“うた”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ウタ
語句割合
26.0%
15.8%
15.4%
13.9%
5.9%
4.0%
3.5%
和歌1.7%
1.6%
1.4%
1.3%
1.0%
0.8%
0.8%
0.6%
0.5%
0.5%
0.3%
0.3%
雅楽0.3%
俗謡0.3%
歌詞0.3%
歌謡0.3%
0.2%
0.2%
俚謡0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
讃歌0.2%
0.2%
右太0.1%
0.1%
0.1%
童謠0.1%
古歌0.1%
0.1%
唄歌0.1%
唱歌0.1%
0.1%
射撃0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
放歌0.1%
歌謠0.1%
0.1%
狂歌0.1%
短歌0.1%
聖歌0.1%
0.1%
0.1%
謡曲0.1%
0.1%
0.1%
頒歌0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこまでがほんとの話で、突然いきなり、まつはつらいとみなおしゃんすけれどもなア——とケロケロとうたいだすのだった。そして小首をかしげて
しかし、このひと、欧米の料理界において著名をうたわれたのは、料理の腕もさることながら、人間が相当に出来ていたに違いない。
このみつつのかたちうたを、のちには、片歌かたうたといつてゐます。これは、うた半分はんぶんといふことでなく、完全かんぜんでないうたといふことであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
と、誰が陣中で作ったか、俗歌の節をつけてうたいながら、旗鼓堂々きこどうどう大寄山おおよせやまをこえ、野村、三田村方面をさして来るとのことだった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
熊笹は人の身の丈を没すという深さ、暗い林の遠くには気味の悪い鳥の声がして、谿川たにがわの音は物凄ものすごいように樹立こだちの間にうたっている。
平凡なる私の如きものも六十年の生涯を回顧して、うたた水の流と人の行末という如き感慨に堪えない。私は北国の一寒村に生れた。
或教授の退職の辞 (新字新仮名) / 西田幾多郎(著)
「負ける筈はないんだが、奴等のうたに聞き惚れたばかりで、見事に脚を掬はれてしまつたのさ……然し、泥棒連には惜しい声の持主だな。」
武者窓日記 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
雑司ぞうし御墓おはかかたわらには、和歌うた友垣ともがきが植えた、八重やえ山茶花さざんかの珍らしいほど大輪たいりん美事みごとな白い花が秋から冬にかけて咲きます。
大塚楠緒子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「拙者は長谷倉甚六郎、西國の浪人者だ。十年越しこの町内に住み、うたひや碁の手ほどきから、棒振り劍術、物の本の素讀などを少しばかり教へて居る」
つけられていると聞いて「男の子やもいとけなけれど人中に口惜くちをしきこと数々あらん」とかの女は切なくうたったこともあった。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
悲しいとか情ないとかいうよりもっと強い混乱した感情にうたれます。不朽でない人間の運命に対するはげしい反抗をも覚えます。
監獄署の裏 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
親方様と諸共に肩を並べて世にうたはるれば、汝の苦労の甲斐も立ち親方様の有難い御芳志おこゝろざしも知るゝ道理、妾も何の様に嬉しかろか喜ばしかろか
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
御米およね小六ころく差向さしむかひぜんくときのこのぶつせいな心持こゝろもちが、何時いつになつたらえるだらうと、こゝろうちひそかうたぐつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
我かならず三二万歳をうたふべしと、きて香央に説けば、彼方かなたにもよろこびつつ、妻なるものにもかたらふに、妻もいさみていふ。
猟人かりうどは、その無邪気むじやき鸚鵡あうむ可憐かあいそうにおもつてうたないでつれてかへつて可愛かあいがつてかつてやりました。
そのうちにわびしておくべしといへど、福一かしらをたれものをあんずるさまなりしが、やがて兎角とかくにむかひ、うた一首いつしゆよみ候かきて玉はれといふ。
仮字書之口伝かじしょのくでん第三章「残心」をうたった極意の和歌、——意味は読んで字の如く、じっと一身を守り詰め、敵に自ずと破れの出た時、討って取れという意味であった。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
富「是は妙なもんだね、不思議なもので、羽生村にいる時から私が真に惚れゝばこそ色々な策をして、惣次郎をうたせたのもみんなお前故だねえ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
果敢なしといふもはかなし声立ててうたへ泣きてしきそにしも似ね
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
老中がたは酒井(雅楽うた)侯、稲葉(美濃みの)侯、阿部(豊後ぶんご)侯。またお側衆そばしゅう久世くぜ大和やまと)侯であった。
人影が見えたと思うと「宮地ゃよいところじゃ阿蘇山ふもと」という俗謡うたを長く引いてちょうど僕らが立っている橋の少し手前まで流して来たその俗謡うたこころと悲壮な声とがどんなに僕のこころ
忘れえぬ人々 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
家庭的な思い出の深いものであった。十ある歌詞うたを彼女はたった三つ、それも飛び飛びにほか覚えていなかった。
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
歌謡うたは要らない。節ばかりでもよい。直様すぐさまさう思つて、自分は先づ la, la, laラーラーラー……と声を出して見たが、其れさへも、どう云ふ節で歌つてよいのか又迷つた。
黄昏の地中海 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
そのあした横雲白よこぐもしろ明方あけがたの空に半輪の残月を懸けたり。一番列車を取らんと上野に向ふくるまの上なる貫一は、この暁の眺矚ながめうたれて、覚えず悚然しようぜんたる者ありき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
一三五刹利せつり須陀しゆだもかはらぬものをと、心あまりて高らかにうたひける。
まして今では発見についてのこれぞという手懸かりもないのですからせめて、土人の伝説か俚謡うたでも、手懸かりの一つにしなかったら取っ付き場所がありません……
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それからは賜餐しさんうたげが張られるのである。持ち物を始末して叔母といっしょに席を出た。はぎのお廊下は往来する人で混雑し、中ノ口へ出るまでは叔母とはぐれそうになったこともある。
合歓木の蔭 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
うたれて帰る、たづたづし、罪のねりあし。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
を、何度も口でうたってみた。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
幸福の讃歌うたときく、さはやかに澄んだ、祝福の歌ときく、おそらくは彼自身も、混濁のない、からつぽの胃袋を、充分にふくらまして、誠意ある朝の祝福をさゝげてゐるのにちがいない。
かれは、單身たんしんやままたやまけてあたらしい知己ちき前途ぜんとおもつた。蜀道しよくだう磽确かうかくとしてうたけんなるかな。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「御浪人の阿星あぼし右太うた五郎さんも怨んでゐたし、やくざ者の投げ節の小三郎も怨んでゐたかも知れない、商賣敵の師匠のお組だつて、好い心持でなかつたことだらう」
有徳の浪人阿星あぼし右太うた五郎は、ひどく心得顏に、平次と八五郎を迎へたのです。
うたれ夫にて概略およそわかつたり先月せんげつ初旬はじめ了源寺の所化しよげいつはりたる坊主はまさしく其の願山で有うと何樣なにさま其方の別懇べつこんにする曲者ならん此儀はどうぢやと思ひがけなき事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
うたれ扨々積惡のむくふ所はおそろしき物かな我が子と知ず憑司が殺し猿島河原へすてたるは己がじつむすめの首なりしとはハテあらそはれぬものなり重ねて吟味致さんおつて呼出すまかり立と傳吉を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ここに山部やまべむらじ小楯をたて針間はりまの國のみこともちさされし時に、その國の人民おほみたから名は志自牟しじむが新室に到りてうたげしき。ここにさかりうたげて酒なかばなるに、次第つぎてをもちてみな儛ひき。
ここに熊曾建くまそたける兄弟二人、その孃子を見でて、おのが中にせて、盛にうたげつ。
けれどこれははじめで、そんなにいいものとはへない。だい一、ほんたかすぎる。それに童謠うただつて、まだほんとうにきみたちにかれないかもれない。
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
けれどきみたちは金持かねもちや、金持かねもち味方みかた詩人しじんやまたそいつらといつしよに貧乏人びんぼふにん馬鹿ばかにしてゐるやつらのやうに、このおぢさんの童謠うたを一も二もなく、あたまからバカにし、惡口わるくちなんかはないだらう。
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
村の家々から立ち昇る煙が、おしめども春のかぎりの今日の日の夕暮にさえなりにけるかな——と云いたげな古歌うた風情ふぜい陽炎かげろうと見境いもつかず棚引き渡っていた。夕暮までには未だ余程の間がある。
ゼーロン (新字新仮名) / 牧野信一(著)
一匹のやつは首を天へ向けて、何かそれに対して給金でも貰っているように一生懸命に、長く声を引き伸ばしながら吠えた。すると次ぎのが早速後をうけて、まるで寺男のようにうたい出す。
変な唄歌うたが、通りのほうから……。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
『貴女は親兄弟にも友人にも言へない様な心の声を何に発表されるんです? 唱歌うたにですか、涙にですか?』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
風流仏ふうりうぶつ」、「一口剣いつこうけん」等に幽妙なる小天地想をうたひ、一種奇気抜く可らざる哲理を含みたる露伴の詩骨はいたづらに「心機霊活の妖物」なる道也の影にせさらばひぬ。
男がエリスの右側にいて、右脇を射撃うたれたのであれば、何者かが右手の雑木林に潜んでいて発砲したものに違いない。
P丘の殺人事件 (新字新仮名) / 松本泰(著)
相むかふ今かうたんずつらがまへ丹田にして気合満ちたる
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
平日しめしていはれしは、我雪頽なだれうたれしとき筆をりてたりしは、たふと仏経ぶつきやうなりしゆゑたゞにやはとて一ごと念仏ねんぶつ申て書居かきをれり
蹴飛すやら打つうたれつつかあひはては四邊もしんやみ上を下へとかへしけり斯るさわぎを見濟して捕手の役人聲々に上意々々と踏込ふみこむにぞ惡者わるもの共は是を聞コリヤたまらぬと一目驂もくさんやみを幸ひはう々に後を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
空はさはやか晴渡はれわたツて、星が、何かの眼のやうに、ちろり、ちろりまたたきをしてをる。もう村の若衆等わかいしゆたちが、夜遊よあそび歸途かへり放歌うたすらきこえない。
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
少女は例の末野すゑのであつた。他の者の演技行爲をゆるさないデパートに、突發した不祥事件のひまを縫つたこの歌謠うたうたひの仕事は、素早いとも何ともいひがたいものであつた。
末野女 (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
「昨日の約束を忘れたのか。くだした船を東風こちに乗せて国へのぼらせようという目出度い祝儀に、盃が下ったまま上らないのは縁起が悪い。房次郎よ、うたうのはやめて、早く盃をのぼらせないのか」
重吉漂流紀聞 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
下手人は喋舌ったわ、代りに首は斬られるわ……なら、喋舌らん方がええ位の事は知っとるわい。イクラ不浄役人でもチットは和歌の稽古でもして置け。あの狂歌うたの謎がわからんと来たナ。ハハン
図書館に時をり行きて老いし父死刑囚われの短歌うた見るといふ
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
四度ならず牧師に云はるる汝が聖歌うたはオンチ展あらば一等なると
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
そこで全六百十二字の長詩をつくり、彼女へのなぐさめに贈り、題してこれを「琵琶びわうた」という”
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その没羽箭ぼつうせん張清の勇姿をたたえたものには、「水調歌」という時の流行曲に、一ト節のうたがある。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鞍馬の謡曲うたを口ずさみながら、そのじりじりとする懊悶おうもんまぎらわすように黒塗の欄へもたせた忠房の後ろに待ちかねた近侍の衣音きぬおとがしたので、はッと振り顧った。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この人は、当代に於て、隷書れいしょを書かせては、第一の名人という評がある。すなわち七言八絶をうたって——
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
新帝後醍醐の徳を、彼は、うたい上げるように、ここで称える。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「アリョーシャ」とミーチャが言った、「おまえだけは笑ったりなんかしないね! おれは……自分の懺悔ざんげを……シルレルの喜びの頒歌うたでもって切り出したいのだ。 ...