“うと”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ウト
語句割合
88.7%
2.1%
1.8%
1.4%
1.1%
1.1%
0.7%
迂遠0.7%
0.4%
宇土0.4%
0.4%
0.4%
烏兎0.4%
0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
老年期の父の血を受けたせいか、とかく感激性に乏しく、情熱にも欠けており、骨肉の愛なぞにもうといのだと思われてならなかった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
周は若い後妻の愛におぼれて、成のいうことを人情にうといつまらないことだといって一笑に付した。成はそれ以上何も言わなかったが、そのこころはきちんときまっていた。
成仙 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
評判はその頃に高く去るもの日々にうとければ、名物一つかげを消して二度目の花は紺屋こうや乙娘おとむすめ、今千束町せんぞくまちに新つた屋の御神燈ほのめかして、小吉こきちと呼ばるる公園の尤物まれもの根生ねおひは同じ此処ここの土成し
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「まずは三千の衆徒、臨幸りんこううとんじたてまつるなどの者は、一人もあるまじきにて候う。一山同心、ふた心はあらじと、ご叡慮を安んぜられて、しかるびょう存じあげまする」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
子游曰く、君につかえて(責)むればすなわ(則)ちはずかしめられ、朋友に(交わりて)むればすなわうとんぜらる。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
「あらたに即位あらせられしお若きみかどの、比類のない御英邁ごえいまいさを伺うにつけ。また、天皇親政とうとうて、時弊じへいの刷新に、意気をあげている一部の公卿がたをながめましても」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どうだな、街の俚謡りようがそううとうていると聞けば、めでたい辻占であるまいか
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すべてに気がつく癖に、こうなるとかえって僕よりも迂遠うとい母はどうだか、僕はその場で叔母の口から、僕と千代子と永久に手を別つべき談判の第一節を予期していたのである。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と朝っぱらからうとうたが、間もなく軽部にその卑俗性を理由に禁止された。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
お秋さんは餘計にはいはぬ。何處までもうとましいのである。唯かういふことがあるのだ。此山蔭では蛙を「あんご」といふことや、蟷螂かまきりを「けんだんぼう」といふのだといふことやである。
炭焼のむすめ (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「ところでそのあとからアイツ共がうとうた歌は何かいね。オオチニ風琴鳴らいて……」
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
私もなつかしくて見に行ったが、生憎あいにくその日市十郎は病気で欠勤した。それから更に烏兎うと匆々と過ぎて大正三年になって、市川眼玉という老優が東京へ来た。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
(今度の事のみは、首尾よう仕果されよ。それをうとうて、三河へ帰国の宿望、かなえて取らすであろう程に——)
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
供は一人いたが気のうとい間抜けらしく、風摩の死体を駕に乗せ、なにもいわずに三島のほうへ下って行ったということで、やれやれと胸を撫でおろしたが、いちどつかえたおびえは去らず
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)