“往々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おうおう65.7%
わう/\15.7%
まま5.7%
まゝ4.3%
おう/\2.9%
ゆく/\1.4%
たびたび1.4%
ま/\1.4%
わうわう1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ことによると人間の弱点だけをつづり合せたように見える作物もできるのみならず往々おうおうその弱点がわざとらしく誇張されるかたむきさえあるが
文芸と道徳 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
貝塚に於て發見はつけんさるる獸骨貝殼の中には往々わう/\黒焦くろこげに焦げたるもの有り。是等はおそらく獸肉ぢうにくなり貝肉なり燒きて食はれたる殘餘ならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
邦人が一汎に和漢書よりは精確と想う欧州書にもこんな杜撰ずさん往々ままあるから孫引きは危険千万と注意し置く。
顏色かほいろ蒼白あをじろく、姿すがたせて、初中終しよつちゆう風邪かぜやすい、少食せうしよく落々おち/\ねむられぬたち、一ぱいさけにもまはり、往々まゝヒステリーがおこるのである。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
探偵の事件には往々おう/\かくまでに意外なる事多し此一事は此後余が真実探偵社会の一員と為りてよりもおおいに余をして自らかえりみる所あらしめたり
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
補理しつらひ是へ閉籠とぢこめ置たりけり然らば大岡殿の心にては藤五郎は先代平助の實子なるにより一旦の不身持さへ改めなば往々ゆく/\家督かとく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これは山の上に往々たびたびあることで、こういう陽気は雪になる前兆しらせです。昼過となれば、灰色の低い雲が空一面に垂下る、うちの内は薄暗くなる、そのうちにちらちら落ちて参りました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そして月琴を彈く者もあれば、明笛みんてきを吹く者もあり、姉妹がまた其がいけたので、やかましい合奏は十一時十二時まで續いた。母親はこツそり其の騒をけて翌日あすの米の心配に來たことも往々ま/\あツた。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
その議論は往々わうわう快刀乱麻を断つがいがある。
魔睡 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)