“呆”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
あき80.9%
4.5%
3.7%
ほう3.3%
とぼ2.2%
ぼう1.2%
1.0%
ぼん0.8%
うつ0.3%
はう0.3%
(他:15)1.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“呆”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語16.7%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)4.2%
文学 > 日本文学 > 詩歌1.7%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
『まアそんなことを言わないで信仰してお呉れ、後生だから。』という母の言葉を里子もそばで聞て居ましたが、あきれて、
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
われながらあきれて、再び日頃の汚濁の心境に落ち込まぬよう、自戒の厳粛の意図をもって左に私の十九箇条を列記しよう。
花吹雪 (新字新仮名) / 太宰治(著)
天保山てんぽうざんの安宿の二階で、何時いつまでも鳴いている猫の声を寂しく聞きながら、私はんやり寝そべっていた。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
ゆき子は所在なく寝床へ横になつて、しばらんやりしてゐたが、気が滅入めいつて、くさくさして仕方がなかつた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
何やら、謎めいた言葉に、お小夜も、甚三郎もややっ気にとられていたが、平四郎が逃げる気と勘づいたので、はっとしながら、
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
原士たちは唖然あぜんとして、棒を飲んだようになっていた。一角もにとられて、いうべき言葉を忘れている。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
梶は玉手箱のふたを取った浦島のように、ほうッと立つ白煙を見る思いでしばらく空を見あげていた。
微笑 (新字新仮名) / 横光利一(著)
人々ががやがやと集って来て、そこら辺に立ちほうけて、右手奥の方を眺めている。験者達の呼ばい声、鈴の音は、次第次第に熱ばんで来る調子。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
世の中には結構な音楽よりも、とぼけて世間話でもて聴かせた方が、ずつと利益ためになる人があるのを検校はよく知つてゐた。
小初は堅気かたぎな料理屋と知っていて、わざととぼけて貝原にいた。貝原は何の衝動しょうどうも見せず
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
せっかくの生飯も、昭青年は苫船の中の美しい姫にやってしまうので、淵の鯉は、いつも待ちぼうけです。
鯉魚 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
彼女は扁理の心を奪はうとして、他のすべての男たちとふざけ合つた。そして彼を自分から離すまいとして、彼と約束して置きながら、わざと彼を待ちぼうけさせた。
聖家族 (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
腰弱のへろへろ、正しきを何なづむ。骨無しのとろとろ、立つべきを何けつる。深山みやま一木檞ひときかしの、風に立つ樹思へや。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
こんなふうに、碁にかかれば碁に、女にかかれば女に、眼もなく、他意もなく、遊びうけて見える彼だった。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「しようがねえ奴らだな。じてえ、お前たちが、ばかな真似まねをされるように、ぼんやりしてるからだ。」
市川九女八 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
退屈なので、馬の眼やにでも取っているのか、鼻面をでてやっている容子が、常の源五右衛門らしくもなく、何となくぼんやりして見えたので、
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おもしろの雅遊よ 詩にうつけぬほど
独楽 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
うつけしさまにたてる時。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
「負けるもんか、長いこと病みはうけた人に。……出て來たらギユウと押へ付けてあげる。健康ぢやうぶな時でもわたへの方が強い。」
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
お隣の師匠のところへ行つて、お仕事の稽古けいこを口實に、毎日のやうに遊びはうけて、幾度も幾度も晩の御飯のお使を受けて歸るお此は、その日も下女に二三度無駄足をさして、とつぷり暗くなつてから
智子はややほおけた茅花つばなの穂を二三本手でなびけて、その上に大形の白ハンカチを敷いた。そして自分は傍のよもぎの若葉の密生した上へうずくまった。
明暗 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
漁夫はあてのない視線を白ペンキが黄色にすすけた天井にやったり、ほとんど海の中に入りッ切りになっている青黒い円窓にやったり……中には、ほおけたようにキョトンと口を半開きにしているものもいた。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
艶もせ、物なべてほほけて立てば、
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
散薬の重いしめりに病みほほけた
霙の中 (新字旧仮名) / 森川義信(著)
刀自・若人たちは、一刻々々、時の移るのも知らず、身ゆるぎもせずに、姫の前に開かれて來る光りの霞に、唯見ホヽけて居るばかりであつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
刀自・若人たちは、一刻々々、時の移るのも知らず、身ゆるぎもせずに、姫の前に開かれて來る光りの霞に、唯見ホヽけて居るばかりであつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
己はあきれてプロホルの顔を見て云つた。「これは何の事でせう。」
その手を二本ともダラリとブラ下げたまま……口をポカンと開いたまま正木博士と向き合って、大きな眼をき出していたように思う、恐らく「あっ」という文字をそのままの恰好で……。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
眠りけたのにちがいない、と思って三太は爺さんの肩に手をかけてゆすぶった。
南方郵信 (新字新仮名) / 中村地平(著)
武「たわけた事をいうな、麦藁細工が七つ有ろうが、金が有ろうがそれが盗んだという証拠に成るものか、これ、番頭、これへ出ろ」
たわけ、其の方支配を致す身の上で有りながら、其の店子たなこと云えば子も同様と下世話で申すではないか、其の子たる者のかゝる難儀をも知らんでるという事は無い、殊には近辺の評も孝心な者で有ると皆々が申す程の孝心の娘なれば
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「親のすがたを見て、逃げ出すとはなんの芸じゃ。われは、木の股から生れくさったか、わしが子ではなかったかよ。——こ、これッ、ここなぼけ者が」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほゝけ立つ尾花すゝきのそよぎにまかせた焼跡の冬のきびしさはしみ/″\こたへた。
老残 (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
「全く変なんですよ。昨日は一日茅ヶ崎の別荘で待ちけを食わされたといいますから」
青服の男 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
刀自・若人たちは、一刻々々、時の移るのも知らず、身ゆるぎもせずに、姫の前に開かれて来る光りの霞に、唯見ホホけて居るばかりであつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)