって極めて見苦しければ、今更見るべきにあらず。
之は進化論の思想を介して、さきの思惟経済説と現象主義とに結びついているが、物理学の理論的歴史をこの立場から書き得たことは恐らく彼の永久の功績である。
辞典 (新字新仮名) / 戸坂潤(著)
はんのもごさ、降りでても
鹿踊りのはじまり (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
サキニ旌表之例。應準行
往来へ出て月の光を正面まともけた顔は確かにおしょうである。
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
こんどは、ぎゃくにまっうから火の子がふりかぶさってるという調子で、あっちへ、こっちへと、いくどもにげにげするうちに、とうとうほりわりのところなぞへおいつめられて
大震火災記 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
あの晩石郷氏が帰ってから直ぐ、智恵子はもう一度、糸子のへやを訪ねると、糸子は美人像の短銃ピストルに背中をそむけたまま、卓子テーブルに顔を埋めて泣いて居たのだ。
踊る美人像 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
此団扇をかざして立つた姿勢がい。流石さすが専門家はちがひますね。茲所こゝに気がいたものだ。光線が顔へあたる具合がうまい。かげと日なた段落だんらく確然かつきりして——顔丈でも非常に面白い変化がある
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
どつちかて云へば、あんたなんぞ、そん方が仕合せかも知れんとたあ。当分遊んどらるる金はあツとだるけん。そんうちい、よか運のいてツたい。なあ、おつ母さん。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
我もし汝に一の眞理を示すをえば、汝は汝のたづぬる事に顏をむくること今背をむくる如くなるべし 九四—九六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
立つてやると、あまりムカウをきりすぎるので、上方町人とは見えない。此方が地味でよい。封をきるに到る激し方には、尠し物足らぬ感じがした。
封印切漫評 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
スナワチ金博士は、今度ヒソカニ感ズルトコロアリテ、永年ニワタル秘密ノ一部ヲ告白コクハクスルト共ニ、コレニサシサワリアルムキニ対シ警告ヲ発スル次第ナリ。
又さうした夫婦関係をも言ふ様で「ムコのうちは——や」などゝも使ひます。おいによおぼお(老い女房)の略語なる事は勿論です。おい(連用)おゝ(終止)の二つの活用は見られます。
方言 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)