“返”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
かえ55.5%
かへ19.9%
けえ8.1%
3.9%
へん2.2%
ぺん1.4%
がえ1.1%
べん1.1%
もど1.1%
かや0.8%
(他:17)4.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“返”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸22.6%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)17.5%
文学 > 日本文学 > 小説 物語4.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
自分が「別段堅苦しくはしていません」と答えた時、彼女は「だってかえってるじゃありませんか」と笑った。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
足掛あしかけねんまたが籠城ろうじょう……つき幾度いくどとなくかえされる夜打ようち
「云はれた事は色々あるんですが、秩序立ちつじよだててかへすのは困るですよ。あたまわるいんだから」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
かへつたくちびるのやうにふくれたにくほこりまみれてくろへんじてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そこいらがだんだん薄暗くなって気が遠くなって行くようなアンバイで……そのまんま引っくりけえっちゃったらしいんです。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「なに、心配はねえ。仕事のはけ口を見つけに行くのよ。けえって来たら、借金もけえすし、おっ母にも安心させるぜ」
野槌の百 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
へして、木蔭をぐるに、灯火ともしびのかげれて、人の夜涼やれうかたるあり。
良夜 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
つれなくへされなば甲斐かひもなきこと、兎角とかく甚之助殿じんのすけどの便たよきたしとまちけるが
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
金太郎は路傍の道しるべの石に片足をかけて、自轉車にまたがつたまゝ憩みながら、今ばんたつといふへん事をした。
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
人の一度は必ずやって貰う葬式を、余だけはどうしても二へん執行しなければすまないと思ったからである。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
向後こうごもし主人が気狂きちがいについて考える事があるとすれば、もう一ぺん出直して頭から考え始めなければならぬ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その人の説によるとこれで成功しなければ葡萄酒ぶどうしゅの湯をわかして這入はいれば一ぺんで功能があると信じ切っている。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
また、きんさんは、でんぐりがえりをしたり、逆立さかだちをしながら、ちゃわんのなかみずんでみせたのでした。
春風の吹く町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
余が通り抜ける極楽水ごくらくみずの貧民は打てどもがえ景色けしきなきまでに静かである。
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「旧弊はとくに卒業して迷信婆々ばばあさ。何でも月に二三べん伝通院でんずういん辺の何とか云う坊主の所へ相談に行く様子だ」
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「今朝はありがとう」とまた礼を云った。考えると、丹前たんぜんの礼をこれで三べん云った。しかも、三返ながら、ただ難有うと云う三字である。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
『黙れ、老耄おいぼれ、拾ったやつが一人いて、もどした奴が別に一人いたのよ。それで世間の者はみんなばかなのさ。』
糸くず (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
拍子抜してもどれる貫一は、心私こころひそかにその臆測のいりほがなりしを媿ぢざるにもあらざれど、又これが為に、ただちに彼の濡衣ぬれぎぬ剥去はぎさるまでに釈然たる能はずして、好し
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そこで上りかまちに腰をかけて懐中ふっくらからその貰うた指環をば出いて、てのひら中央まんなかへ乗せて、タメツ、スガメツ引っくりかやいておりますと、背後うしろからヌキ足さし足、覗いて見た親父おやじが、大きな拳骨で私の頭をゴツウ——ンと一つらわせました。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
雛鶏ひなどり家鴨あひると羊肉の団子だんごとをしたぐし三本がしきりにかやされていて、のどかに燃ゆる火鉢ひばちからは、あぶり肉のうまそうなかおり、ちぢれた褐色とびいろの皮の上にほとばしる肉汁の香りが室内に漂うて人々の口に水をかしている。
糸くず (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
「なアに、こんなもの。——おっかあ心配しんぺえしねえでもいい。あんまり近寄ってくれんな。今、刎ねえしてみせる」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「行って見て来いよ。小僧。引っくりえってたらモウ一度バッグを開けてやれよ。中味をフンくって来るんだ。ナア小僧……」
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
突当りにきば噛合かみあうごとき、小さな黒塀の忍びがえしの下に、どぶから這上はいあがったうじの、醜い汚い筋をぶるぶると震わせながら
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この時演劇は既に今日こんにち吾人ごじん目睹もくとするが如く、セリだしまわり道具、がんどうがえし等あらゆる舞台装置の法を操座あやつりざより応用し、劇場の構造看客かんきゃくの観覧席をもまた完備せしめき。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
大豆だいづいたのはそれでもまれ晴天せいてんであつたので「いひがへし」にはずつてみなみ女房にようばうたのんだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
八月七日。雨降。熊次郎、おいく、茂吉、青根入湯にゆく。八月十三日、大雨降り大川の橋ながれ。八月十四日。天気よし。熊次郎、おいく、茂吉三人青根入湯がへり。八月廿三日。天気吉。伝右衛門でんゑもん、おひで、広吉、赤湯あかゆ入湯に行。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
スルト同行の山田八郎やまだはちろうう男が私を助けて室外に連出つれだし、水などましてれてヤット正気にかえった。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
かえり咲く花とうたがう雞頭の
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
爾来じらい富山はますます傾慕してかず、家にツィシアンの模写と伝へて所蔵せる古画の鑒定かんていを乞ふを名として、さき芝西久保しばにしのくぼなる居宅に請じておろそかならずもてなす事ありければ、そのかへしとて今日は夫婦を招待しようだいせるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
山浦丈太郎の手は、お滝の肩を引寄せて居たのです。お滝の思いの外の善良さが判ると、丈太郎の心の中に、関所役人時代のよしみがえったのでしょう。
大江戸黄金狂 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
さうして、つたばかりの銀杏がへしを、かまはず、椅子いすけて、
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
足がけツたるいので、づいと伸ばして、寐がへりを打つ、體の下がミシリと鳴ツて、新しい木綿もめんかほりが微に鼻をツた。眼が辛而やつと覺めかかツて來た。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
『しかしこの死態ざまをば情婦いろおなごい見せたナラ、大概の奴が愛想あいそ尽かすばい。眼球めんたまをばデングリがやいて、鼻汁はな垂れカブって、涎流よだくっとる面相つらあドウかいナ』
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
さればてる女の役目と云うのは春琴よりもむしろ佐助の身辺の用を足すことが主で直接春琴の体にれたことはめったになかった食事の世話だけは彼女が居ないとどうにもならなかったけれどもそのほかはただ入用な品物を持ち運び間接に佐助の奉公を助けた例えば入浴の時などは湯殿の戸口までは二人に附いて行きそこで引きさがって手が鳴ってからむかえに行くともう春琴は湯から上って浴衣を着頭巾をかぶっているその間の用事は佐助が一人で勤めるのであった盲人の体を盲人が洗ってやるのはどんな風にするものかかつて春琴が指頭をもって老梅ろうばいの幹をでたごとくにしたのであろうが手数のかることは論外であったろう万事がそんな調子だからとてもややこしくて見ていられない
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
来年は、どうでもしてしやすかんない、御隠居様。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
其上、祖先の人々は、この辛くして舌に沁む美しさを湛へた志都歌シヅウタカヘシ歌——葛城部の物語歌——を遺したのである。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)