“鼻汁”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
はな83.3%
はなじる14.3%
ばな2.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鼻汁はなをたらしていると、東京へ行って笑われるで、綺麗きれいに行儀をよくしているだぞ。」と、父親はお庄の涕汁はななぞをんでやった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
それから主人はこれを遠慮なく朗読して、いつになく「ハハハハ面白い」と笑ったが「鼻汁はなを垂らすのは、ちとこくだから消そう」とその句だけへ棒を引く。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
昨夜見た時はぴんぴんしていた人のこの有様に、諸行無常生者必滅とでも感じたものか、鼻汁はなを手の甲へすりつけながら、彦兵衛も寒々と肩をすぼめていた。
ただくわつと逆上のぼせて云ふべき臺辭せりふも忘れ、きまるさに俯向うつむいて了つた——その前を六騎のきたない子供らが鼻汁はなを垂らし
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
「後ろ手に縛られて首を絞められ、眼を廻して鼻汁はなだらけになって、大納戸なんどの布団の中にほうり込まれて居ましたよ」
——見ればあまりいい顔だちではない。すこしばかり青い鼻汁はなじるをたらしかけている。けれど、お時の目には、やっぱり死んだおやじにていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
各国の教育史を見てもペスタロッチ、フレーベルなどは自身で鼻汁はなじるをたらした子供を集めて教えたということは残っているが、役人になったかどうか、世人せじんは問わない。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
それよりも東へ進むと越後から奥羽のはてまで、見にくい顔で鼻汁はなじるらした小さな子供をもらってくるというのが多く、それにはどの土地でも皆おかしな名がついていて
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それからまた、胃の洗滌せんじょうをすると言って長いゴム管を咽喉のどから無理に押し込まれたとき、鼻汁はなじるといっしょにたわいなくこぼれる涙に至っては真に沙汰さたの限りである。
自由画稿 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
乳房ちぶさを出した女があかぼう鼻汁はなじるを啜りながら私をしかった。
風琴と魚の町 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
日本ではまだその少し前ごろまで、どの子もいわゆる二本鼻汁ばなを出していた。
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)