“厭”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いや47.5%
いと35.7%
8.6%
3.1%
きら1.4%
0.6%
あき0.5%
いま0.3%
うと0.3%
いとは0.2%
いとわ0.2%
まじない0.2%
イト0.2%
いとひ0.2%
よう0.2%
あぐ0.1%
いとはし0.1%
いな0.1%
いやが0.1%
いやだ0.1%
いやッ0.1%
0.1%
えん0.1%
0.1%
まじな0.1%
やん0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
申し上げます。申し上げます。旦那さま。あの人は、ひどい。酷い。はい。いやな奴です。悪い人です。ああ。我慢ならない。生かして置けねえ。
駈込み訴え (新字新仮名) / 太宰治(著)
いやだ厭だ厭だ、たまらない……」と彼は身震いして両耳をおおった。それ故彼は、めったな事には人に自分の姓名をあかしたがらず、
鬼涙村 (新字新仮名) / 牧野信一(著)
それをもいとわない浅間しさで、を抱いた洋服がやっと手をすがっって乗掛のっかけた処を、鉄棒で払わぬばかり車掌の手で突離された。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「矢つ張り明日手術がおすさうどす。でも一寸でせう。」と言つて私にいろ/\のことを聞かれでもするのをいとふかのやうにすぐ出て行つて了つた。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
『年寄には珍らしい』と、老婆の大食が笑ひ話に、母屋の方の人達の間で口にのぼるやうになった頃は最早老婆もこの家の人達にきられはじめてゐた。
(新字旧仮名) / 金田千鶴(著)
婆さんは人が聞こうが聞くまいが口上だけは必ず述べますという風で別段きた景色けしきもなくおこたる様子もなく何年何月何日をやっている。
カーライル博物館 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
けれどもそれほど不倫の行為とむ人たちが、男女相殺そうさいの恋愛の苦悩を述べ、歎き訴えるものには、同情を寄せるのはどうしたものだろう。
芳川鎌子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
やン。いやだわ。初めて来たお部屋に、一人になるの嫌い。ここにいて、ねえ! お茶なんか飲みたくないわよ。お婆さんじゃないんだもの……」
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
けれど私はそんなに孤月氏をきらつてはゐましたけれども何時でも後になると向ふの人の真実をふみつけにしたやうな不快な自分の態度を責めました。
それで居て朝寝坊はきらひでしたから……恐らくまづ寝るは三四時が関の山でしたらう、……最も現在いまでも一晩や二晩の徹夜なら平気です。
(新字旧仮名) / 喜多村緑郎(著)
おつかゞくつちやつれえつてあとかれんのだからちゝかぢつてもそんな料簡れうけんさねんだ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「美代姉は、んだって言ったの、おど、行がねえごったら、くびたさ、縄つけでもせで行ぐどて。お美代姉、泣いでいだけ。」
蜜柑 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
国子はものにたえ忍ぶの気象とぼし、この分厘にいたくあきたるころとて、前後のおもんばかりなくやめにせばやとひたすら進む。
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
——尤もその間にも、先刻も申上げました、兄の亡霊に丈けは絶えず悩まされていましたけれど——が、一年という月日は、物事にあきっぽい私には最大限でした。
お菊の胸を往来するものは、役者らしくもなく純情な中村新八郎の姿で、阿武隈大膳正の、情痴にただれた醜怪な大肉塊は、恐ろしくいまわしく、そして汚らわしくさえ思われました。
ヴァランタンは実は死刑執行やその他のいまわしい事務についての最初の手配りをしていたのだ。
たとえば、若い年ごろの娘さんさえみれば結婚話にひきかけてゆく大人の通俗的なうるささに対して、今日の若い娘さんがうとましがる心持は十分にうなずける。
若い婦人の著書二つ (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「まずは三千の衆徒、臨幸りんこううとんじたてまつるなどの者は、一人もあるまじきにて候う。一山同心、ふた心はあらじと、ご叡慮を安んぜられて、しかるびょう存じあげまする」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さて十月の頃にいたり雪る日には鮏も多く獲易えやすきものゆゑ、一日あるひる雪をもいとは蓑笠みのかさをかため
いとはしげに宮の余所見よそみせるに、乗地のりぢの唯継はいよいよ声を作りて、
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
さびしく、恨めしく取つめていはんにはいとわしきものよりほかあらんともおぼえず
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
どういうわけか人の道を忘れた放蕩惰弱ほうとうだじゃくなもののいとわしい身の末が入相いりあいの鐘に散る花かとばかり美しく思われて、われとても何時いつか一度は無常の風にさそわれるものならば
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
インドのゴンド人は毎村術士あり、虎をまじないして害なからしめ、ゴイ族は虎殺すと直ぐその鬚を取り虎に撃たれぬ符とす(一八九五年六月『フォークロール』二〇九頁)。
ホームこれに追加すらく、姙婦と伴れて歩く者兎道を横切るに遭わばその婦の衣を切り裂きてこれをまじないすべしと。
もう此頃になると、山はイトはしいほど緑に埋れ、谷は深々と、繁りに隠されてしまふ。郭公クワツコウは早く鳴きらし、時鳥が替つて、日も夜も鳴く。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
 婦女子、老幼、病人等ハ可相成アイナルベクハ、近郷ノ縁類ヘ避難サレタシ。唯、ヤムナキ事情ノ者ト、トモニ死ヲイトワザル家族ノミハ、今夕七時迄ニ鎮台内ニ引揚ゲラルベシ
日本名婦伝:谷干城夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
○そも/\我里わがさとの元日は野も山も田圃たはたさと平一面ひらいちめんの雪にうづまり、春を知るべき庭前ていぜんの梅柳のるゐも、去年雪のふらざる秋の末に雪をいとひて丸太など立て縄縛なはからげあひたるまゝ雪の中にありて元日の春をしらず。
○そも/\我里わがさとの元日は野も山も田圃たはたさと平一面ひらいちめんの雪にうづまり、春を知るべき庭前ていぜんの梅柳のるゐも、去年雪のふらざる秋の末に雪をいとひて丸太など立て縄縛なはからげあひたるまゝ雪の中にありて元日の春をしらず。
その通り蚕室は初子の日初めて掃除したので、子の日を用ゆるは専ら鼠害をようする意と見える。
俗説以て厲気れいきようすとす。
神曲の大いなる二卷には、我とほ/\あぐみしが、これぞハツバス・ダアダアが禁ずるところとおもひ/\、勇を鼓して讀みとほしつ。
いで、その妻は見るもいとはしき夫のそばに在る苦を片時も軽くせんとて、彼のしげ外出そとで見赦みゆるして
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
陸近くがぢかなれば憂慮きづかいもなく、ただ景色のさに、ああまで恐ろしかったばばの家、巨刹おおでらやぶがそこと思うなだを、いつ漕ぎ抜けたか忘れていたのに、何を考え出して、また今のいなな年寄。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
然し、空気銃を欲しいと云ふ事実も、僕自身が「甘える」ことをいやがつてゐるといふ事実と同じ程度に強くもなつてゐたのである。
疳の虫 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
でも、お嬢様、今度と云ふ今度は、従来これまでのやうに只だいやだばかりでは済みませんよ、相手が名に負ふ松島様で、大洞様の御手をての御縁談で御座いますから、奥様は大洞と山木の両家の浮沈にかゝはることだから、無理にも納得なつとくさせねばならぬと
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
いやッよう、つかまえられるよう。」
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小田原市では大震災でペシャンコにやられて以来、二階をむ人が多いが、倉田由之がそれで、耐震に特に注意を払ったという。
復員殺人事件 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
これ村野の人後患をえんするの法なり云々とあって、昔はさしも大切につかえた地方の神が、次第に軽ぜられのちついに絶縁して、いつとなく妖怪変化ようかいへんげの類に混じた経路を語っている。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
子、南子なんしを見る。子路よろこばず。夫子ふうしこれちかいて曰く、われよからぬところあらば、天之をてん、天之をてんと。(雍也、二八)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
欧州で中古禁厭まじないを行う者を火刑にしたが、アダム、エヴァの時代より、のろわれた蛇のみまじなう者をとがめなんだ。
「ほだっておら、北海道の土になってしまうのやんだな。いつけえりたくなるが判んねえし、今ここをしゃってしめえば、おらはこれ、自分の家というものは、無くなってしまうのだかんな、これ。」
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)