“鼻洟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はな81.8%
はなみづ18.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あれが修業に出た時分は、旦那さんも私もやはり東京に居た頃で、丁度一年ばかり一緒に暮したが……あの頃は、お前、まだ彼が鼻洟はな
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ぼろぼろの襤褸つづれを着て、青い鼻洟はならして、結う油もない頭髪を手拭てぬぐいで広く巻いて、叔父の子を背負いながら、村の鎮守で終日田舎唄いなかうたを唄うころは無邪気であった。
ネギ一束 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
もし舞妓にきまりの悪い思ひをさせるおそれがなかつたなら、お前は丁度ちやうど五度ごたび鼻洟はなみづすすつたぜと、云つてやりたかつた位である。
京都日記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
阿母さんも居ない留守るすに兄をにがして遣つては、んなに阿父さんからしかられるかも知れぬ。貢さんは躊躇ためらつて鼻洟はなみづすヽつた。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)