“みつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ミツ
語句割合
凝視17.8%
11.3%
10.6%
8.1%
見詰6.9%
発見4.7%
4.0%
4.0%
視詰3.9%
見附3.0%
3.0%
見付2.6%
2.3%
1.9%
視凝1.8%
熟視1.2%
見着1.0%
見凝1.0%
美津0.8%
0.8%
三個0.7%
三歳0.7%
御津0.6%
三津0.6%
見継0.4%
0.4%
發見0.4%
0.4%
0.3%
0.3%
0.3%
三頭0.3%
目詰0.3%
0.3%
目守0.1%
0.1%
瞻詰0.1%
三分0.1%
三派0.1%
0.1%
凝見0.1%
疑視0.1%
直視0.1%
看付0.1%
看詰0.1%
看附0.1%
0.1%
0.1%
瞠視0.1%
0.1%
0.1%
蜜糖0.1%
見守0.1%
見次0.1%
見積0.1%
見続0.1%
視付0.1%
諦視0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と正面よりお顔を凝視みつめて、我良苦多がらくた棚下たなおろし。貴婦人は恥じ且つ憤りて、こうべれて無念がれば、鼻の先へ指を出して、不作法千万。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
法水は怪訝けげんそうに相手の顔をみつめていたが、「しかし、本当の事を云うんですよ。伸子さん、あの札はいったい誰が書いたのですか」
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
僕にみつぐのだと語ったのが、土地の人々の邪推を引き起し、僕はかの女を使って土地の人々の金をしぼり取ったというように思われた。
耽溺 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
山の手ではからすうりの花が薄暮の垣根かきねに咲きそろっていつものの群れはいつものようにせわしくみつをせせっているのであった。
からすうりの花と蛾 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
三日目の日盛ひざかりに、彼は書斎のなかから、ぎら/\するそらいろ見詰みつめて、うへからおろほのほいきいだ時に、非常に恐ろしくなつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「しかしお前が発見みつけるより先に私がいち早く見付けていた。危険の多い湖底から沙漠の地下室へ人猿と一緒に宝を移したのもこのわしじゃ」
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
依て安慰、滋養品、運動とのみつは、実に相待あいまってこそ長寿すべきを能く銘記あらんことを祈る。寛は幸にして此みっつを以てするに怠らず。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
(高松のお藤さん)(長江のお園さん、おみつさん)医師いしゃの娘が三人揃って、(百合さん)(婦美ふみさん)(皐月さつきさん)歯を染めたのでは
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
併し、貞子はどうしたのか立っては行かないので、私は仕方なく又立って行ってその扉をあけた。そして私はすぐに峻の靴先を視詰みつめていた。
秋草の顆 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
……(下人に)やい、そちはヹローナぢゅう駈𢌞かけまはって(書附を渡し)こゝ名前なまへいてある人達ひとたち見附みつけて、今宵こよひわがやしきねんごろ御入來ごじゅらいをおまうすとへ。
此あたりは山近く林みつにして、立田たつたの姫が織り成せる木々の錦、二月の花よりもくれなゐにして、匂あらましかばとしまるゝ美しさ、得も言はれず。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
すると新羅しらぎ使者ししゃの中に日羅にちらというとうとぼうさんがおりましたが、きたないわらべたちの中に太子たいしのおいでになるのを目ざとく見付みつけて
夢殿 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
いて呉れ、措いて呉れ、小説の講釈は聞飽きた、」と肱枕の書生は大欠伸あくびをしつゝ上目うはめじつみつめつ
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
嘉兵衛は茫然と、宙をみつめたまま肩で息をついている——娘のお稲だけは、投出された濡雑巾のように、畳の上へうち伏して泣咽なきむせんでいた。
暗がりの乙松 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
強度の近視眼で、怪しむやうに人を視凝みつめる癖があつた。縞目も分らないほど古く汚れた背広を着て、脚絆に草鞋をはいてゐた。
禅僧 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
さりながらあの市ヶ谷の監獄生活は誠に貴い省察と静思との時間をおまへに与へたと、鏡の中から悲しげな両の瞳が熟視みつめる……
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
その佃煮つくだにけつけたときは……先刻さき見着みつけたすこしばかりの罐詰くわんづめも、それもこれ賣切うりきれてなんにもなかつた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
くすんだような深い赭色あかいろに塗られた盃は、冷たい酒をたたえて、内から、描かれた金蒔絵きんまきえの長老姿を浮きあがらせた。人々はそれを見凝みつめてそしてあおった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
慎太郎はふと耳をすませた。誰かが音のしないように、暗い梯子はしごあがって来る。——と思うと美津みつが上り口から、そっとこちらへ声をかけた。
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
あれほど仲の悪かった二人が、相逢うた恋人同志のように、ものも得云わずみつめあっている様を見て、光政も思わず眼頭に熱いものを感じた。
だだら団兵衛 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
虎の皮には弱ったと見えて、火の車を飛ばした三個みつの鬼が、腰に何やらん襤褸ぼろまとっていた、は窮している。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
アレ住が来た、ソレ住が来た、怖い怖いと泣いて騒ぐ、妾は心の迷いという事もありましょうが、何にも知らぬ三歳みつ四歳よつの小児が、何を怖がって何を泣くか一向解りませぬ
お住の霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
いざどもはやく日本やまと大伴おほとも御津みつ浜松はままつひぬらむ 〔巻一・六三〕 山上憶良
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
私は先年この三津みつの地に行って、今そこの名所田間に少しばかり残してあるいわゆる浜荻を親しく見たことがあったが
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
われわれの働くときに、われわれの後楯うしろだてになりまして、われわれの心を十分にわかった人がわれわれを見継みついでくれるということは、われわれの目下の必要でございます。
後世への最大遺物 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
おなじく三十日には、寛は蕨を採りて喰料を補わんとして、草鞋はきにて藁叺わらかますを脊負い、手には小なる籠を持ち、籠にみつる時は藁叺に入るる事とせり。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
「そりやそんなことしないで發見みつけたものなら其儘そつくりかへすのが本當ほんたうだよ」内儀かみさんはこゑひくかつたがきつぱりいつた。勘次かんじまどうたこゝろそこにはそれがびりゝとつよひゞいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
第十一 積雪尺ニみつレバ遺蝗いこうヲ地下ニルコト一丈いちじょう其春必霡霂みゃくもくノ小雨アリテ潤沢澆洽ぎょうこうシ以テ天下ノ豊年ヲナス
(新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
そりやア仁王門にわうもんだ、これから観音くわんおんさまのおだうだ。梅「道理だうりおほきいと思ひました……あゝ……あぶない。とおどろいて飛下とびさがる。近「フヽヽなんだい、みつともない、はとがゐるんだ。 ...
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「おみつつあん、どしようぞいな。……こんなことになつて。……」
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
そのぜん貞之進は知己なる飯田の人というのに挨拶を仕たくって居たが、その時その人がちょうど座敷を出るのをみつけたから、もしや帰るのかと思って奮って起ってその人の跡を逐い
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
三頭みつ四頭よつも一斉に吠え立てるのは、ちょう前途ゆくて浜際はまぎわに、また人家が七八軒、浴場、荒物屋あらものやなど一廓ひとくるわになってるそのあたり。彼処あすこ通抜とおりぬけねばならないと思うと、今度は寒気さむけがした。
星あかり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
されど深長なる意味ありて存するごとく、満身の気をまなこにこめて、その瞳をも動かさで、じっと人を目詰みつむれば他をして身の毛をよだたすことある、その時と同一おなじ容体ありさまにて、目まじろぎもせで
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と左右を見つつ、金魚鉢を覗くごとく、仇気あどけなく自分もみつめて
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
聞くと等しくお政は手に持ッていた光沢布巾つやぶきんを宙にるして、「オヤ」と一せい叫んで身を反らしたまま一句もでばこそ、暫らくはただ茫然ぼうぜんとして文三のかお目守みつめていたが
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
お勢は紳士にも貴婦人にも眼をめぬ代り、束髪の令嬢を穴の開く程目守みつめて一心不乱、傍目わきめを触らなかった、呼吸いきをもかなかッた、母親が物を言懸けても返答もしなかった。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
『先生にしたところで、』と、お利代は智恵子の顔をマヂ/\とみつめ乍ら、『どうせ御結婚なさらなけやなりませんでせうし……。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『然うなすつた方がいいわ、小母さん。』と、智恵子は俯向いたお利代の胸のあたりじつみつめた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
貞之進はじっとその男の顔を瞻詰みつめて、しきりに唇を顫わしていたが、大喝たいかつ一声いっせい、何ッと言放した音の鋭かったことは、それまでに顕われた貞之進の性行を
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
まだ何か鍋のうちに残って居るように、貞之進は手を膝に突いて瞬きもせずきっと瞻詰みつめてその夜の明るのも知らなんだが、火勢ようやく衰えて遂に灰となる時
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
これを廝に告げんとすれど、悲しや言語ことば通ぜざれば、かれは少しも心付かで、阿容々々おめおめ肴を盗み取られ。やがて市場に着きし後、代物しろもの三分みつひとつは、あらぬに初めて心付き。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
この三派みつみちの集まったところに一本の松が立っている。一同はこの松の下に休息して、なの字浦の方から来るはずになっていた猟師の一組を待ち合わせていた。
鹿狩り (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「時に小夜の事だがね」と先生は洋灯ランプを見ながら云う。五分心ごぶじん蒲鉾形かまぼこなりとも火屋ほやのなかは、つぼみつる油を、物言わず吸い上げて、穏かなほのおの舌が、暮れたばかりの春を、動かず守る。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
笏と同じい年頃のその家の主人は、なかば好意をさしはさんでなかばけげんな人見知りな表情で、じろじろ笏の顔を凝見みつめた。
後の日の童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
そのくせ、夢みるような瞳は、飽くなき巨大な幻想を疑視みつめていたのです。
足の裏 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
年少判事はこのおおいなる責任のために、手も自由ならず、足の運びも重いばかり、光った靴の爪尖つまさきと、杖の端の輝く銀とを心すともなく直視みつめながら、一歩進み二歩く内、にわかにさっと暗くなって
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
新しい膳に向つて、うまさうな味噌汁のにほひを嗅いで見た時は、第一この寂しげな精舎しやうじやの古壁の内に意外な家庭の温暖あたゝかさ看付みつけたのであつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
自分が魚餌えさはりよそおいつけた時であった。偶然に少年は自分の方におもてを向けた。そして紅桃色こうとうしょくをしたイトメという虫を五匹や六匹ではなく沢山に鉤に装うところを看詰みつめていた。
蘆声 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それは私にも未だきまらないが、兎に角差向いになりたい、是非なりたい、何か雪江さんの部屋へ行く口実はないか、口実は……と藻掻もがくけれど、生憎あいにく口実が看附みつからない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「然うですね………」とおふくろは、些とまごついた躰で、かるく首を振る。そして不思議さうに周三の顏をみつめた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
老人は衰えた双眸そうぼうに感動の色をあらわしながら、じっとお留伊の眼をみつめた。
鼓くらべ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
リツプは呆れた顔をして、かの男を瞠視みつめた計り、一言も出しませなんだ。
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
まったくわたしは吃驚びっくりして! 母などとは、きくもいまわしい、汚ない、黒いダブダブ女をみつめていた。
この細長で太い紐の如き部分をハイネ(這い根の意)すなわちみつといいます。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
むねや口のまわりには、田楽でんがく味噌みそだの、黄粉きなこだの、あまくさい蜜糖みつねばりだのがこびりついていて、いかに、かれの胃袋いぶくろが、きょう一日をまんぞくにおくっていたかを物語っている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「エー六五七十の二……でもなしとエー六五」ト天下の安危この一挙に在りと言ッた様な、さも心配そうな顔を振揚げて、その癖口をアンゴリ開いて、眼鏡めがね越しにジット文三の顔を見守みつ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
これを買わせなければ置かぬ、そうして、ムクによって失われている愛着を、この熊の子の身の上の安全と、成長の上にかけて、最後まで見次みつがねばならぬという固い決意は
大菩薩峠:30 畜生谷の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それができてもできなくても、どう少なく見積みつもってもすぐ四十フランという金をこしらえなければならないとかれは言った。
濃州に立越え稲葉伊予守に所縁あるを以て暫時かくまはれて居たりしかば、信長の軍立いくさだて能々よくよく見知りてありけるが、今度このたび織田徳川矛盾に及ぶと、浅井を見続みつがずばいよいよ不忠不義の名をこうむるべしとおもひ
姉川合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
母親と聞いて文三のしおれ返るを見て、お政は好いせめ道具を視付みつけたという顔付、長羅宇ながらう烟管きせるたたみたたくをキッカケに
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
その一人は羨ましさうにほかの子の持つ二つの小さい薄荷水の罎を諦視みつめて居た。遂には彼はそれを要求するに至つた。そこで小さい爭が始まる。
海郷風物記 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)