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發掘
太古遺跡の
發掘に、
初めて
余が
手を
下したのは、
武藏の
權現臺である。それは
余の
品川の
宅から
極めて
近い、
荏原郡大井の
小字の
事。
果してそれは
貝塚でありまして、
石器や
土器が
多數に
出て
來たのです。これが
日本において
貝塚を
研究するために
發掘した
最初であります。
御者は
懶惰な
婢の
指頭から
發掘す
彼の
圓蟲といふ
奴の
半分がたも
無い
鼠裝束の
小さい
羽蟲、
車體は
榛の
實の
殼、それをば
太古から
妖精の
車工と
定ってゐる
栗鼠と
蠐螬とが
製りをった。