“失錯”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しっさく28.6%
しつさく21.4%
しくじ21.4%
しくじり14.3%
へま7.1%
まちがい7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
酒が好きで、別人なら無礼のおとがめもありそうな失錯しっさくをしたことがあるのに、忠利は「あれは長十郎がしたのではない、酒がしたのじゃ」
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
出来るだけ悪く造られてゐる。世界の出来たのは失錯しつさくである。の安さが誤まつて攪乱かうらんせられたに過ざない。世界は認識によつて無の安さに帰るより外はない。
妄想 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
去年手前てめえの所へごたつきに往って失錯しくじったので、おふくろも口惜しがって居るから、手前てめえがおえいと墓参はかめえりに往ったけえり道でおえいをさらおうと思ったら
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
何も失錯しくじりかどがないものを、何も覚えがないのだから、あとで金の盗人ぬすみてが知れるに違いない、てんまことてらすというから、其の時殿様が御一言でも、あゝ孝助は可愛相かわいそうな事をしたと云って下されば
仁「そうサ、小平兄い失錯へま遣っちゃアいけねえぜ、なんしろ此処には長くは居られねえから、是から信州路へ掛るにゃア秩父へすぐ山越やまごしして逃げよう」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「お前も何だぞえ、そういつもぶらぶらしていないで、また前のような失錯まちがいのないうちに田舎へでも行って体を固めた方がいいぞえ。」
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)