“人”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひと50.5%
にん25.4%
びと6.5%
4.7%
じん3.4%
うど3.0%
1.8%
しと0.7%
ヒト0.7%
ビト0.5%
0.4%
0.3%
かた0.2%
ふと0.2%
ゅうど0.2%
たり0.2%
もの0.2%
シタ0.2%
ニン0.2%
いり0.1%
しそ0.1%
0.1%
ひい0.1%
ひいと0.1%
ひた0.1%
ひとり0.1%
ひとオ0.1%
ぴと0.1%
ジン0.1%
チユ0.1%
ピツ0.1%
プレヒストリック・マン0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
南洋なんようのあまり世界せかいひとたちにはられていないしまんでいる二人ふたり土人どじんが、難船なんせんからすくわれて、あるみなといたときでありました。
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうどわたしおなじい七つ、八つばかりの子供こどもが、毎日まいにち五、六にんあつまって鬼事おにごっこをしたり、こまをまわしたりしてあそんでいました。
子供の時分の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ところがさらに意外な事には、祥光院の檀家たる恩地小左衛門のかかりびとが、月に二度の命日には必ず回向えこうに来ると云う答があった。
或敵打の話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「どれ」いや応なく取って見ると、桐油紙とうゆぐるみ、上に唐草銀五郎様、の名は裏に小さく「行きいの女より」としてあった。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
じん、時々飛々とびとびに数えるほどで、自動車の音は高く立ちながら、鳴くはもとより、ともすると、驚いて飛ぶ鳥の羽音が聞こえた。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
掛りうどのやうな奉公人のやうな、店中の者にうらやまれる樂な奉公をさして頂き、それから引續いて、今の御主人の厄介になつて居ります。
(馬鹿にしてやがる。下手でも、田無の安重やすしげの子だい。弟子を、盗ッあつかいにする師匠の家なんぞには、こっちで、いてやるものか)
野槌の百 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『それ其処にバケツが有るよ。それ、それ、何処を見てるだらう、このしとは。』と言つて、三和土たたきになつた流場の隅を指した。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
所謂「クワンヒト」である為には、自分の奉仕する神社の経済状態を知らない様では、実際曠職と言はねばならぬ。
神道の史的価値 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
地下ヂゲビトの歌よみが、おれの三十になつたばかりの頃、「昔見しフルき堤は、年深み……年深み、池の渚に、水草ミクサ生ひにけり」
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
宿には私と、やまらしい夫婦づればかり、シムプロン・エキスプレッスの汽笛も、遠い国から響くようで心細い。
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
先刻さつきうつくしいひとわきせきつたが、言葉ことばつうじないことがわかつたところで、いま日本語にほんごのよくはなせるお転婆てんばさんらしいおんな入替いれかわつた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
やがて慇懃いんぎんに札を施し「旦那だんな、失礼なこと伺ふ様ですが、失つ張り此の山のかたあらつしやりますか」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
にし何処のふとだかね? ワルソウのふとだか、それとももつと遠くのふとだか? いつから煉瓦積になつたのけ?」
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)
但馬守のもとには、ひとりの女性と、ひとりのおいとが、どっちも、かかゅうどとして身を寄せていたのである。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(此時仲禎卿雲初見)余が今日は美日なれば、今より駿卿へいひやりて墨田の春色賞するは如何いかにと問ぬ。二人そもよかるべしと、三たりして手紙したゝめし折から、駿卿来かかりぬ。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
見る時にいつもはたものを誰かしらつかまえて、尻上りの、すました調子で、何かものをいっていなかったことはほとんど無い。
化鳥 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
女『アノナハーン、アエヅダケァガナハーン、昨日キノナスアレー、シタアナーハン。』
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
武蔵国安達郡の傍に、いばらみ中村屋勘三とて、万能諸芸に優れたる正直ニンありけるが、……春の彼岸会に寺の談義を聴くと、善悪貧富も前生に蒔いた種から出るとあつた。
江戸歌舞妓の外輪に沿うて (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
いまもその洞穴ほらあないりぐちつてゐる碑文ひぶんにそのことがしるされてあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
八「今ほこにいたしそ如何ぞうすさな」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
昔そのからの都の大道を、一時あるとき、その何でござりまして、怪しげな道人が、髪をさばいて、何と、骨だらけなあおい胸を岸破々々がばがばと開けました真中まんなかへ、
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ゑりもとばかり白粉おしろいえなくゆる天然てんねん色白いろじろをこれみよがしにのあたりまでむねくつろげて、烟草たばこすぱ/\長烟管ながぎせる立膝たてひざ無作法ぶさはうさもとがめるひいのなきこそよけれ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「飲めよ、ネェ、騒げェよ、三十がァゥめェよゥ。三十ぎればァ、たゞのひいとゥ。コラ/\」
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ああ、まっすぐないいだこと。かぜにも、ゆきにもれないで、よくそだちましたね。ほんとうにつよい、雄々おおしいわかですこと。どんなにこのやまうえに一ひとりっているのではさびしいでしょうね。
山の上の木と雲の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
『畳たゝいて此方こちひとオ——これ、此方こちの人、此方こちの人ツたら、ホホヽヽヽヽ。』
札幌 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
けれども『どういふ工合にうれしい』といふ問に対しては何ぴともたやすくその心理を説明することは出来ない。
「この頃 **ジンが 石川湧にフランス語を習ってるんだって」
心持について (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
ぎょ・きょう・きゅうなどは、チユから出た神の接尾語で、あまみ・しねりが神の国土の名である。其を実在の島に求めて、奄美アマミ大島の名称を生んだものであらう。
琉球の宗教 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
おなじ八重山群島の中には、まやの神の代りににいるピツを持つて居る地方も、澤山ある。蛇の一種の赤また、其から類推した黒またと言ふのと一對の巨人の樣な怪物が、穗利フウリイ祭に出て來る。
馬をスンカワカン(霊犬すなわち不思議に荷を負う畜)と呼ぶがごとし(一八六二年版『有史前のプレヒストリック・マン』一巻七二頁)。