“小婢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こおんな58.3%
こをんな8.3%
こども8.3%
しょうひ8.3%
ちび8.3%
じょちゅう4.2%
おちょぼ4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
路次の奥から美しい女轎おんなかごがぞろと出て来た。お供は小婢こおんな迎児げいじと、しゅうとはんじいさんとで、二人とも清々すがすがした外出姿よそゆきすがた、常ではない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たちまちはたはたと跫音あしおと長く廊下にいて、先のにはあらぬ小婢こをんな夕餉ゆふげを運びきたれるに引添ひて、其処そこに出でたる宿のあるじ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
なにしろこの通りの赤児ねんねえでございますから、いいえ、ごぜん赤児ねんねえではございますけれど、大丈夫ですよ。三つの年からわたくしが娘のようにして育てた小婢こどもでございますから、よろしいように。
山県有朋の靴 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
今弟のことばを聞いて、小婢しょうひの失踪したのと、土穴に腥羶せいせんの気があるのとの間に、何等かの関係があるように思った。そして同班の卒数人と共に、すきを持って咸宜観に突入して、穴の底を掘った。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
枕頭まくらもとの火鉢の上の鐵瓶の口から、さかんに立昇る湯氣を見てゐるところに、こまつちやくれの下宿の小婢ちびが、來客のある事を告げに來た。
許宣は心当りはなかったが、好奇ものずきに門口へ出てみた。門口にはの白娘子と青い上衣を着た小婢じょちゅうが立っていた。許宣は驚きといかりがいっしょになって出た。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
その家の入口に立っておとなうと、今度はいつもとちがった小婢おちょぼが取次ぎに出て、一遍奥に引き返したが、すぐまた出て来て、丁寧に
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)