“帰”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
かえ61.7%
けえ11.9%
7.9%
かへ5.6%
2.5%
1.6%
1.4%
かえり1.4%
かへり0.9%
かい0.5%
0.5%
とつ0.4%
もど0.4%
けへ0.4%
0.4%
かえっ0.3%
がえり0.3%
0.1%
けい0.1%
いに0.1%
おく0.1%
おもむ0.1%
かいん0.1%
かえる0.1%
かえん0.1%
かへる0.1%
がへり0.1%
こえ0.1%
へえ0.1%
よりところ0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「おやおや、まあ。めずらしい大きなうりだこと、さぞおいしいでしょう。うちへってかえって、おじいさんと二人ふたりべましょう。」
瓜子姫子 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
何? 親分はもうけえんなすった、——それは惜しい事をした、大変な証拠が手に入ったんだ。泥棒仲間でしめし合せた手紙を、千両箱を
然るにこの書籍を積んだ舟が、航海中七月九日に暴風に遭って覆って、抽斎のかつて蒐集しゅうしゅうした古刊本等の大部分が海若かいじゃくゆうした。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
なんだ、またこれをつてかへるほどなら、たれいのちがけにつて、這麼こんなものをこしらへやう。……たぶらかしやあがつたな! 山猫やまねこめ、きつねめ、野狸のだぬきめ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
松魚かつおにしてもこんな生きのいい生き身はありゃしねえやい! 生かしてえせと言うんじゃねえんだ。のめすならのめす、斬るなら斬ってみろい!
母様かかさま痛いよ/\ぼう父様ととさまはまだえらないかえ、げんちゃんがつから痛いよ、ととの無いのは犬の子だってぶつから痛いよ。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「そらそうと、時やんは、姐さんを迎えに行くちゅうて、広島にんだが、うまいこと、つれて戻りきるじゃろか?」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
「おやいいものをいただいて、この中には何が這入ってるだろう、あけて御覧んなさい。おやいいもんだネー。オヤもうおかえりでございますか。」
初夢 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
お村が虐殺なぶりごろしに遭ひしより、七々日なゝなぬかにあたる夜半よはなりき。お春はかはや起出おきいでつ、かへりには寝惚ねぼけたる眼の戸惑とまどひして、かの血天井の部屋へりにき。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
いつでも出しなに「こいから香櫨園い行きます」いうて、今橋の方い知らしゃはるよって、夫は直きかいって来る。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
ソノ後、海内一ニスルコト三年、又モ獼猴ミコウ(さる)ノゴトキ者、天下ヲカスムルコト三十余年、始メテ、大凶変ジテ一ゲンニ帰セム
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天保二年、抽斎が二十七歳の時、八月六日に長女いとが生れ、十月二日に妻威能が歿した。年は二十六で、とついでから僅に三年目である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「おう、もどって来たか、俺は、お前のことを、どんなに心配していたか判らないぞ、ようもどって来た」と、漁師は嬉しさに声がもつれた。
月光の下 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
彼奴あいつが、おれ置去おきざりにして先へけへりやアがつたが、岩田屋いはたやさんは親切だから此方こつちな、はま贔屓強ひいきづええからなんでもねえとおつしやるので、ほか手曳てひきがねえからまつれていくと
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
人程見かけにらない者はありません。これから気をけてると、黒髪かみも人知れず染め、鏡を朝晩にながめ、御召物のしま華美はでなのをり、忌言葉いみことばは聞いたばかりでいやな御顔をなさいました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
再びかえって来はしないぞ、今日こそ心地こころもちだとひとり心で喜び、後向うしろむつばきして颯々さっさつ足早あしばやにかけ出したのは今でも覚えて居る。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
お座敷がえりに、我家うちかどから、やっこに持たして出たんですがね。途中でおどかしたもんだから、押放出おっぽりだしてげたんですもの。ヒヤリとしたわよ、真二まっぷたつ。身上大痛事おおいたごと
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どう考へても、嫁にくべき必用の無いものが、無理に算段をして嫁にかうと為るには、必ず何ぞ事情が無ければ成らない。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
とッととけいってもいいぞ——これだけではあまり殺風景になりますから、最後には向うにも花を持たせまして——だが、おめえさんだッても途中からけいりたくはなかろう。
猫八 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
「普請方のお役人がいによる」
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
陽貨ようか、孔子を見んと欲す。孔子まみえず。孔子にいのこおくる。孔子其の亡きを時として、往きて之を拝す。これみちに遇う。孔子に謂いて曰く、来れ、われなんじと言わんと。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
父母の生みなして、死ぬれば、そのたま永く幽界かくりよおもむきおるを、人これを祭れば、来たりうくることと、ありのままに心得おりて、あながちにその上を穿鑿たずねでもあるべきものなり
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
「おかいんなさいまし」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
鯉七 当国には、板取いたどりかえる九頭竜くずりゅうながれを合せて、日野川の大河。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小腰をひくめて「ちょいとお湯へ」と云ッてから、ふと何か思い出して、きもつぶした顔をして周章あわてて、「それから、あの、若し御新造ごしんぞさまがおかえんなすって御膳ごぜん召上めしやがるとおッしゃッたら、 ...
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
近きに郷友会きようゆうかいの秋季大会あらんとて、今日委員会のありしかへるさを彼等は三人みたり打連れて、遊佐が家へ向へるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
芝居まへのキヤツフエ・ド・ラ・レジヤンスは俳優やくしやと芝居がへりの客とで一ぱいであつた。ムネ・シユリイはその左に梅原を右に僕を坐らせた。前には三人の女、僕の隣にはドリヷルが坐つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
もし父親ちちおやが、こんなあらしつよばんに、うみをこいでこえってこられたなら、方角ほうがくもわからないので、どんなにか難儀なんぎをなされるだろうと、こうかんがえると、むすめはもはや
ろうそくと貝がら (新字新仮名) / 小川未明(著)
八重「半治はん誠にほめえはりいよう、ほれじゃアまねえよ、ふァたい此家ほゝているに、ほめえがほんなほとをひてや親分ほやぶんまねえよ、小兼ほはねはんにひまになってへえれってえ、ほれじゃア可愛ははひほうだアへえ」
二に曰く、あつく三宝を敬へ、三宝はほとけのりほふしなり、則ち四生よつのうまれつひよりところ、万国の極宗きはめのむねなり。いづれの世何の人かみのりを貴ばざる。人はなはしきものすくなし、く教ふるをもて従ひぬ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
おほくにぬしの命が、出雲の御大ミホの岬に立つて居られた時、り来た神に、侏儒のやうなすくなひこなの神がゐた。そこで協力して、天孫降臨以前の葦原の中つ国を作つたといふ。
古代人の思考の基礎 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)