“一声”のいろいろな読み方と例文
旧字:一聲
読み方割合
ひとこえ58.2%
いっせい25.4%
ひとこゑ9.0%
いつせい6.0%
こえ1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「うん、持っているとも」そういって大辻老はわきの下へ手をやったが、うわーッと一声ひとこえ、たちまちね上った。「岩の足型がないッ」
地中魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
一声いっせいわめいた。女史は極度に興奮してその場に立ちあがろうとするのを、隣席の老人は笑いながら後から抱きついて止めた。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
旗野の主人あるじ血刀ちがたなひつさげ、「やをれ婦人をんなく覚めよ」とお村のあばら蹴返けかへせしが、くわつはふにやかなひけむ、うむと一声ひとこゑ呼吸いきでて、あれと驚き起返おきかへる。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
くこといま幾干いくばくならず、予に先むじて駈込かけこみたる犬は奥深く進みて見えずなりしが、哬呀あなや何事なにごとおこりしぞ、乳虎にうこ一声いつせい高く吠えて藪中さうちうにはか物騒ものさわがし
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
黄金こがねの鈴を振るごとく、ただ一声こえ、コロリン、と琴が響いた。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)