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鼻汁
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はな
ふりがな文庫
“
鼻汁
(
はな
)” の例文
こっちで死ぬほど思っている人は
鼻汁
(
はな
)
もひっかけてくれないし、いやでいやでたまらない奴は振っても巻いてもついて来やあがるし
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
御承知の通り
鼻汁
(
はな
)
をかむ時は、是非鼻を抓みます、鼻を抓んで、ことにこの局部だけに刺激を与えますと、進化論の大原則によって
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
垣根の外には村の小供等が
鼻汁
(
はな
)
を嘗めながら珍らしさうに眺めて居る。今度の洪水に就て、急に用事が出来たので
昨夜
(
ゆうべ
)
出で来たと云ふお話。
大野人
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
ある者は食事が長いからとて、またある者は鼻風邪を引いていて、ひっきりなしに
鼻汁
(
はな
)
をかむからといって憎らしがる。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
『しかしこの
死態
(
ざま
)
をば
情婦
(
いろおなご
)
い見せたナラ、大概の奴が
愛想
(
あいそ
)
尽かすばい。
眼球
(
めんたま
)
をばデングリ
返
(
がや
)
いて、
鼻汁
(
はな
)
垂れカブって、
涎流
(
よだく
)
っとる
面相
(
つら
)
あドウかいナ』
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
姉をお
勢
(
せい
)
と言ッて、その頃はまだ十二の
蕾
(
つぼみ
)
、
弟
(
おとと
)
を
勇
(
いさみ
)
と言ッて、これもまた袖で
鼻汁
(
はな
)
拭
(
ふ
)
く
湾泊盛
(
わんぱくざか
)
り(これは当今は某校に入舎していて宅には居らぬので)
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「後ろ手に縛られて首を絞められ、眼を廻して
鼻汁
(
はな
)
だらけになって、大
納戸
(
なんど
)
の布団の中に
投
(
ほう
)
り込まれて居ましたよ」
銭形平次捕物控:238 恋患い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それまではてんで
鼻汁
(
はな
)
もひつかけなかつた、この教育法を、その頃から妙に真理の様にも考へさせられだした。
殴る
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
ただくわつと
逆上
(
のぼせ
)
て云ふべき
臺辭
(
せりふ
)
も忘れ、
極
(
きま
)
り
惡
(
わ
)
るさに
俯向
(
うつむ
)
いて了つた——その前を六騎の
汚
(
きた
)
ない子供らが
鼻汁
(
はな
)
を垂らし、
黒坊
(
くろんぼ
)
のやうな
赭
(
あか
)
つちやけた裸で
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
鼻の頭へ
黄豆粉
(
きなこ
)
をつけているものもある。上唇についた黒ごまと
鼻汁
(
はな
)
とを一緒になめているものもある。
旧聞日本橋:20 西川小りん
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「でも、あの兄さん、いい人があるんだから俺らことなんか
鼻汁
(
はな
)
も……の方なんだから、駄目の皮。」
錦紗
(新字新仮名)
/
犬田卯
(著)
「死んでも
鼻汁
(
はな
)
垂らさんやうに、鼻の穴へ綿を詰めてる。……矢ツ張りこの人はえらいのう。」
太政官
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
そうして羊の毛織りの端くれで
鼻汁
(
はな
)
をかんで、その鼻汁をかんだ切布を頭の上に載せて乾しながら、うつうつと
坐睡
(
いねむ
)
り好い心持に暖まって居るざまというものはないです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
謝ると、今度は、泣き声を変えて、甘えるように、わあん、わあんと、
鼻汁
(
はな
)
をたらして泣く。
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鼻汁
(
はな
)
かんだら鼻が黒もうばかりの古臭い書画や、二本指で
捻
(
ひね
)
り
潰
(
つぶ
)
せるような
持遊
(
もてあそ
)
び物を宝物呼ばわりをして、立派な侍の知行何年振りの価をつけ居る、苦々しい
阿房
(
あほう
)
の沙汰じゃ。
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
吾輩は君たちなんぞに
鼻汁
(
はな
)
もひつかけんぞと反りくり返つてやりたいだけのことさ。
狂人日記
(旧字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
往来
(
ゆきき
)
の人々は、いずれも
鼻汁
(
はな
)
をすすったり、
眼側
(
まぶち
)
を紅くしたり、あるいは涙を流したりして、顔色は白ッぽく、
頬
(
ほお
)
、耳、鼻の先だけは赤く成って、身を縮め、頭をかがめて、寒そうに歩いていた。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
鼻汁
(
はな
)
をたらしていると、東京へ行って笑われるで、
綺麗
(
きれい
)
に行儀をよくしているだぞ。」と、父親はお庄の
涕汁
(
はな
)
なぞを
拭
(
か
)
んでやった。気の荒い父親も旅へ出てからの妻や子に対する心持は優しかった。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
薄暗い店先で、
鼻汁
(
はな
)
を垂らした子供が早い線香花火を上げていた。
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
「お前たちがまだ、
鼻汁
(
はな
)
をたらしていた時分のことだ」
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
なかには
鼻汁
(
はな
)
をすするやつまでいる。
顎十郎捕物帳:08 氷献上
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「うん、出てくる
鼻汁
(
はな
)
よ」
ハナとタマシヒ
(新字旧仮名)
/
平山千代子
(著)
飯たき久七が
茶碗酒
(
ちゃわんざけ
)
をあおって、
泪
(
なみだ
)
と
鼻汁
(
はな
)
をいっしょにこすり上げているさわぎ。いやもう、裏もおもてもたいそうなにぎやかさ。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
いや御不審はごもっともですが論より証拠この通り骨があるから仕方がありません。すでに骨が出来る。骨は出来ても
鼻汁
(
はな
)
は出ますな。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「オヽイ、馬丁さん、早くしてお呉れよ、
躯
(
からだ
)
がちぎれて飛んで
仕舞
(
しま
)
ひさうだ——
戯譃
(
じやうだん
)
ぢやねえよ」と、車の
裡
(
うち
)
なる
老爺
(
おやぢ
)
は
鼻汁
(
はな
)
すゝりつゝ呼ぶ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
それまではてんで
鼻汁
(
はな
)
もひつかけなかつた、この教育法を、その頃から妙に真理の様にも考へさせられだした。
小熊秀雄全集-15:小説
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
指頭で
紙巻烟草
(
シガレット
)
を製する事も出来、片手で
鼻汁
(
はな
)
を
拭
(
ふ
)
く事も出来るが、その代り日本の事情は皆無解らない。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
あの
娘
(
こ
)
が達者なときはたまにからかってもみたが、駒次郎という大きな
餌
(
えさ
)
に喰い付いているせいか、こちとらには
鼻汁
(
はな
)
も引っかけなかった娘だが、死んでみると可哀想だ
銭形平次捕物控:097 許嫁の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
流石
(
さすが
)
の謹厳な八代大将も総
義歯
(
いれば
)
をハメ直しハメ直し
鼻汁
(
はな
)
と涙を拭い敢えず、苦り切ってシキリに汗を拭いていた武谷博士も、とうとう落城してニヤリとしたのが運の尽き。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
市をとほりながら、くしやみもしたし、ハンカチで
鼻汁
(
はな
)
もかんだけれど肝腎のことはすつかり忘れてしまつてゐたのぢや。で、やつと気がついた頃は、市の関門を六
露里
(
ウェルスト
)
ばかりも距たつてゐた。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:04 イワン・フョードロヸッチ・シュポーニカとその叔母
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
跣足
(
はだし
)
で、そとから素ッ飛んで帰って来ると、青い
鼻汁
(
はな
)
を横にこすって
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それから主人はこれを遠慮なく朗読して、いつになく「ハハハハ面白い」と笑ったが「
鼻汁
(
はな
)
を垂らすのは、ちと
酷
(
こく
)
だから消そう」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
昨夜見た時はぴんぴんしていた人のこの有様に、諸行無常生者必滅とでも感じたものか、
鼻汁
(
はな
)
を手の甲へすりつけながら、彦兵衛も寒々と肩を
竦
(
すぼ
)
めていた。
釘抜藤吉捕物覚書:10 宇治の茶箱
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「極りは悪いが、言ってしまいましょう、実は——あの娘へちょいちょい当ってみたんですが、
容貌
(
きりょう
)
自慢でツンツンしやがって、こちとらへは
鼻汁
(
はな
)
も引っかけませんよ」
銭形平次捕物控:017 赤い紐
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
こもごも、挨拶する間、秀吉の方は、
鼻汁
(
はな
)
ばかりかんでいた。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
老人は
鼻汁
(
はな
)
すゝり上げつ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「てめえ惚れた女のことだけあっていやにくわしいぜ。しかし、
武士
(
りゃんこ
)
がついていたんじゃあ、手前なんかに
鼻汁
(
はな
)
もひっかけやしめえ。お気の毒さまみたようだなあ」
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
こちとらには
鼻汁
(
はな
)
も引つかけないし——あの米吉といふ野郎は、氣の知れない若造ですよ。
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鼻汁
(
はな
)
をこすりながら、むしろ彼は泣きたそうな顔をした。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こちとらには
鼻汁
(
はな
)
も引っかけないし——あの米吉という野郎は、気の知れない若造ですよ、物腰は女みてえで妙に物静かなくせ、ひどく気象に激しいところがあって、小僧の春松などは
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その一枚を揉んで、
鼻汁
(
はな
)
をかんで捨てて——
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と小僧は
鼻汁
(
はな
)
を
啜
(
すす
)
った。
釘抜藤吉捕物覚書:03 三つの足跡
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
驚くべきはブッシュの
矜持
(
きょうじ
)
だ。古典の傑作、古今の巨匠たちの最も芸術的な作品でなければ、ブッシュは——卑俗な言葉を使うことを許して貰えるならば、本当に
鼻汁
(
はな
)
も引っかけないのだ。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
「紙へ、
鼻汁
(
はな
)
が垂れたわ」
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こちとらには
鼻汁
(
はな
)
も引つかけなかつた娘だが、死んで見ると可哀想だ
銭形平次捕物控:097 許婚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“鼻汁(
鼻水
)”の解説
鼻水(はなみず)は、鼻から出る流動性あるいは半流動性の液体。鼻汁・洟(はな)ともいう。
また、鼻水から水分が抜け固体となったものを鼻糞(はなくそ)という。
(出典:Wikipedia)
鼻
常用漢字
小3
部首:⿐
14画
汁
常用漢字
中学
部首:⽔
5画
“鼻”で始まる語句
鼻
鼻緒
鼻頭
鼻唄
鼻面
鼻梁
鼻息
鼻孔
鼻腔
鼻糞