“這”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
82.7%
8.4%
2.5%
ばい1.3%
はい1.3%
1.3%
0.5%
しゃ0.4%
ばひ0.4%
0.2%
はう0.2%
はひ0.2%
0.1%
この0.1%
しゃつ0.1%
びゃ0.1%
べえ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
初冬の夕陽がい寄る縁側、今までガラッ八の八五郎を相手に、将棋しょうぎの詰手を考えている——といった、泰平無事な日だったのです。
「おい、あれは、やっぱりほんとうの虎かもしれないぜ。人間が四つんいになって、いったい、あんなに早く走れるものだろうか」
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
りますとも、だい一、品川しながはちかくでは有名ゆうめい權現臺ごんげんだいといふところります。其所そこなんぞは大變たいへんです、んな破片はへんやまやうんでります
宵子はまた足元の危ない歩きつきをして、松本の書斎の入口まで来て、四つばいになった。彼女が父に礼をするときには必ず四つ這になるのが例であった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
殆ど気を失った夫人の身体を大樹の蔭の草の上に寝かせて置いて、堤に引返すと、彼は川の所まではいおりて、汚い水をすくって飲んだ。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
カリエスは、大した事がなく、注射で、癒るらしいが、肺と、神経痛は、頑強で、私は時々、倶楽部クラブの三階の自分の部屋へ、うて上る事がある。
死までを語る (新字新仮名) / 直木三十五(著)
いつか、杖も柄香炉えこうろも、手になかった。生命いのち一つを大事に、よろい歩くのが、やっとであった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
猛然として文角が、立閉たちふさがりつつ角を振りたて、寄らば突かんと身構みがまえたり。「さては加勢の者ありや。しゃものものし金眸が、死物狂ひの本事てなみを見せん」
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
四ツばひになつて雑巾掛をする時、井戸端で盥を前にして蹲踞しやがむ時、また重い物の上下しに上気じやうきしたやうに頬を赤くする顔色などを見る時
人妻 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
こんなに、寝床の上をひずり廻つてゐるのが、だれにも訣らぬのか。こんなに、手足をばた/″\やつてゐるおれの、見える奴が居ぬのか。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
私はこの時一種の暗愁あんしゅうの湧くを感じた。黒い烟は、遅々ちちとしてはうように黄色をんだ豆圃まめばたけの上に影を映じている。その影は絶えず騒がしそうに乱れていた。
暗い空 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おのれ一人ひろゝみのかしらよりかぶりり(ひろゝは山にある艸の名也、みのに作れば稿よりかろし、猟師常にこれを用ふ)穴にそろ/\とはひ入り
手前らがそれをして貰えたくって己んとこへ膝をついてえつくばってやって来たんだ、——膝をついてな、やって来たんじゃねえか。
門人かけんか見え候故、しばらく話し申候。寝てゐる程の事にもあらず候。このかん学問もあり画もよく候。逢不申残念に御坐候。私気色は春よりいろ/\あしく候。然ども浪食もとのごとくに候。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
しゃつ伏勢ござんなれ」ト、身構へしつつきっと見れば、いとおおいなる黒猿の、おもて蘇枋すおう髣髴さもにたるが、酒に酔ひたる人間ひとの如く、倰僜よろめきよろめき彼方かなたに行きて、太き松の幹にすがりつ
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
「……そら、キンキラキン、かね手洗鉢ちょうずばち、胸突ガンギに桜馬場、それもうたい、キンキラキン、キンキラキンのガネマサどん、ガネマサどんの横這よこびゃびゃあ」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
ポンと寅を川ん中へほうり込んだ時にゃア、おらあフーッてって這ッちまった、あのなげ永代橋えいてえよつべえに這って向うまで渡って、箱崎のてつ爺さんの屋台店やてえみせへ飛び込んで