“いっせい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一斉67.9%
一声20.2%
一世2.4%
一整2.4%
一齊2.4%
一清1.2%
一勢1.2%
一睛1.2%
諸声1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
室内にいた二十人ばかりの男女の視線が一斉いっせいに、立竦んでいるぼくに注がれた気がして居たたまれず、すぐ表に出てしまいました。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
この時まで主人のあと温和おとなしいて来たのトムは、にわかに何を認めたか知らず、一声いっせい高く唸って飛鳥ひちょうの如くに駈け出した。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
胡桃くるみうちひそんで、われを尽大千世界じんだいせんせかいの王とも思わんとはハムレットの述懐と記憶する。粟粒芥顆ぞくりゅうかいかのうちに蒼天そうてんもある、大地もある。一世いっせい師に問うて云う、分子ぶんしはしでつまめるものですかと。
一夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一整いっせいに立ち上ったが呶鳴り出した。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
土間のなかばで、そのおじやのかたまりのような四人の形が暗くなったのは、トタンに、一つ二つ電燈がスッと息を引くように赤くなって、橋がかりのも洗面所のも一齊いっせいにパッと消えたのである。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
百日の期限をきって暇を乞い、薊州けいしゅうの地へ母をたずね、また老師へ会いに行くといって去った公孫勝こうそんしょう一清いっせいである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お、おれだってよ……木のまたから生れたわけじゃねえや。こう見えても、故郷くにには、年とったおふくろがいらアな。一清いっせいうらやましいや。先生が羨ましいんだ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
氏の家へ半月程前の夕刻玄関げんかんかせぎの盗人が入りました。ふと気が付いた家人かじん一勢いっせいに騒ぎ立てましたが、氏は逃げ行く盗人の後姿うしろすがたを見るくらいにしなが突立つったったまま一歩も追おうとはしませんでした。
一睛いっせい暗所あんしょに点ぜず、藤尾は眼を上げなかった。ただ畳に落す靴足袋の先をちらりと見ただけでははあと悟った。小野さんは座に着かぬ先から、もうめられている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
車夫は諸声いっせい凱歌かちどきを揚げ、勢いに乗じて二歩を抽き、三歩を抽き、ますますせて、軽迅たまおどるがごとく二、三間を先んじたり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)