“呆”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あき81.1%
4.5%
3.6%
ほう3.3%
とぼ2.2%
ぼう1.2%
1.0%
ぼん0.8%
うつ0.3%
はう0.3%
ほお0.3%
ほほ0.3%
ホヽ0.3%
あきれ0.1%
あっ0.1%
0.1%
たわ0.1%
たわけ0.1%
0.1%
ほゝ0.1%
0.1%
ホホ0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
側の者も、あきれ顔した。しかし、さすがに二晩目は、宵のうちに眼がさめて、大欠伸おおあくびを一つすると、それから体をもて余してしまった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(もっともこの辺の論は短歌につきての論と御承知可被下くださるべく候)真淵の家集を見て真淵は存外に『万葉』のわからぬ人とあきれ申候。
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
地球の上には、かうした夢のやうな国もあるものだと、ゆき子は、小禽ことりのさへづりを聴いたり、運河の水の上をんやり眺めてゐたりした。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
それは細々とした良い聲でした。そして肥つてけて、見る影もなく年をとつた乳母の喉から出るものにしては、思ひも寄らぬ哀れ深く美しい歌だつたのです。
「あしたの朝になったら、さだめしッ気に取られて、ゆうべ吹いた笛吹きの名人は、狐か狸じゃなかッたかと、大騒ぎをして戸惑いをしやがるだろう」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いづれ一度は御厄介ごやつかいになりますが聞いてきれらア、ハヽヽヽヽ」「ハヽヽヽヽヽヽ」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
だが、彼女は職業の場所に出て、好敵手が見つかると、はじめはちょっとほうけたような表情をしたあとから、いくらでも快活に喋舌しゃべり出す。
老妓抄 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
人々ががやがやと集って来て、そこら辺に立ちほうけて、右手奥の方を眺めている。験者達の呼ばい声、鈴の音は、次第次第に熱ばんで来る調子。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
「一向嬉しくない。うしたもんだらう。」上人はとぼけた顔をしてじつと考へ込んだ。「もつとたんと落さなくつちやならないか知ら。」
あくまでも真面目に取り澄ましていて、それで何処どことなくとぼけている工合は、十返舎一九じっぺんしゃいっくの筆意を眼のあたりに見るようであった。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
彼女は扁理の心を奪はうとして、他のすべての男たちとふざけ合つた。そして彼を自分から離すまいとして、彼と約束して置きながら、わざと彼を待ちぼうけさせた。
聖家族 (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
さうして私と保持さんは始めから一緒に行つて、新富町についてから哥津ちやんに散々待ちぼうけを喰されたあげく、這入はいつた時にはもう満員ですわる所がないやうな有様でした。
妾の会つた男の人人 (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
腰弱のへろへろ、正しきを何なづむ。骨無しのとろとろ、立つべきを何けつる。深山みやま一木檞ひときかしの、風に立つ樹思へや。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「なあに、女房どのが、夕餉ゆうげのしたくに遅々としておるので、腹がすいたゆえ、うけていたのだ。……焼き魚のけむりもようやく逃げた。まあ上がれ」
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
退屈なので、馬の眼やにでも取っているのか、鼻面をでてやっている容子が、常の源五右衛門らしくもなく、何となくぼんやりして見えたので、
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お俊はそう言って自分らしくもないと思ってあかくなったが、きよ子はべつに何も思っていないらしくぼんやりとしていたが、ふと、こんなことを言った。
童話 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
おもしろの雅遊よ 詩にうつけぬほど
独楽 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
うつけしさまにたてる時。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
「負けるもんか、長いこと病みはうけた人に。……出て來たらギユウと押へ付けてあげる。健康ぢやうぶな時でもわたへの方が強い。」
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
お隣の師匠のところへ行つて、お仕事の稽古けいこを口實に、毎日のやうに遊びはうけて、幾度も幾度も晩の御飯のお使を受けて歸るお此は、その日も下女に二三度無駄足をさして、とつぷり暗くなつてから
智子はややほおけた茅花つばなの穂を二三本手でなびけて、その上に大形の白ハンカチを敷いた。そして自分は傍のよもぎの若葉の密生した上へうずくまった。
明暗 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
漁夫はあてのない視線を白ペンキが黄色にすすけた天井にやったり、ほとんど海の中に入りッ切りになっている青黒い円窓にやったり……中には、ほおけたようにキョトンと口を半開きにしているものもいた。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
艶もせ、物なべてほほけて立てば、
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
散薬の重いしめりに病みほほけた
霙の中 (新字旧仮名) / 森川義信(著)
刀自・若人たちは、一刻々々、時の移るのも知らず、身ゆるぎもせずに、姫の前に開かれて來る光りの霞に、唯見ホヽけて居るばかりであつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
刀自・若人たちは、一刻々々、時の移るのも知らず、身ゆるぎもせずに、姫の前に開かれて來る光りの霞に、唯見ホヽけて居るばかりであつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
己はあきれてプロホルの顔を見て云つた。「これは何の事でせう。」
その手を二本ともダラリとブラ下げたまま……口をポカンと開いたまま正木博士と向き合って、大きな眼をき出していたように思う、恐らく「あっ」という文字をそのままの恰好で……。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
眠りけたのにちがいない、と思って三太は爺さんの肩に手をかけてゆすぶった。
南方郵信 (新字新仮名) / 中村地平(著)
武「たわけた事をいうな、麦藁細工が七つ有ろうが、金が有ろうがそれが盗んだという証拠に成るものか、これ、番頭、これへ出ろ」
たわけ、其の方支配を致す身の上で有りながら、其の店子たなこと云えば子も同様と下世話で申すではないか、其の子たる者のかゝる難儀をも知らんでるという事は無い、殊には近辺の評も孝心な者で有ると皆々が申す程の孝心の娘なれば
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「親のすがたを見て、逃げ出すとはなんの芸じゃ。われは、木の股から生れくさったか、わしが子ではなかったかよ。——こ、これッ、ここなぼけ者が」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほゝけ立つ尾花すゝきのそよぎにまかせた焼跡の冬のきびしさはしみ/″\こたへた。
老残 (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
「全く変なんですよ。昨日は一日茅ヶ崎の別荘で待ちけを食わされたといいますから」
青服の男 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
刀自・若人たちは、一刻々々、時の移るのも知らず、身ゆるぎもせずに、姫の前に開かれて来る光りの霞に、唯見ホホけて居るばかりであつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)