“盗人”のいろいろな読み方と例文
旧字:盜人
読み方割合
ぬすびと43.8%
ぬすっと41.6%
どろぼう5.8%
ぬすと3.6%
ぬすつと2.2%
どろばう0.7%
ぬすみて0.7%
ぬすツと0.7%
ねすと0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それが今聞けば盗人ぬすびとのために、海へ投げこまれたと云うのである。保吉はちょいと同情しながら、やはり笑わずにはいられなかった。
保吉の手帳から (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「お前を九百九十両の盗人ぬすっとだと思ってるわけじゃねえ。実は先廻りして、あの晩お前が家から一と足も出ない事を聞いて来たんだ」
巡査は頬を膨らして、「黙れ。場所柄も弁別わきまえず乱暴をいたしおる。棄置かれぬ奴等だ。華族方の尊威をけがすのみならず、ほしいままにここの売物をくらいよったは盗人どろぼうだぞ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
古来の俚諺に「盗人ぬすとにも三分の理がある」という、円本の流行にも何等かの利益はあろうが、それは盗人の道理に同じ事と見る、本書の著者は
また、勝手に新たな水源を見つけようと云ふなあ、これや、お前、村に盗人ぬすつとがへえつとるやうなもんだ。その盗人の手伝ひをする人間がをるとなれや、こいつは黙つてをれんちうわけだ……
(新字旧仮名) / 岸田国士(著)
このごろ又外国人ぐわいこくじんを殺しし盗人どろばうあり我心わがこころあやしきを君はとがむな
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
何も失錯しくじりかどがないものを、何も覚えがないのだから、あとで金の盗人ぬすみてが知れるに違いない、てんまことてらすというから、其の時殿様が御一言でも、あゝ孝助は可愛相かわいそうな事をしたと云って下されば
黙つて取つて食ふやうなものは、泥棒だぞい——盗人ぬすツとだぞい——ちよツ、何処へでも勝手に行つて了へ、其様そん根性こんじやうの奴は最早もう母さんの子ぢやねえから。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「まあ、お聞きやす、昨夜ゆうべうち盗人ぬすとが入つてましたんや。ほんまどつせ、えらい盗人ねすとなんや、それが……」