“照”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
63.4%
てら23.7%
てり3.7%
てる2.5%
1.4%
てー0.8%
せう0.6%
てらす0.6%
0.6%
ひか0.6%
あき0.3%
あた0.3%
うつ0.3%
うつっ0.3%
0.3%
てらせ0.3%
てれ0.3%
とも0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まだ昨日きのうったあめみずが、ところどころのくぼみにたまっていました。そのみずおもてにも、ひかりうつくしくらしてかがやいていました。
幾年もたった後 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ほたるもすそしのつまりて、うへ薄衣うすぎぬと、長襦袢ながじゆばんあひだてらして、模樣もやうはなに、に、くきに、うらきてすら/\とうつるにこそあれ。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
この面影おもかげが、ぬれいろ圓髷まるまげつやくしてりとともに、やなぎをすべつて、紫陽花あぢさゐつゆとともに、ながれにしたゝらうといふ寸法すんぱふであつたらしい。……
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「石川主殿とのも様の娘——おてるさんというたかの——書家の萩原秋巌はぎわらしゅうがん様の所で見かけたが、よい娘じゃ、学問がようできる」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きょうも烈しい土用りだった。下総半国もつづいているかと思われる小金ヶ原のてなき野道を、こう三人は、草いきれのような胸を抱いて歩いた。
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何處へゆく何處へゆく、逃げてはならないと坐中の騷ぐにてーちやん高さん少し頼むよ、直き歸るからとてずつと廊下へ急ぎ足に出しが
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
てう恵王けいわうが夜光の玉を、しんせう王がしろ十五を以てかへんといひしは、加嶋屋が北国の明玉めいぎよく身上しんしやうつくしてかはんとやくせしにるゐせり。
又曰、(五雑組おなじつゞき)恵王けいわうわたりいつすんたま前後車をてらすこと十二じようの物はむかしの事、今天府みかどのくらにも夜光珠やくわうのたまはなしと明人みんひと謝肇淛しやてうせつ五雑組ござつそにいへり。
けれどもおほくのひとごとくに判然はつきりした目的もくてきつてゐなかつた。其内そのうちみせいた。電車でんしや燈火あかりもした。宗助そうすけはある牛肉店ぎうにくてんがつてさけした。一ぽん夢中むちゆうんだ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
こまやかな肉が、ほどよく色づいて、強い日光にめげないように見える上を、きわめて薄くが吹いている。てらてらひかる顔ではない。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
然れども彼は神を恨まず、己れを捨てず、友は来りてあざけれども意に介せず、敵は来りて悩ませども自ら驚かず、心をあきらかにして神意を味はへり。
各人心宮内の秘宮 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
『あゝ日があたつて来た、』と音作は喜んで、『先刻さつき迄は雪模様でしたが、こりや好い塩梅あんばいだ。』斯う言ひ乍ら、弟と一緒に年貢の準備したくを始めた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
山門の前五六間の所には、大きな赤松があって、その幹がななめに山門のいらかを隠して、遠い青空までびている。松の緑と朱塗しゅぬりの門が互いにうつり合ってみごとに見える。その上松の位地が好い。
夢十夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
すると青々とした水のおもてがぎらぎらする日の光りにうつっ一本ひともとの大きな合歓ねむの木が池の上に垂れかかっていた。
稚子ヶ淵 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして奥の間で「っと失礼します。」といって蒲団ふとんを米の横へ持って出て来てから、楕円形の提灯ちょうちんに火をけた。蝋燭ろうそくは四すんほどもあった。
(新字新仮名) / 横光利一(著)
さもうれしげにうなづくと見えしがけふりのごとくきえうせ、月は皎々けう/\として雪をてらせり。
私は思わず破顔しその予想もしない斬新な表現で一層てれされた二人の学生の近代人的神経質さにも微笑した。然し——私は堅い三等のベンチの上で揺られながら考えた。
北へ行く (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
内部にともった電燈の光で、扉と扉の合わせ目に引っかかっている掛金が見えた。
ざんげの塔 (新字新仮名) / 夢野久作(著)