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一声
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いっせい
ふりがな文庫
“
一声
(
いっせい
)” の例文
旧字:
一聲
と
一声
(
いっせい
)
喚
(
わめ
)
いた。女史は極度に興奮してその場に立ちあがろうとするのを、隣席の老人は笑いながら後から抱きついて止めた。
西湖の屍人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
この時まで主人の
後
(
あと
)
に
温和
(
おとなし
)
く
尾
(
つ
)
いて来た
彼
(
か
)
のトムは、
猝
(
にわか
)
に何を認めたか知らず、
一声
(
いっせい
)
高く唸って
飛鳥
(
ひちょう
)
の如くに駈け出した。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
で、すぐに自分の座へ戻りかけるかのような物腰に見えた時、秀吉は、
咳
(
がい
)
一声
(
いっせい
)
して、自分の膝に三法師君が在ることを——
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一声
(
いっせい
)
、サシ、
下歌
(
さげうた
)
、
上歌
(
あげうた
)
、
初同
(
しょどう
)
、サシクセ、ロンギ、笛の舞、切りというような演出の順序とかいうものが、舞、謡
能とは何か
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その胸の
辺
(
あたり
)
を、
一突
(
ひとつき
)
強く
貫
(
つ
)
くと、女はキャッと
一声
(
いっせい
)
叫ぶと、その
儘
(
まま
)
何処
(
どこ
)
とも知らず
駈出
(
かけだ
)
して姿が見えなくなった。
月夜峠
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
▼ もっと見る
貞之進はじっとその男の顔を
瞻詰
(
みつ
)
めて、しきりに唇を顫わしていたが、
大喝
(
たいかつ
)
一声
(
いっせい
)
、何ッと言放した音の鋭かったことは、それまでに顕われた貞之進の性行を
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
「
Au
(
オオ
)
revoir
(
ルヴォアアル
)
!」の
一声
(
いっせい
)
を残して、狭い横町を
大股
(
おおまた
)
に歩み去る大村を、純一は暫く見送って、
夕
(
ゆうべ
)
の
薄衣
(
うすぎぬ
)
に次第に包まれて
行
(
ゆ
)
く街を、追分の方へ出た。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
一声
(
いっせい
)
の汽笛が高く長く尻を引いて動き出した上野の一番汽車は、見る見るうちに岡の裾を
繞
(
めぐ
)
ッて、根岸に入ッたかと思うと、天王寺の森にその煙も見えなくなッた。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
脚絆
(
きゃはん
)
も
足袋
(
たび
)
も、紺の色あせ、のみならず
血色
(
ちいろ
)
なき小指現われぬ。
一声
(
いっせい
)
高く竹の
裂
(
わ
)
るる音して、勢いよく燃え上がりし炎は足を焦がさんとす、されど
翁
(
おきな
)
は足を引かざりき。
たき火
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
思切
(
おもいき
)
り大声を
張上
(
はりあ
)
げて「誰だ!」と
大喝
(
だいかつ
)
一声
(
いっせい
)
叫んだ、すると
先方
(
さき
)
は、それでさも安心した様に、「先生ですか」というのだ、私はその声を聞いて、「
吉田
(
よしだ
)
君かい」というと
怪物屋敷
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
耳をつんざく
一声
(
いっせい
)
の
角
(
つの
)
を合図に、粉々として乱れる矢の中を、門の内から耳のとがった、
牙
(
きば
)
の鋭い、狩犬が六七頭すさまじいうなり声を立てながら、夜目にも白くほこりを巻いて
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
主人が
声援
(
せいえん
)
したので、デカは思切ってワンと噛みにかゝったら、口か舌かを
螫
(
さ
)
されたと見え、
一声
(
いっせい
)
悲鳴
(
ひめい
)
をあげて飛びのき、それから限なく口から
白泡
(
しらあわ
)
を吐いて、一時は
如何
(
どう
)
なる事かと危ぶんだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
妻君は定めて上等の
縮緬
(
ちりめん
)
に花など
縫
(
ぬ
)
いしたる立派な襟ならんと思い、そうっと水引を抜き、大切に包み紙を
披
(
ひら
)
きて中の品物を取出し「オヤ」と
一声
(
いっせい
)
叫びぬ。お登和もちょいと
覗
(
のぞ
)
きて驚きたる様子。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
女史と相別れし
後
(
のち
)
、
妾
(
しょう
)
は
土倉
(
どくら
)
氏の学資を受くるの資格なきことを自覚し、職業に
貴賤
(
きせん
)
なし、
均
(
ひと
)
しく皆神聖なり、身には
襤褸
(
らんる
)
を
纏
(
まと
)
うとも心に
錦
(
にしき
)
の美を飾りつつ、
姑
(
しば
)
らく自活の道を立て、やがて
霹靂
(
へきれき
)
一声
(
いっせい
)
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
と
一声
(
いっせい
)
叫んだ。
薬
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
と
一声
(
いっせい
)
の囃子をあしらい初めるのであるが、それがだんだん調子に乗って熱を持って来ると、翁の本来の地金をあらわしてトテモ猛烈な稽古になって来る。
梅津只円翁伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
突如、絹を裂くような
悲鳴
(
ひめい
)
一声
(
いっせい
)
!
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“一声”の意味
《名詞》
鳴き声や警笛などの音が1回だけ鳴ること。ひとこえ。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
声
常用漢字
小2
部首:⼠
7画
“一声”で始まる語句
一声長歎