疳の虫かんのむし
必ず九時迄に来ると、云つて置きながら、十五分も過ぎてゐるのに、未だ叔父は来なかつた。僕は堪らなく焦れたく思ひながらも、叔父の来ることを待つてゐるには違ひなかつたから、頭の中で到頭叔父が大変に憎らしい者になつてしまつた。 好い天気の日曜の朝で …