“日光”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にっこう25.5%
につくわう16.7%
ひかげ14.7%
ひかり10.8%
9.8%
ひざし5.9%
ひのひかり4.9%
ひのめ3.9%
につこう2.9%
あっち1.0%
にっくわう1.0%
にツくわう1.0%
ひあた1.0%
1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
旅に限りがあって、そう長い江戸の逗留とうりゅうは予定の日取りが許さなかった。まだこれから先に日光にっこう行き、横須賀よこすか行きも二人を待っていた。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
一杯いつぱいあをしげつた桑畑くはばたけなどしろおほきな菅笠すげがさあかおびとの後姿うしろすがたが、ことにはそらからげるつよ日光につくわう反映はんえいしてあかおびえるやうにえたり
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そよとの風も無い。最中過さなかすぎの八月の日光ひかげが躍るが如く溢れ渡つた。気が付くと、畑々には人影が見えぬ。恰度、盆の十四日であつた。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
日光ひかりの加減であおくも見えまたある時は黄色くも見えまた黒くも見えるように、その紅巾も日光の加減で様々の色に見えるのであった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
こまやかな肉が、ほどよく色づいて、強い日光にめげないように見える上を、きわめて薄くが吹いている。てらてらひかる顔ではない。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かかる折から、柳、桜、緋桃ひもも小路こみちを、うららかな日にそっと通る、とかすみいろど日光ひざしうちに、何処どこともなく雛の影、人形の影が徜徉さまよう、……
雛がたり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いづれの家にても雪は家よりもたかきゆゑ、春をむかふる時にいたればこゝろよく日光ひのひかりを引んために、あかしをとる処のまどさへぎる雪を他処へ取除とりのくるなり。
先刻さっきから覚めてはいるけれど、尚お眼をねむったままでているのは、閉じた眶越まぶたごしにも日光ひのめ見透みすかされて、けば必ず眼を射られるをいとうからであるが、しかし考えてみれば
本州ほんしゆう木曾きそ甲州こうしゆう信州等しんしゆうなど高山こうざんのぼつたかたはよくごぞんじでせうが、日光につこう白根山しらねさん男體山なんたいざんやまた富士山ふじさんなどでは偃松はひまつません。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
日光あっちへ行ってしまうし、あたしゃ百いくつとかのお化けのようなお爺さんの世話をしながら、しんき臭い日を送っていたのさ。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ほしなほり、ほしひめつむり宿やどったら、なんとあらう! ひめほゝうつくしさにはほし羞耻はにかまうぞ、日光にっくわうまへランプのやうに。
由三はうるさゝうに謂ツて、そとを見る。あをい空、輝く日光にツくわう……其の明い、静な日和ひよりを見ると、由三は何がなし其の身が幽囚でもされてゐるやうな感じがした。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
老婆一人ひとり小婢こおんなと同宿人一人との気兼ねなさと、室が日光ひあたりがよくて気に入ったのと、食物たべもののまずい代りに比較的安価なのと、引越の面倒くさいこととのために
生あらば (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
日光にてらされたばかりじゃなくはげた頭が妙に熱うなる骨ばった手がひえて身ぶるいが出る事が必ず有ろうナ。
葦笛(一幕) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)