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思切
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おもひき
それでも
思切ツて其の作を放擲ツて了うことが出來ぬから、
何時までも
根氣好く
無駄骨を
折ツてゐる、そして結局
情なくなるばかりだ。
いえ/\
此も
定まる
約束。……しかし、
尚ほ
懐しい。
奥様を
思切り、
世を
捨てゝも
私の
傍に
命をかけて
居やうとおつしやる。
何だか見無いでも
可いものを見る様な気が為て、
怖く成つたが、
思切つて引くと、荒い音も
為ずにすつと軽く
開いた。
少し
身體の
工合が
惡いから、
今日丈け
宿に
殘つてゐると、
遂に
思切つて
友に
云ふたので
有つた、
然るにミハイル、アウエリヤヌヰチは、
其れぢや
自分も
家にゐる
事に
爲やう
誰だと
思ふ、
嚊が
長の
煩でなけりや、
小兒なんぞ
連れちや
來ねえ。
恁う、
奴、
思切つて
飛込め。
生命がけで
突入れ!
汝にや
熱いたつて、
父にはぬるいや。
「
然うさ、
氣紛でもなけア、
俺にはお前を虫干にして
遣る同情さへありやしない。正直なところがな。」と
思切ツていふ。感情が
昂ツて來たのか、
瞼のあたりにぽツと
紅をさす。
と
手にした
腕を、
思切つたしるしに、
擲けやうとして
揮上げた、……
其の
拳を
漏れて、ころ/\と
采が
溢れて。
断念めます、……
断念める……
私はお
浦を
思切ります。
何うぞ、
其の
代り、
夢でも
可い、
夢なら
何時までも
覚めずに、
私を
此処に、
貴女の
傍にお
置き
下さい。
はツと
唾をのみ、
胸を
反して
退つたが、やがて
思切つて
用を
達して
出るまでは、まづ
何事もなかつた
處。
思切つて
坂道に
取つて
懸つた、
侠気があつたのではござらぬ、
血気に
逸つたでは
固よりない、
今申したやうではずつと
最う
悟つたやうぢやが、いやなか/\の
憶病者
冬分は
往々敦賀から
來た
船が、
其處に
金石を
見ながら、
端舟の
便がないために、
五日、
七日も
漾ひつゝ、
果は
佐渡ヶ
島へ
吹放たれたり、
思切つて、もとの
敦賀へ
逆戻りする
事さへあつた。
思切つて
戻らうとして、
石を
放れて
身を
起した、
背後から一ツ
背中を
叩いて
「
何うです……
此のお
暑さは。」と
思切つて、
言受けする。