“母様”のいろいろな読み方と例文
旧字:母樣
読み方割合
おっかさん16.4%
かあさま13.6%
かあさん12.7%
っかさま10.0%
っかさん8.2%
かゝさま5.5%
かかさま4.5%
ふくろさま2.7%
つかさん2.7%
ふくろさん2.7%
おふくろ2.7%
おつかさん1.8%
はゝさま1.8%
ははさん1.8%
おふくろさま1.8%
かかさん1.8%
ははさま1.8%
おっかちゃん0.9%
かゝさん0.9%
おかあさま0.9%
おっかあ0.9%
かあか0.9%
かあちゃん0.9%
かゝしやま0.9%
ッかさん0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
としてはおおきなものよ、大方猪ン中の王様があんな三角なりの冠をて、まちへ出て来て、そして、私の母様おっかさんの橋の上を通るのであろう。
化鳥 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
飲むものだから、お母様かあさま始め皆で申しあげたが、叱られるばかりさ。一番おしまいに安斉先生がお母様から頼まれたそうだ
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
母様かあさんが若し間違つたことをして居たらおまへは注意をしてくれなければならないぢやないの。母様かあさんのして居ることは百姓ですよ。
月夜 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
文「いや少しは分りそうだ、兎も角も此方へ……お母様っかさま、藤原うじがまいりました、お母様、分りましたか、お萓も一緒に……」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
甚「ヘエ傘の無いのでびしょぬれになりました、うも悪い日和ひよりで、日和癖で時々だしぬけに降出して困ります…エヽお母様っかさん御機嫌よう」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
此のうちを出ては死んだ父様とっさまのお位牌に済みません、おえいの気に入らなければわしを亭主と思わねえでも宜うがんす、又母様かゝさまも子と思わず
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
母様かかさま痛いよ/\ぼう父様ととさまはまだえらないかえ、げんちゃんがつから痛いよ、ととの無いのは犬の子だってぶつから痛いよ。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
亥「えゝ皆様御免なせえ、えゝお母様ふくろさま、なぜわっちが……旦那御免なせえよ、こんな時にゃアなん挨拶あいさつしていのか私にゃア分んねえ」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それではもう私は戻ります、亥之さんが帰つたらば宜しくいふて置いて下され、お父様とつさんもお母様つかさんも御機嫌よう、この次には笑ふて参りまするとて是非なささうに立あがれば
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
母様ふくろさんに願っているのにおめえさんのような事を云われると、わっちア了簡がちいせえからすくんで仕舞って、ピクーリ/\としてなんにも云えないよ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
もともと会社などにうずもれているべきはずの人では無いが、年をとった母様おふくろを養う為には、こういうところの椅子にも腰を掛けない訳にいかなかった。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
わたし其時分そのじぶんなんにもらないでたけれども、母様おつかさん二人ふたりぐらしは、この橋銭はしせんつてつたので、一人前ひとりまへ幾于宛いくらかづゝつてわたしました。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
内儀かみさん貴方あんた人がいからき腹ア立つがお隅さんはそんな人でなえ、わしが知っているから、さてお隅さん、此処こゝなア母様はゝさまア江戸を見たこともなし
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
一筆ひとふで示し上げ参らせそろ大同口だいどうこうよりのお手紙ただいま到着仕り候母様ははさん大へんおんよろこび涙を流してくり返しくり返しご覧相成り候」
遺言 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「それはハヤ不念ぶねんなこんだ。帯の結めさえ叩いときゃ、何がそれで姉様あねさまなり、母様おふくろさまなりの魂が入るもんだでエテめはどうすることもしえないでごす。」
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
十五になって高等小学校を出ると直ぐに紺飛白こんがすりの筒ッポを着て、母様かかさん臍繰へそくりをば仏壇の引出から掴み出いて、柳町へ走って行きましたが、可愛がられましたなあ。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「命さえ助けてくるるなら伯父様に王の位を進ぜるものを」と兄がひとごとのようにつぶやく。弟は「母様ははさまいたい」とのみ云う。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
頭へ手なんざ思いも寄らない、にらめる真似をしたこともなかったのに、かえって私の方が癇癪を起しちゃ、(母様おっかちゃん)とそばへ来るのを
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あとからけえるかも知んねえから…まア茶ア一杯いっぺい呑みなさんしよ、多助さん、村の者がみんな噂して居りやすが、母様かゝさま邪見じゃけんで、お前のような温順やさしげな人をち敲きして折檻するとは情ない母様かゝさん
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
母様おかあさま、」と才子はと身を起しざまに、愛吉をけてった。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
すねるもんじゃあありません、あの方が来ていらっしゃるのに、何が気に入らないで、じれてるんですよ、母様おっかあは知らないよ。」
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
父様とうと何するがいね、危い。……この母様かあかまた黙って居らっされかア。」と仲裁する様に言った。
恭三の父 (新字新仮名) / 加能作次郎(著)
外戸おもてどの隙からそッと透見すきみをして、小さな口で、(母様かあちゃん父様おとっちゃん家に居るの?)と聞くんだよ。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
タツタ一人……タツタ一人の母様かゝしやまの御病気を治療ようなし度いばつかりに、身を売りましたのが仇になつて……そこにお出でになる御役人しゆのお言葉に靡きませなんだばつかりに……かやうに日の本の恥を
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「何と云うって、お前は私を忘れたのかい? 私はお前のお母様ッかさんじゃないか」
母を恋うる記 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)