“向”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
43.7%
むか19.6%
むこう9.0%
むき7.8%
むこ6.7%
こう3.3%
かう2.0%
むかっ1.4%
むかう1.0%
むかい1.0%
むかふ0.8%
むい0.5%
むけ0.4%
むかひ0.4%
0.4%
さき0.3%
むかつ0.3%
もご0.3%
サキニ0.2%
0.1%
0.1%
そむ0.1%
0.1%
むく0.1%
ムキ0.1%
ムコ0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おばあさんが川でぼちゃぼちゃ洗濯せんたくをしていますと、こうから大きなうりが一つ、ぽっかり、ぽっかり、ながれてました。
瓜子姫子 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
すっかり仕度したくをして、これからてゆこうとしたおじいさんは、にっこりわらって、太郎たろうほうきながら、
大きなかに (新字新仮名) / 小川未明(著)
いまの文藝春秋社ぶんげいしゆんじうしやまへ石垣いしがきと、とほりへだつた上六かみろくかどとにむか
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
前樣まへさまいつまでれだけの月給げつきうつてお出遊いであそばすおこゝろぞ、おむかやしき旦那だんなさまは
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
昼間新吉の留守に、裏の井戸端で洗濯している時などは、むこうも退屈しきっているので、下駄をつっかけて来てはそばでおしゃべりをしていた。
果樹 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
「それからむこうの座敷をあたたかにして置け。ストーブをけ。頼むぜ。」といいながら早くも座敷の中で帯を解くので、女中はあわてて、
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
歩行あるき出して、むきを代えて、もう構わず、落水おちみずの口を二三ヶ所、ざぶざぶ渡って、一段踏んであがると、片側が蘆の茂りで。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
不審よりも不平な顔をした彼が、むきを変えて寝返りを打った時に、堅固にできていない二階のゆかが、彼の意を迎えるように、ずしんと鳴った。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
はるかの北上きたかみあおい野原は、今きやんだようにまぶしくわらい、むこうのくりの木は、青い後光をはなちました。
種山ヶ原 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「分って居るさ、だけどむこうがいくらこっちを侮蔑したって、こっちの風袋ふうたいは減りもえもしやしないからな。」と、平気に見えます。
武蔵は、三名のなかへ割って入ると、こうの者を、大刀で一さつの下に断ち伏せ、左側の男を、左手で抜いた脇差で、横にいだ。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
標題楽嫌いをこうに振りかざしたルービンシュタインですら、リストの編曲の珠玉篇には帽子を脱いでいるのは興味の深いことである。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
新店のせゐか、客は一かう來ません。——いや、新店でも元の『さざなみ』はあんなに客が立て混んだのです。今度は一體何としたことでせう。
長吉ちやうきちは妙にまりが悪くなつて自然に俯向うつむいたが、おいとはうは一かうかはつた様子やうすもなく小声こごゑで、
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
で船を出る時、船頭にむかって三人分の賃金を払って今僕の外に二人ほど友人が乗り込んでいたから……といって岸に上ってったと書いている。
イエスキリストの友誼 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
不親切薄情と云うけれども、私は何も奥平様にむかって悪い事をしたことはない、一寸ちょいとでも藩政の邪魔をしたことはない
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
たかく、きりおんなじねずみうす法衣ころものやうなものをまとつて、むかうきしからひら/\と。
三尺角拾遺:(木精) (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
さすれば自分は救助船に載せられて、北へも南へも僅か三マイルほどしかない、手に取るやうに見えるむかうの岸にあがる事が出来やう。
黄昏の地中海 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
町もこうは狭からざりしが、今はただ一跨ひとまたぎ二足三足ばかりにて、むかい雨落あまおちより、此方こなたの溝までわたるを得るなり。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
やがて、子供は明日あしたの下読をする時間だと云うので、母から注意を受けて、自分の部屋へ引き取ったので、後は差しむかいになった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
五軒町から江戸川のへりつたつて、かはむかふへ越した時は、先刻さつき散歩からの帰りの様に精神の困憊を感じてゐなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
竹垣の直ぐむかふは隣家の平家造のしとみのさびれた板にしきられて、眼界は極めて狭い不等辺三角形の隙から、遠い空中がのぞかれる丈である。
公判 (新字旧仮名) / 平出修(著)
といおうとしてふっと八っちゃんの方に顔を向けたが、縁側の方をむいて碁石をおもちゃにしている八っちゃんを見たら、口をきくのが変になった。
碁石を呑んだ八っちゃん (新字新仮名) / 有島武郎(著)
ソリャうでない、今日わたすと云う約束だからこの金は渡さなくてはならぬと云うと、大橋おおはしは脇の方にむいて、
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
縁日えんにちむけの花を仕立てるはたけの尽きたところまで行くと、そこに木戸がある。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
倹約とは不生産的の入費を節して生産的の入費へむける事です
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
三四年前反対派の大騒ぎがあつて改葬されたゾラのくわんはユウゴオと同じがんの中にむかひ合せに据ゑられて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
やがて、小供こども明日あした下読したよみをする時間だと云ふので、はゝから注意を受けて、自分の部屋へやへ引きつたので、あとは差しむかひになつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
玄石、子珍に語ったは、きに汝を伴れて汝の父を見せんと思いしも、汝の父、今牢獄にあって極めて見苦しければ、今更見るべきにあらず。
予が窓下に、昔讀んだ事があるといふ記憶を唯一のたよりに、かの紀行の内からやうやうこの頁を搜しあてた頃には、既に海は暗く、きの船影は既に見る可からざるに至つた。
海郷風物記 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
そう咄しの腰をおるからいけない。それでとうとうこんだのやくそくも出来て。にわかに大尽になるようになるはなしだけれど。さきはどうだかしらないが。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
之は進化論の思想を介して、さきの思惟経済説と現象主義とに結びついているが、物理学の理論的歴史をこの立場から書き得たことは恐らく彼の永久の功績である。
辞典 (新字新仮名) / 戸坂潤(著)
「も一ツ」と今度は徳二郎がついでやつたのを女は又もや一呼吸ひといきに飮み干して月にむかつて酒氣をほつと吐いた。
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
剛一はムンズとばかりに梅子の手を握りつ「姉さん、僕は常に篠田さんの写真にむかつて『兄さん』と小声で呼んで見るんですよ」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
はんのもごさ、りでても
鹿踊りのはじまり (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
はんのもごさ、降りでても
鹿踊りのはじまり (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
之に對して禮部は、「割肝乃小民輕生愚孝。サキニ旌表之例。應准行」と議決したが、世宗は、
禮部は「割肝乃小民輕生愚孝。サキニ旌表之例。應準行。」と議決したが、雍正帝は、
そして構造かまえの大きな農家らしき家の前に来ると、庭先で「左様なら」と挨拶して此方こちらへ来る女がある、その声が如何いかにもおしょうに似ているように思われ、つい立ちどまってると、往来へ出て月の光を正面まともけた顔は確かにおしょうである。
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ぎゃくにまっうから火の子がふりかぶさってるという調子で、あっちへ、こっちへと、いくどもにげにげするうちに、とうとうほりわりのところなぞへおいつめられて、仕方なしに泥水どろみずの中へとびこむと、その上へ
大震火災記 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
——あの晩石郷氏が帰ってから直ぐ、智恵子はもう一度、糸子のへやを訪ねると、糸子は美人像の短銃ピストルに背中をそむけたまま、卓子テーブルに顔を埋めて泣いて居たのだ。
踊る美人像 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
そんうちい、よか運のいてツたい。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
我かく彼に、彼即ち我に。我もし汝に一の眞理を示すをえば、汝は汝のたづぬる事に顏をむくること今背をむくる如くなるべし 九四—九六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
スナワチ金博士は、今度ヒソカニ感ズルトコロアリテ、永年ニワタル秘密ノ一部ヲ告白コクハクスルト共ニ、コレニサシサワリアルムキニ対シ警告ヲ発スル次第ナリ。
又さうした夫婦関係をも言ふ様で「ムコのうちは——や」などゝも使ひます。
方言 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)