“捕”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
39.8%
とら18.3%
つか17.9%
つかま12.2%
つら3.5%
2.4%
つらま0.8%
おさ0.6%
0.6%
づか0.5%
とり0.3%
とる0.3%
づかま0.3%
とらえ0.3%
とらへ0.3%
どり0.3%
0.2%
つかめ0.2%
づかめ0.2%
とらは0.2%
とらふ0.2%
とらわ0.2%
とれ0.2%
とッ0.2%
0.2%
トラ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おとこは、さかんにわるいことをしました。しかし、世間せけんは、それをゆるすものではありませんから、じきにまたらえられてしまいました。
おけらになった話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれとらへられていへ引返ひきかへされたが、女主人をんなあるじ醫師いしやびにられ、ドクトル、アンドレイ、エヒミチはかれ診察しんさつしたのであつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
鮎子が右に左に通せんぼうをするのを、たくみにかいくぐって、尻尾しっぽの二郎美少年をつかまえる遊戯だ。陸上の「子を取ろ、子取ろ」である。
地獄風景 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「ぢやアぼくは帰るよ。もう………。」とふばかりで長吉ちやうきち矢張やは立止たちどまつてゐる。そのそでをおいとは軽くつかまへてたちまこびるやうに寄添よりそ
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
代助は此細君をつらまへて、かつて奥さんと云つた事がない。何時いつでも三千代みちよさん/\と、結婚しない前の通りに、本名ほんみようんでゐる。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
……しかし久しい間、つい隣国に、こんどりになった虎が穴居けっきょしておりましたので、折々、好まぬ相手にもなっておりましたが
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それからいっしょに汽車に乗ったり、下りたりする時に、自分もこの男をつらまえて二三度長蔵さんと呼んだ事がある。しかし長蔵とはどう書くのか今もって知らない。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あの野郎をおさめえて置き、おめえさまたちの怨みのれるようにしますべえから、ゆっくり宅に居て下せえまし
「こうか。——なるほど、こりゃ大変浅い。これなら、僕が蝙蝠傘こうもりを上から出したら、それへ、らまって上がれるだろう」
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
糞放くそったれめ、罪もねえ者を無闇に牢の中へ放り込んで、金を呉れた盗人ぬすっとがふんづかまるまで、牢の中へ入れときやアがって面白くもねえ、本当に癪に障って堪らねえや
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
さけ時節じせつにて、小千谷をぢや前川ぜんせんは海にてうするの大河なれば今とりしをすぐに庖丁はうちやうす。あぢはひ江戸にまされり。一日さけをてんぷらといふ物にしていだせり。
●さて熊をとる種々しゆ/″\じゆつあり。かれがをる所の地理ちりにしたがつて捕得とりえやすき術をほどこす。熊は秋の土用よりあなに入り、春の土用に穴よりいづるといふ。
「それでね、出来るものならふんづかまえて畜生撲殺なぐりころしてやろうと思って、こう胸ッくそが悪くッて、じっとしていられねえんで、まったくでさ、ふらふらして歩行あるいたんで。」
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しばらくして黄金丸は、鷲郎に打向ひて、今日朱目がもとにて聞きし事ども委敷くわしく語り、「かかる良計ある上は、すみやかに彼の聴水を、おびいだしてとらえんず」ト、いへば鷲郎もうち点頭うなず
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
姫に手をかれたる我は、とらへられし小鳥に殊ならず。たとひ羽ばたきすとも、歌はでは叶はず。姫の歌はんといふは、わが知れる雙吟ヅエツトオなり。
眞つ黒な裝束しやうぞくした者が、お孃さんの首を締めてる、私の入つたのも知らない樣子だ、後ろから引離して、——生けどりにしなかつたのが手落だが、ツイ縁側へ突き出し、一刀のもとに斬つてしまつた
「お目にかかったついでに、重松様に、一日も早く下手人がげられるように、よくあっしからも頼んでおこう」
治郎吉格子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
めえ、滝の処はやっぱり真暗まっくらだっさ。野郎とうとう、めんないちどりで、ふんづかめえて、口説こうと、ええ、そうさ、長い奴を一本引提ひっさげてへえったって。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かの狂女の去りもやらざりしがとらはれしなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
さきにすゝむ大鮏、もし物にさはりてよこたふるゝ時は、あとにしたがひたる鮏もおなじくたふれてふたゝびおきず、人のとらふるをまつがごとし。はからずして手もぬらさず二三とうのさけをうる事あり。
窓の外に走つて闇から闇にちら/\する街の灯にその眼はとらわられてゐて、さつき暗い道の一つの軒燈の光りで見た時のやうな、自分にのみ心を傾けてゐるやうな、純一な顔ではなかつた。
散歩 (新字旧仮名) / 水野仙子(著)
牧之ぼくしつねにおもへらく、寒気の頃とれたるはらゝご男魚をな白䱊しらことをまじへ、さける川の沙石しやせきつゝみ、かめやうのものにうつし入れ、鮏なきくにの海につうずる山川の清流せいりう
おまえさまとッつかめえて、毒なア虫でごぜえますから、かごへ入れてふたをしては持ってめえります
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「賊はじきにその晩られた」
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ねこ、(中略)人家ジンカチヒサキケモノヒトトコロナリ。温柔ヲンジウニシテヤスク、マタネズミトラフレバフ。シカレドモ竊盗セツタウセイアリ。カタチトラ二尺ニシヤクラズ。(下略げりやく
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)