“こども”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コドモ
語句割合
子供50.4%
小児22.4%
小供4.0%
小兒3.3%
2.7%
少年2.6%
児供2.2%
児童1.4%
少女0.6%
女児0.5%
雛妓0.5%
0.5%
嬰児0.5%
童子0.5%
小童0.4%
兒童0.4%
幼児0.4%
児輩0.4%
0.4%
0.4%
童児0.4%
児曹0.2%
子女0.2%
子等0.2%
兒供0.2%
女子0.2%
小婢0.2%
瞿曇0.2%
女兒0.1%
娼妓0.1%
幼稚0.1%
兒女0.1%
稚妓0.1%
童男0.1%
0.1%
児女0.1%
児戯0.1%
児等0.1%
女郎0.1%
妓共0.1%
嬰兒0.1%
子児0.1%
子共0.1%
子孫0.1%
子息0.1%
学童0.1%
孩児0.1%
小人0.1%
小僮0.1%
小女0.1%
小娘0.1%
幼兒0.1%
幼女0.1%
抱妓0.1%
0.1%
童女0.1%
給仕0.1%
舞子0.1%
藝妓0.1%
豹一0.1%
赤児0.1%
遺子0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まちなかで、かごからひばりをして、みんなにせながら、あめをおとこがありました。そのおとこると、あそんでいる子供こどもたちは
ひばりのおじさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
普通の乳児ちのみごよりはずっと大きく小児こどもらしくなっておいでになって、このごろはもうからだを起き返らせるようにもされるのであった。
源氏物語:07 紅葉賀 (新字新仮名) / 紫式部(著)
それも神様かみさまのお使者つかいや、大人おとなならばかくも、うした小供こどもさんの場合ばあいには、いかにも手持無沙汰てもちぶさたはなは当惑とうわくするのでございます。
二重ふたへほそ咽喉のどいてゐるえなを、あのほそところとほときはづそくなつたので、小兒こどもはぐつと氣管きくわんめられて窒息ちつそくして仕舞しまつたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
雀だってチッチッチッチッて、母様おっかさんと、父様おとっさんと、こども朋達ともだちみんなで、お談話はなしをしてるじゃあありませんか。
化鳥 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
やゝしばらくすると大きな無花果の少年こどもほゝの上にちた。るからしてすみれいろつやゝかにみつのやうなかほりがして如何いかにも甘味うまさうである。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
数年前の大杉と少しも違わない大杉であった。そのあとから児供こどもを抱いて大きなおなかの野枝さんと新聞の写真でお馴染なじみの魔子ちゃんがついて来た。
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
丑松が根津村ねづむらの学校へ通ふやうになつてからは、もう普通なみ児童こどもで、誰もこの可憐な新入生を穢多の子と思ふものはなかつたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
うしろで、少女こどものように邪気のない、おせい様のほがらかな声がしていた。ああいう人をだますなんて、空恐ろしいとは思わないかしらとお高は思った。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
隣家となりの主人が女児こどもを負って畑廻わりをして居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
地味な気性でも若い芸妓である、雛妓こどものうちから顔馴染なじみの多い土地で住居うちをもったから、訪ねてくるものもある。
はずみましたとも。あれからこども達と一緒にクンカンなんかりましてね。ひどはしやぎましたよ。」
「おなか嬰児こどもが居たもんでねえ、いろいろ考えては見たけれど、またお姑にいじめられに……」
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それから自分がほんを読んだり、他の童子こどもほんを読んだり、唱歌をしたり、嬉しがって笑ったり、怒って怒鳴どなったり、キャアキャアガンガンブンブングズグズシクシク
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
小童こどものかきたるやうのいろは文字にて「ほふそふあるむらかたのものはこれよりいれず」としるせり。
兒童こどものすべり臺を水が落ちると思へば間違ひはない。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
非戦闘員はというと重い病人と、物心のつかない幼児こどもと、足腰も立たないし、耳も、眼も駄目だという老人だけだ。
空襲警報 (新字新仮名) / 海野十三(著)
マレー半島のオーラン・ラウト人信ずらく、造物主人魂たましいを石に封じ、大盲飛竜して守らしむ。その乾児こぶんがかの地に普通の飛竜でいつも天に飛び往き、大盲飛竜より人魂を受けて新産の児輩こどもれる。
海岸に近い静かな二葉町に家を構えてからは遊んでいても何んだからとこどもたちへ長唄を教えていたが、どうせ退屈しのぎの仕事だったから本気で弟子をとるということをせず
(新字新仮名) / 矢田津世子(著)
馬鹿にされて居ります、意気地の無い奴でござります、虚誕うそはなか/\申しませぬ、御上人様、大工は出来ます、大隅流おほすみりう童児こどもの時から、後藤立川二ツの流義も合点致して居りまする、せて
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
児曹こどもらが手遊のそりもあり。氷柱つらゝの六七尺もあるをそりにのせて大持の学びをなし、木やりをうたひ引あるきて戯れあそぶなど、暖国だんこくにはあるまじくきゝもせざる事なるべし。
墓地向うのうちの久さんの子女こどもが久さんを馬鹿にするのを見かねて、あんまりでございますねとうったえた。唖の子の巳代吉みよきちとはことに懇意になって、手真似てまね始終しじゅう話して居た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
うりめば子等こども思ほゆ、くりめば況してしぬばゆ、何処いづくよりきたりしものぞ、眼交まなかひにもとなかかりて、安寝やすいさぬ」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
可愛い兒供こどもの生れた時、この兒も或は年をつてから悲慘みじめ死樣しにざまをしないとも限らないから、いつそ今斯うスヤ/\と眠つてるうちに殺した方がいゝかも知れぬ、などと考へるのは
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
丁度山口屋で女子こどもが欲しいというので、それに小市はおみゑのなり恰好はくわしく存じて居りまするから、すぐ承引うけひき、先方でも二つ返詞へんじだろうが、金は幾ら入るのだと聞くから、二百両入るというと
「実は、あの、小婢こどもを買ものに出しまして、自分でお温習さらいでもしましょうか、と存じました処が、窓の貴方、しのぶの露の、大きな雫が落ちますように、螢が一つ、飛ぶのが見えたんでございますよ……」
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
母を憎む扼腕やくわん瞿曇こども(それも今は愛誦すべき聖典の類ひか——)、同じ少年を乗せて飴色の広野を走る汽車の窓、黄昏の紫陽花色の雲のさ中を長々と横ざまに這ふ一匹の小蟹が見える
海の霧 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
先に立つ女兒こども等の心々は、まだ何か恐怖に囚はれてゐて、手に手に小い螢籠を携へて、密々ひそ/\と露を踏んでゆく。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
岸の智惠子が俄かの驚きに女兒こども等の泣き騷ぐも構はず、はら/\してる間に、吉野は危き足を踏みしめて十二三間も夜川の瀬を追驅けた。波がザブ/\と腰を洗つた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
随分娼妓こども達には能くしてやる楼主でございますが、花里のように強情ばかり張って申すことを聞分きゝわけませんから、今は意地になって居ります。
この小主水の部屋から妹分で此のごろ突出つきだされた一人の娼妓こどもは、これも大阪もので大家たいけの娘でございましたが、うちの没落に身を苦界くがいに沈め、ごとに変る仇枕あだまくらあした源兵衛げんべえをおくり
見やりて父は打笑ひませた樣でもまだ幼稚こども兎角とかく縁談の事などはづかしいのが先に立ゆゑ判然はつきり返事へんじも出來ぬ物だが一しやう連添つれそふ本夫をつとの事いやな者をば無理むりやりに行とは決して言はせねど昨日きのふ向ふは其方そなた
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
聞定て來て參ますから成程是は大人おとなより幼稚こどもはうが遠慮がなくて聞には至極しごくよからうから何分頼と管伴ばんたうに云はれて心得打點頭うちうなづきませたる和吉は其儘に立出音羽へ至しが何處いづことはんと思案にくれまづ大藤が住居なる路次へ思はず入にけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
健はいつもの樣に亭乎すらりとした體を少し反身そりみに、確乎しつかりした歩調で歩いて、行き合ふ兒女こども等の會釋に微笑みながらも、始終思慮深い目附をして
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
育ち卑しき涕垂はなたらしの兒女こども等を對手に送つてゐるのは、何も知らぬ村の老女達としよりたちの目にさへ、不思議にも詰らなくも見えてゐた。
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
木綿もめんのおりきという妓がある。そのお力が、八幡前はちまんまえの小鳥屋の前まで来ると、人だかりがしていた。のぞいてみると、尾花家の稚妓こどもが小鳥屋の亭主に何かひどく呶鳴どなられていた。
春の雁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(おや、そうかえ。稚妓こどもだから、自分にひきくらべて、小鳥もお菓子を喰べたいだろうと思ってやったのだろうよ。わたしも、自分の勤めの身にひきくらべると、こうしてやりたくなってしまったよ)
春の雁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もう十二年ぜんである、相州そうしゅう逗子ずしの柳屋といううちを借りて住んでいたころ、病後の保養に童男こども一人ひとり連れて来られた婦人があった。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
夏も末方のちと曇ってしめやかな晩方の事、童男こどもは遊びに出てしまう、婦人と自分と妻と雑談しているうちに、ふと婦人がさる悲酸の事実だんを話し出された。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
間もなく五通神の四郎は二人の仲間をれて入って来た。皆おっとりした少年であった。そこには一人のこどもがいて酒肴を列べて酒盛の仕度をした。閻ははじて頭をたれていた。
五通 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
私は貧民の児女こどもを教育して見たいと思ひましてネ——亡母はゝの日記などの中にも同じ教育をるならば
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
だから、『何を、児戯こどもらしいことを』と言つたやうな目付して、夢中になつて遊ぶ人々の光景ありさまを眺めた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
と膨れて見える……この影が覆蔽かぶさるであろう、破筵やれむしろは鼠色に濃くなって、しゃがみ込んだ児等こどもの胸へ持上って、ありが四五疋、うようよとった。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「おお富士様とおっしゃるか。まれに見るご綺麗なお方だな。男が見てさえボッとする」「ほんとにお綺麗でございますね」「店の女郎こども達は大騒ぎだろうね」「へえ、わけてもお北さんがね」
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
十二時近くになると花見小路の通りは冬の夜ながら妓共こどもの送り迎えに、またひとしきり往来の人脚がつづいて
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
これ大弓場だいきうば爺樣ぢいさんなり。ひとへば顏相がんさうをくづし、一種いつしゆ特有とくいうこゑはつして、「えひゝゝ。」と愛想あいさうわらひをなす、其顏そのかほては泣出なきださぬ嬰兒こどもを——、「あいつあ不思議ふしぎだよ。」とお花主とくい可愛かはいがる。
神楽坂七不思議 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
城址しろあとびた沼に赤い夕日がさして、ヤンマがあしこずえに一疋、二疋、三疋までとまっている。子児こどもが長いもち竿ざおを持って、田の中に腰までつかって、おつるみの蜻蛉とんぼをさしていた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
ほとゝぎす啼や子共こどものかけて来る 紫道
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
ここを以ちて今に至るまで、その子孫こども倭に上る日、かならずおのづからあしなへくなり。かれその老の所在ありかを能く見しめき。かれ其處そこ志米須しめす一〇といふ。
源助さんには、お内儀かみさんもあれば子息こどももあるといふ事であつたが、来たのは自分一人。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「行ってもよい。……が、学童こどもらの授業休みのり紙に、もいちど、日延べを書いて来ねばならぬ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ドーモまだ孩児こどもで……」と主婦が云った。この悲しげな微笑はいまだに忘れる事が出来ない。
雪ちゃん (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
小人こども達は、トロちやんの指のあたりを走りながら
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
『△△さんの靴は初めて見た、』と暢気な観察をする小僮こどももあった。黒い髯で通る○○は露助然たる駱駝帽を被って薄荷パイプを横啣よこぐわえの外套の衣兜かくしに両手を突込みの不得要領な顔をしていた。
お高は一度に、小女こどものような甘い感傷に包まれていった。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「飛んでもない、女房おかみさん、何ですか、小娘こどもまでが、そんなに心安だてを申しますか、御迷惑でございますこと。」
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蠶時には、幼兒こどもが軒下で寢てゐるやうな家もあつた。家のなかは繭で何處もかも眞つ白だつた。人が從で、繭が主だつた。しかも、それほどの繭を積んで、よろこぶ筈の家の者の眉は曇つてゐた。
桑摘み (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
それに到る過程にちょっとロマンティックな噂があったし、エンマは幼女こどもの頃から識っているので、殊に興味をもって花婿なる人を観察したと言うのだ。
消えた花婿 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
見たところそこは多勢の抱妓こどもたちをはじめ家中の者の溜り場にしてあると思われて縁起棚えんぎだなにはそんな夜深けでもまだよいの口のように燈明の光が明るくともっていて
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
いつはしらの皇子みこ次を以て相盟ふこと先の如し。然して後に天皇のたまはく、朕がこども各異腹にして生る。然れども今ひとつ母同産おもはらからの如くてめぐましむ。則ちみそのひもひらきて、その六皇子を抱きたまふ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
その、りん弥という禿かむろは、まだ十か十一ぐらいだったが、もう人の目につく天麗の質を持っていて、やがての二代目吉野にせられている童女こどもだった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
給仕こども! 鉛筆だ!」
青春の逆説 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「さあ、くじをお引き、島原の舞子こどもともあろうものが、このに及んで、お化けにうしろを見せてはどむならん」
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「あゝさう」とお若は態と大きな返辭をして「どうしませうねえ旦那、今下にお座敷のあいた藝妓こどもが一人居りますんですつて。それでも呼びませうか」
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
四国の田舎から来た軽部の父が、お君の身の振り方に就て、お君の籍は金助のところに戻し、豹一こどもも金助の養子にしてもろたらどんなもんじゃけんと、渋い顔をして意見を述べ、お君の意嚮を訊くと
青春の逆説 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
いたたたいて「番頭さん熱いよ」とうめ湯をたのんだり、小唄こうたをうたったりすると、どうしても洗湯おゆやの隣りに住んでる気がしたり、赤児こどもが生れる泣声に驚かされたりしたと祖母がはなしてくれた。
先代信秀のぶひでから、平手中務なかつかさと共に、遺子こどもをたのむぞ、と死後を託された一人だったが、その信長の放縦ほうじゅうと、つかまえ所のない天性に、見限みきりをつけてしまったものとみえ、専ら、信長の弟信行と
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)