“あっ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アッ
語句割合
17.7%
17.7%
10.1%
10.1%
10.1%
8.9%
6.3%
3.8%
3.8%
2.5%
1.3%
叫喚1.3%
1.3%
彼方1.3%
愕然1.3%
1.3%
1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
... とてもかくてもこの外に、鼠をさがらんにかじ」ト、言葉いまだおわらざるに、たちまち「あっ」と叫ぶ声して、鴨居かもいより撲地はた顛落まろびおつるものあり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
そのとき烈しい香料の匂いが、溝の臭気をあっしながら、ふうわりとうすもののように漂いながら匂っていることをかんじた。
幻影の都市 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
年齢としには増せた事を言い出しては両親にたもとを絞らせた事はあっても、又何処どこともなく他愛たわいのない所も有て、なみに漂う浮艸うきぐさの、うかうかとして月日を重ねたが
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
かく山に生じているものはその花が余り派手やかではないが、諸州にあって里に栽えられてあるものにはすこぶる美花をらくのがある。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
あの洗い落したような空のすそに、色づいた樹が、所々あったかくかたまっている間から赤い煉瓦れんがが見える様子は、たしかにになりそうですね
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
丁度ちょうど某氏が同じ夢を見た晩と同じ晩の同じ時刻に、その病人が『今、自分は、色んな人にあって、色んな愉快な話をして来たので、心持こころもちになった』
取り交ぜて (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
ことに老人の傷処きずしょあらため見ればのどを一突にて深く刺れ「あっ」とも云わずに死せしとこそ思わるれ、曲者くせものの去りたる後まで生存いきながらえしとはみとむ可からず、笑の浮みしは実際にして又道理なり
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
公然単独ひとりで墓参に行くと、そこには必ず誰か彼女を待って居るものがあった、所謂誘拐される四日前も二人はあった、そして女は降りかかる結婚問題をはなしたのだね
誘拐者 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
文三に対して一種の敵意をさしはさんでいたお勢が俄に様子を変えて、顔をあからめあった事は全く忘れたようになり、まゆしかめ眼のうちを曇らせる事はさて置き
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「これ、飲みなちゃいね、あったかくなるからさ」
あっちゃん、あなた、どうしたの、そんな大きな声をして。……ママに御用があるなら、いってみてちょうだい。もうすこし、しずかにね」
あっちゃん、ママがきっといいようにしてあげますから、そんなに泣かないで、ちょうだい。あなたをこんなふうにしたのは、あまり甘やかしすぎたママの罪なのよ。……ママを
この人若いに似合にあわ沈着おちついたちゆえ気をしずめて、見詰めおりしが眼元めもと口元くちもと勿論もちろん、頭のくしから衣類までが同様ひとつゆえ、始めて怪物かいぶつなりと思い、叫喚あっと云って立上たちあが胖響ものおと
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
叫喚あっと云ってふるえ出し、のんだ酒も一時にさめて、うこんなうちには片時も居られないと、ふすまひらき倉皇そうこう表へ飛出とびだしてしまい芸妓げいぎも客の叫喚さけびに驚いて目をさまし、幽霊ときいたので青くなり
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
その手を二本ともダラリとブラ下げたまま……口をポカンと開いたまま正木博士と向き合って、大きな眼をき出していたように思う、恐らく「あっ」という文字をそのままの恰好で……。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
香り高い茸がゾクゾクと出て居るので段々彼方あっちへ彼方へと行くと小川に松の木の橋がかかって居た
悲しめる心 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
一同は愕然あっと驚いた。最もおどろいた——或いはそう見えた——のが為吉であった。
上海された男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
日本一の色男になったつもりでうちへ帰っても胸がドキドキして眼の中があっつうなります。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
誠に冥土めいどの人にあったような気がして、ソレカラいろ/\な話をきいて、清水と一緒になったと云うことも分れば何もわかっ仕舞しまった。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)