“啜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すす88.3%
すゝ10.1%
0.7%
すヽ0.4%
すすっ0.2%
すすり0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
半之助はひどくぶきように、一椀の茶をすすり、菓子を摘みながら、夫人の姿をそれとなく、だが相当大胆にちらちらと眺めまわした。
半之助祝言 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
しかしあのたくましいムツソリニも一わんの「しるこ」をすゝりながら、天下てんか大勢たいせいかんがへてゐるのはかく想像さうぞうするだけでも愉快ゆくわいであらう。
しるこ (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
主婦の眼にあてたガーゼから流れる水音が、酒と一緒に参木の脊骨を慄わせた。彼の前では、煉瓦の柱にもたれた支那人が、眼をつぶったまま煙管きせるっていた。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
阿母さんも居ない留守るすに兄をにがして遣つては、んなに阿父さんからしかられるかも知れぬ。貢さんは躊躇ためらつて鼻洟はなみづすヽつた。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
デモ母親は男勝おとこまさりの気丈者、貧苦にめげない煮焚にたきわざの片手間に一枚三厘の襯衣シャツけて、身をにして掙了かせぐに追付く貧乏もないか、どうかこうか湯なりかゆなりをすすっ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「——……ええ。」すすり泣くのをやめると、栗鼠の毛皮の外套をつけた女は、コンパクトで化粧をなおしてから