“叱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しか73.5%
13.5%
しっ8.5%
しつ2.1%
しかり0.9%
しッ0.3%
いじ0.2%
こごと0.2%
しツ0.2%
0.2%
ちか0.2%
シカ0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「困ったねえ、えらい人が来るんだよ。しかられるといけないからもう帰らうか。」私がひましたら慶次郎は少し怒って答へました。
二人の役人 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
っ……。野暮、そんな大きい声をするもんじゃありません。私が、おまえをどんな気持で眼にかけているか、よくご存じだろう」
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その一隊が三人の前まで来た時、手を左右に振りながら、警戒するように『しっ!』と云った。近寄るなとでも云っているようであった。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しつ!……これ丑滿時うしみつどきおもへ。ひとりわらひはばけものじみると、ひとりでたしなんでかたをすくめる。と、またしんとなる。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「歸りませうよ、八丁堀の旦那衆のおしかりは覺悟の前で、——百足屋むかでやの主人を斬つた泥棒はつかまらなかつたといふ事にして」
「畜生、しッ……畜生。」とこぶし揮廻ふりまわすのが棄鞭すてむちで、把手ハンドルにしがみついて、さすがの悪垂真俯向まうつむけになって邸町へ敗走に及ぶのを、斑犬ぶちは波を打ってさっと追った。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
アハハハと笑えばお吉も笑いながら、そうしたらまた不潔不潔と厳しくおいじめなさるか知れぬ、と互いに二ツ三ツ冗話むだばなしして後、お吉少しく改まり、清吉はておりまするか
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
先生におこごとうけましたの——其れから学校を卒業する、貴女は菅原様すがはらさんいらつしやる、他の人々かたがたれ方向をおさだめになるのを見て
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
じつに、わが国は伊太利軍には一度も敗れたことはないのである。その歴史的信念を忘れ、決戦に怯気おじけだった、軍主脳部こそは千むちをうけねばならぬ。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
彌右衞門め腹ア立って、彼奴あいつは化物だんべえから熊と一緒に撃つべえと云うだ、そんだから己アあとでまたおめえにおっちかられるとつまんねえだから、一走ひとッぱしり往って喜右衞門どんに聞いてべえと云って
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
のろふがさうした分化を遂げるには、る・るなどの悪し様に言ふと言つた用語例が助けてゐる事であらう。