“引”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
56.4%
ひき13.9%
ひっ10.8%
5.5%
ぴき2.6%
ひつ2.4%
ひい1.6%
ひか1.6%
ひけ0.8%
びき0.6%
ひッ0.6%
ひく0.6%
0.6%
いん0.4%
ひん0.4%
ひツ0.1%
0.1%
0.1%
びけ0.1%
ぴい0.1%
0.1%
ヒク0.1%
ヒコ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
みみずは、おもいきりいきながいて、ジーイ、ジーイ、といい、かえるは、ふとく、みじかく、コロ、コロ、といって、うたっていました。
春の真昼 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ここで按摩が殺す気だろう。構うもんか、勝手にしろ、似たものをひきつけて、とそう覚悟して按摩さん、背中へつかまってもらったんだ。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
手だの足だの、ひっくりかえされるんですって。……この石の上でしょうか、草の中でしょうか。私、お湯に入るのもきまりが悪かった。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いくら聞かれても曖昧あいまいな返事ばかりしていて、最後に退きならないところまで来てしまってから、強情を張り出した点であった。
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「フーム、面白いな。番頭の言い草は『娘を口説くどけ』と言わぬばかりだ。おかぴきなんてものは、あまり人様に好かれる稼業かぎょうじゃないが」
銭形平次捕物控:282 密室 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
はなすと、いことに、あたり近所きんじよの、我朝わがてう※樣あねさま仰向あをむけ抱込だきこんで、ひつくりかへりさうであぶないから、不氣味ぶきみらしくもからはおとさず……
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
渡邊織江が殺されましたのは、子刻こゝのつ少々前で、丁度同じ時刻にの春部梅三郎が若江というお小姓の手をひいて屋敷を駈落致しました。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
たれも爲るものるまじと思ひしきりかなしく心は後へひかれながら既に奉行所ぶぎやうしよへ來り白洲しらす引居ひきすゑられたり此日伊勢屋三郎兵衞方にては彼旅僧を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その上小林は斟酌しんしゃくだの遠慮だのを知らない点にかけて、たいていの人にひけを取らないように、天から生みつけられた男であった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ゆうべ一しょに泊るはず小金こがね奉行が病気びきをしたので、寂しい夜寒よさむを一人でしのいだのである。そばには骨の太い、がっしりした行燈あんどうがある。
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
透かして見ると、ぴちぴちねるのが尾のようで……とにかく、長くないのだから、安心して、ひッつかまえると
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
感歓かんくわんまりて涙にむせばれしもあるべし、人を押分おしわくるやうにしてからく車を向島むかふじままでやりしが、長命寺ちやうめいじより四五けん此方こなたにてすゝむひくもならず
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
昔東京では提灯けといって、言わば狐鼠こそ々々と取片附けるというような葬いは、夜の引明けに出したものだそうであるが、それ程ではなくともこうした朝早くの葬式は
寺町 (新字新仮名) / 岩本素白(著)
たまたま! 赫奕かくやくたる明星みやうじやう持主もちぬしなる、(おう)の巨魁きよくわい出現しゆつげんじゆくして、天公てんこう使者ししやくちりて、あらかじいんをなすものならむか。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いやか、爺婆じじばばるから。……そうだろう。あんな奴は、今におれがたたき殺してやろう、と恐ろしく意気込んで、飛上って、高いえだの桃の実をひんもぎって一個ひとつくれたんだ。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それでからもう砂利じやりでもはりでもあれとつちへこすりつけて、とうあまりもひる死骸しがいひツくりかへしたうへから、五六けんむかふへんで身顫みぶるひをして突立つツたつた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と言ひ/\、片手を髪の毛のなかに突つ込んで、なかから兎でも追ひ出すやうに、やけきまはす。
ちょうど北の方の千島、カムサツカ、北海道の山奥あたりからき上げて来る熊の皮屋から皮を仕入れて、あと月の半ばに東京へ着いたんです……。
冬になってから渋江氏は富田新町とみたしんまちの家にうつることになった。そして知行ちぎょうは当分の内六分びけを以て給するという達しがあって、実は宿料食料のほか何の給与もなかった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
はなししても言葉が分んねえてエ、食物くいものが違って淋しくってなんねえテ、長く屋敷奉公したから種々いろ/\な芸事がある、三味さみイおっぴいたり、それに本や錦絵があるから見にお出でなさえ、此の間見たが
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
コレラ一万イチマン正直ショウジキ、シカモ、バカ、ウタガウコトサエラヌヨワヤサシキモノ、キミヲ畏敬イケイシ、キミノ五百枚ゴヒャクマイ精進ショウジンタマシイユルガゴトオドロキ、ハネキテ、兵古帯ヘコオビズルズルキズリナガラ書店ショテンケツケ
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
凡隊中ノ事 一切隊長ノ処分シヨブンニ任ス 敢テ或ハ違背イハイスル勿レ モシ暴乱ボウラン事ヲヤブリ モウ謬害リヤウガイヒクニ至テハ 隊長其死活シクハツセイスルモ亦ユル
海援隊約規 (新字旧仮名) / 坂本竜馬(著)
……処女のすや板戸を オソぶらひ、我が立たせれば、ヒコづらひ、我が立たせれば 青山に鵺は鳴き、さ野つ鳥雉はとよむ。にはつどりカケは鳴く。ウレタくも鳴くなる鳥か。此鳥も、うち病めこせね。
鶏鳴と神楽と (新字旧仮名) / 折口信夫(著)