“呆”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あき81.6%
4.3%
ほう3.6%
3.4%
とぼ2.0%
1.0%
ぼう1.0%
ぼん0.8%
あきれ0.2%
うつ0.2%
はう0.2%
ほお0.2%
ほほ0.2%
ホヽ0.2%
あっ0.1%
0.1%
たわ0.1%
たわけ0.1%
0.1%
ほゝ0.1%
0.1%
ホホ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さすが銭形の平次も驚きあきれるばかり、朝から多勢来た参詣の男女のうち、どれが怪盗風太郎なのか、全くもって見当も付きません。
おせいのゐないベッドに横になり、富岡は、んやり、雨の音を聴いてゐた。窓は白く煙り、水滴が汚れた硝子戸ガラスどを洗ひ流してゐる。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
だが、彼女は職業の場所に出て、好敵手が見つかると、はじめはちょっとほうけたような表情をしたあとから、いくらでも快活に喋舌しゃべり出す。
老妓抄 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
何やら、謎めいた言葉に、お小夜も、甚三郎もややっ気にとられていたが、平四郎が逃げる気と勘づいたので、はっとしながら
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「一向嬉しくない。うしたもんだらう。」上人はとぼけた顔をしてじつと考へ込んだ。「もつとたんと落さなくつちやならないか知ら。」
『さればさ。この遠藤盛遠を、わすれるやつがあるものか。どうした、おぬし。いやに、うけた顔しているじゃないか』
せっかくの生飯も、昭青年は苫船の中の美しい姫にやってしまうので、淵の鯉は、いつも待ちぼうけです。しまいにはあきらめて鯉達は斎の鐘に集らなくなりました。
鯉魚 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
退屈なので、馬の眼やにでも取っているのか、鼻面をでてやっている容子が、常の源五右衛門らしくもなく、何となくぼんやりして見えたので
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
己はあきれてプロホルの顔を見て云つた。「これは何の事でせう。」
おもしろの雅遊よ 詩にうつけぬほど
独楽 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
「負けるもんか、長いこと病みはうけた人に。……出て來たらギユウと押へ付けてあげる。健康ぢやうぶな時でもわたへの方が強い。」
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
智子はややほおけた茅花つばなの穂を二三本手でなびけて、その上に大形の白ハンカチを敷いた。そして自分は傍のよもぎの若葉の密生した上へうずくまった。
明暗 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
艶もせ、物なべてほほけて立てば
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
刀自・若人たちは、一刻々々、時の移るのも知らず、身ゆるぎもせずに、姫の前に開かれて來る光りの霞に、唯見ホヽけて居るばかりであつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
その手を二本ともダラリとブラ下げたまま……口をポカンと開いたまま正木博士と向き合って、大きな眼をき出していたように思う、恐らく「あっ」という文字をそのままの恰好で……。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
眠りけたのにちがいない、と思って三太は爺さんの肩に手をかけてゆすぶった。すると、爺さんは上体をがっくりと土の上にうつぶせになった。死んでいるのであった!
南方郵信 (新字新仮名) / 中村地平(著)
武「たわけた事をいうな、麦藁細工が七つ有ろうが、金が有ろうがそれが盗んだという証拠に成るものか、これ、番頭、これへ出ろ」
たわけ、其の方支配を致す身の上で有りながら、其の店子たなこと云えば子も同様と下世話で申すではないか、其の子たる者のかゝる難儀をも知らんでるという事は無い
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「親のすがたを見て、逃げ出すとはなんの芸じゃ。われは、木の股から生れくさったか、わしが子ではなかったかよ。——こ、これッ、ここなぼけ者が」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほゝけ立つ尾花すゝきのそよぎにまかせた焼跡の冬のきびしさはしみ/″\こたへた。これでも戦災前は知名人の門標もちらほら目立つほどの静雅な邸宅続きのブルジョア小路だつたのである。
老残 (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
「全く変なんですよ。昨日は一日茅ヶ崎の別荘で待ちけを食わされたといいますから」
青服の男 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
刀自・若人たちは、一刻々々、時の移るのも知らず、身ゆるぎもせずに、姫の前に開かれて来る光りの霞に、唯見ホホけて居るばかりであつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)