“這個”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゃこ60.0%
この20.0%
10.0%
しやこ10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
思うに這個しゃこの消息は、私がここに今さららしく書きつづるまでもなく、早くより警眼けいがんなる社会観察者の看取し得たるところである。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
はうとして、ふとおのれかへりみてあきかへつた。這個この髯斑ひげまだらまなこつぶらにしておもあか辺塞へんさい驍将げうしやうたいして、しかことさむには、当時たうじ流行りうかう剣劇けんげき朱鞘しゆざや不可いけず講談かうだんものゝ鉄扇てつせんでも不可いけない。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
や、おもへば、もやのねば/\は、這個振舞ふるまひか。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
心中を涅槃ねはんにくつつけたやうなところがあるが、生中なまなかさういふ小乗に行かなかつたところに、却つてかれの勇者たり智者たるところがあるのであつて、這個しやこ仏性ぶつせいありと言はずには居られない。
西鶴小論 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)