“稼業”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かぎょう56.0%
しょうばい17.2%
かげふ17.2%
しょうべえ4.3%
しやうばい1.7%
かげう0.9%
なか0.9%
なりわい0.9%
ビジネス0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「フーム、面白いな。番頭の言い草は『娘を口説くどけ』と言わぬばかりだ。おかぴきなんてものは、あまり人様に好かれる稼業かぎょうじゃないが」
銭形平次捕物控:282 密室 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
稼業しょうばいのために若い日のすべてを犠牲にして来たとでもいうのかこの年齢になるまで独身の、まあ、ちょっと偏屈なところのある人物。
斧を持った夫人の像 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
「元柳橋のところに、繋いである筈です。爲五郎が釣船に使つて居ましたが、近頃金が入つて、稼業かげふも投つたらかしのやうですから」
「ほんとにおめえには、気の毒だよ。遊びてえ盛りを、こうやっておいらといっしょに、がな一にち辻に立って、稼業しょうべえするんだからなあ」
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
……道具屋なんてものは、ですから、思ひやうによつちやァ、こんなわけのない稼業しやうばいはないんで……
十年…… (新字旧仮名) / 久保田万太郎(著)
紙幣さつ菓子くわしとの二つりにはおこしをおれとしたるものなれば、いま稼業かげうまことはなくとも百にんなか一人ひとりしんからのなみだをこぼして、いておくれ染物そめものやのたつさんがこと
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
この稼業なかで惚れた腫れたで一緒になったものは兎角お互に我儘が出て、末始終を添い遂げられるものでないからね、お前もよくそこのところを考えて海上さんに身請され、気楽に暮すが当世だろうぜ
農業と伐材きこりとを稼業なりわいとしているらしい、その部落のそれらの家々は、小さくもあれば低くもありして、貧弱みすぼらしかった。
鸚鵡蔵代首伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
性的動機よりも、スミスの女殺しはむしろ稼業ビジネスとして金銭が目的だった。この点いっそう彼をして冷血動物の感あらしめるが、女殺しといえば、このスミスこそ真の女殺しであろう。
浴槽の花嫁 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)