“眠”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ねむ54.8%
19.6%
ねむり12.2%
ねぶ4.9%
やす2.7%
1.0%
0.8%
ねふ0.6%
やすみ0.6%
ねぶり0.4%
ねふり0.4%
ねむっ0.4%
みん0.4%
ねむる0.2%
みつ0.2%
0.2%
ネブ0.2%
ネム0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ことわるのもめんどうとおもって、ににぎっていた財布さいふを、きゅうにむしろのしたかくして、をつぶってねむったふりをしていたのであります。
善いことをした喜び (新字新仮名) / 小川未明(著)
一種、眼のくらみそうなにおいが室内にみなぎって、周蔵は起上って坐っていたが、私の入って来ると同時にまたごろりところんでしまった。
黄色い晩 (新字新仮名) / 小川未明(著)
人々は、ねむりから覚めたところだった。白い粘土で塗りかためられた煙突からは、紫色の煙が薄く、かすかに立のぼりはじめたばかりだ。
パルチザン・ウォルコフ (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
湯から出たら「公先づねぶれ」と云ふ。若い坊さんが厚い蒲團を十二疊の部屋に擔ぎ込む。「郡内か」と聞いたら「太織だ」と答へた。
京に着ける夕 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
かれ詮方せんかたなくおやすみなさい、とか、左樣さやうなら、とかつてやうとすれば、『勝手かつてにしやがれ。』と怒鳴どなける權幕けんまく
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
醫者のごと寄り添ひてるやらむ。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
折角やう/\のこと夜中時分にどうやらおりなすつたらしいところを、この人が目をさましてお泣きになると、私は身を切られるやうでしたよ。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
嗟乎あゝをしむべし、かゝる美人びじんこの辺鄙へんひうまれ、昏庸頑夫こんようぐわんふの妻となり、巧妻こうさいつね拙夫せつふともなはれてねふり、荊棘けいきよくともくさらん事あはれむたえたり。
四隣まはりが遠うござりますので御氣分の爲にも良からうかと存じまする、はい昨夜はよくおやすみに成ましたが今朝ほどは又少しその、一寸御樣子が變つたやうで、ま
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
おもき物いみも既にてぬ。絶えて兄長このかみおもてを見ず。なつかしさに、かつ此の月頃のおそろしさを心のかぎりいひなぐさまん。ねぶりさまし給へ。我もの方に出でんといふ。
此書このしよ全部ぜんぶ六巻、牧之老人ぼくしらうじんねふりかる漫筆まんひつあづさまたざるの稿本かうほんなり。ゆゑ走墨乱写そうぼくらんしやし、また艸画さうぐわなり。老人らうじんしめして校訂かうていふ。
昨夜ゆうべ雨戸を閉めるのを忘れてねむったので風をひいたのだ。今日は咽喉のどが腫れましたよ。」と語ると婆さんはさも嬉しそうに、よろこばしそうに以前よりも、もっと罪がなさそうに
老婆 (新字新仮名) / 小川未明(著)
代助は昨夕ゆふべの夢を此所こゝ辿たどつてて、睡みん覚醒かくせいとのあひだつなぐ一種の糸を発見した様な心持がした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「でも、文字で書くと、ねむるという字は書きません、よろこぶと書いて、合歓ねむむんですの」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「然うですね………」とおふくろは、些とまごついた躰で、かるく首を振る。そして不思議さうに周三の顏をみつめた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
もの思ふと ねず起きたる朝明アサケには わびて鳴くなり。庭つ鳥さへ(万葉集巻十二)
鶏鳴と神楽と (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
宝船に書き添へた意味不明の廻文歌「ながき夜のとおのネブりの皆目覚め……」は一種の呪文である。
古代生活の研究:常世の国 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ノミガ群ッテ集マルノデネムルノハ少シムツカシイ。シカシ朝、海デ泳グカラ、皆、夜ノ心配ヲ忘レマス。