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かげう
何とやら
嚴めしき
名の
親分が
手下につきて、
揃ひの
手ぬぐひ
長提燈、
賽ころ
振る
事おぼえぬうちは
素見の
格子先に
思ひ
切つての
串談も
言ひがたしとや、
眞面目につとむる
我が
家業は
晝のうちばかり
紙幣と
菓子との二つ
取りにはおこしをお
呉れと
手を
出したる
物なれば、
今の
稼業に
誠はなくとも百
人の
中の
一人に
眞からの
涙をこぼして、
聞いておくれ
染物やの
辰さんが
事を