“思切”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おもいき46.9%
おもひき31.3%
おもいきっ6.3%
おもいきり6.3%
おもひきり6.3%
おもひせつ3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その歩きぶりは、全くあてのない散歩でもしている様に見えるが、こうして蘭堂を退屈させて、尾行を思切おもいきらせる算段かも知れない。
恐怖王 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それでも思切おもひきツて其の作を放擲ツて了うことが出來ぬから、何時いつまでも根氣こんき無駄骨むだほねツてゐる、そして結局なさけなくなるばかりだ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
さて一方に世の中を見て文明改進のめに施して見たいと思う事があれば、世論に頓着とんじゃくせず思切おもいきっこころみました。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
一体が何事にも執念しゅうねく、些細な日常瑣事にすら余りクドクド言い過ぎる難があるが、不思議に失明については思切おもいきりかった。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
「まだこんなに温いんですが……」と、肌にさはつて見て、彼はやつぱり思切おもひきりわるさうに醫員の方を振り返つた。
嘘をつく日 (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
さはへ、こはなさけ掛※かけわなと知れば、又甘んじて受くべきにもあらず、しかのみならで、彼は素より満枝の為人ひととなりにくみて、そのかたちの美きを見ず、その思切おもひせつなるを汲まんともせざるに
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)