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權現臺
太古遺跡の
發掘に、
初めて
余が
手を
下したのは、
武藏の
權現臺である。それは
余の
品川の
宅から
極めて
近い、
荏原郡大井の
小字の
事。
有りますとも、
第一、
品川の
近くでは
有名な
權現臺といふ
處が
有ります。
其所なんぞは
大變です、
這んな
破片は
山の
樣に
積んで
有ります
されば
余として、
終生忘るゝ
事の
出來ぬのは、この
權現臺の
遺跡で、
其所の
地を
踏む
時は
勿論、
遺物の
一片を
手にしても、
直ぐと
其當時を
思出すのである。