“傍”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
そば38.6%
かたわら17.2%
わき11.0%
はた9.9%
かたわ8.4%
かたはら4.8%
かたえ3.6%
かたへ1.6%
かた1.2%
かたは1.0%
(他:42)2.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“傍”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸100.0%
文学 > 日本文学 > 小説 物語33.0%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)7.8%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
『まアそんなことを言わないで信仰してお呉れ、後生だから。』という母の言葉を里子もそばで聞て居ましたが、あきれて、
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
いで、その妻は見るもいとはしき夫のそばに在る苦を片時も軽くせんとて、彼のしげ外出そとで見赦みゆるして
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
コーヒー沸かしのふたが鳴っている。三郎は、おどろいて、そのかたわらへいった。すこし沸きかたが早かったようである。
大宇宙遠征隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
摩利信乃法師まりしのほうしはこれを見ると、またにやにや微笑ほほえみながら、童部わらべかたわらへ歩みよって、
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その立廻りですもの。あかりが危いからわき退いて、私はそのたびに洋燈ランプおさえ圧えしたんですがね。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大使の家族に礼をした時、ガロエイ卿と夫人とは無愛想に首を曲げただけで、マーガレット嬢はわきを向いてしまったのである。
私は大抵むずかしい書物を机の前に開けて、それを見詰めていましたから、はたで見たらさぞ勉強家のように見えたのでしょう。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
田口や松本を始め、ともに立つものはみんなむこうの方で混雑ごたごたしていたので、はたには誰も見えなかった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「それが、拙者まったく知らんのだ」と堀はふくれ面で云って、ちらりとかたわらの阿賀妻に眼をやり、「お茶――」と叫んだ。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
藤枝は幾分緊張した顔で私の方をさそうように見たが、ふとかたわらの壁にかけてある美しい色の額をさしながら私にささやいた。
殺人鬼 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
わが歩みは檜の日かげより丘のはづれの小亭へ、そのかたはらの径を下りて睡蓮科の生ひひたれる小さき池のほとりへゆく。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
馬車の窓より洩るる燈光に、明子の明眸めいぼうの更に美しかりしは、ほとんど予をしてかたはらに子爵あるを忘れしめぬ。
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
その言葉の通りに妻木君は影のように動いて四ツの鼓を未亡人と私の間に並べ終ると、そのかたえにすこし離れてかしこまった。
あやかしの鼓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
声高こわだかに叫びざま、足疾あしばや進出すすみいでて、看護員のかたえに接し、そのおもてのぞきつつ、
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ラバーノこゝにあり、また豫言の靈を授けられたるカーラブリアの僧都ジョヴァッキーノわがかたへにかゞやく 一三九―一四一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
またこの事の契約として、ニコシアとファマゴスタとが今既にその獸――他の獸のかたへを去らざる――の爲に 一四五―一四七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そうしている間、例の後ろの高札場と、そのかたえなる歯の抜けた老女のような枯柳が、立派に三枚目の役をつとめました。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
お松としては、言句ごんくも出ないほど浅ましい感に堪えなかったので、かたえにいたムクをつかまえて、こんなことを言いかけてみました。
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
といつて、かたはらにくびをたれた忠兵衛ちゆうべえをみやつたガラスのにはなみだがあるのかとおもはれました。
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
貝塚より魚骨魚鱗の出づるかたはら是等遺物の存在そんざいするは實にコロボックル漁業ぎよげふの法を明示するものと云ふべきなり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
一は上祖師ヶ谷で青山あおやま街道かいどうに近く、一は品川へ行く灌漑かんがい用水の流れにうて居た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
舟若し高く岩頭に吹き上げられずば、必ず岩根にひて千尋ちひろの底にし沈めらるべし。
置いてきぼりにされた小山内氏は、履直げたなほしのやうにみちばたにぺたりと尻を下した。
湖畔の町は、町屋千軒といわれていた。本陣の前の屋根のある風呂小屋が一ヵ所見えたが、後は往来ばたにあって、誰が入浴はいろうと怪しむ者はない。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「伊香保ろのそひ榛原はりはらねもころに奥をな兼ねそまさかし善かば」(巻十四・三四一〇)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
伊香保ろのそひ榛原はりはらねもころに奥をな兼ねそまさかしかば (同・三四一〇)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
竜は腹の中の重味を持ち扱つて愚図/\してゐる間に、激烈な神経衰弱に襲はれて、青い湖のほとりまで差しかゝると列車が停止するやうに静かに悶死した。
南風譜 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
その話は神通川のほとりになったあんねん坊の麓に出ると云うぶらり火のことであった。
放生津物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
女は枕に顔を伏せながら、それには答えず、「はあ……」と、さも術なそうな深い太息ためいきをして、「だから、私、男はもう厭!」あたりを構わず思い入ったように言った。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「斯うしていても際限きりがないから、……私、最早もう帰りますよ。じゃこれで一生会いません。」と、あたりを憚るように、低声こごえで強いて笑うようにして言った。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
向うの隅に白襟しろえりの細君がひんのよい五十恰好かっこうの婦人と、きの人には聞えぬほどな低い声で何事か耳語ささやいている。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そして路のきを見ると路に沿って山吹や木苺が叢生していた。
遠野へ (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
天皇は吉野を出て宇治の奥、田原里で、里人の情のき栗・ゆで栗をカタ山のそへに埋めて、わが身栄ゆるものならば、此栗生え出る様に、とうけひ給うたら、栗が生え出した。
愛護若 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
而も二首ながら「あしびきの此カタ山の……」と言つて木の事を言ふのは、大殿祭オホトノホカヒ山口祭ヤマクチマツリの祝詞と一筋で、新室祝言の型なる事を明らかに見せて居る。
セエラは車道を横切って、向うがわの歩道に辿りついた時、もう一度娘の方をふりかえって見ました。
忠隣はこう云って右がわをちらと見て、そこに立っている家臣に、
切支丹転び (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
駅を離れて六本松の捷径を取り小礫川せうれきせんそうて行く。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
寝台のそびあ立つたまま、あん人んとるつらばぢつと見とツたツた。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
お前様ア斯う並んで酒え呑んで、お前様ア先い出るときゆるりと食べろとって会釈して、お前様ア忘れもしねえ、なんとお武士様さむらいさまでも身柄のある人ア違ったもんだ、うらのような百姓にそべへ参ってゆっくりてえ挨拶して行くたアえらいねえと噂アして
阿呆らしいどころじゃない。権兵衛が種蒔きなら俺でも踊るが、鯨のタネ蒔きバッカリは真似が出来ん。これも学問研究の一つと思うて、生命いのちがけでにきへ寄って見たが、その情愛の深いことというもんなア……あの通りのノッペラボーの姿しとるばってん、その色気のある事チュタラなあ。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
宮内の命を恪守かくしゅして、先刻から昔の外濠、今は無名の流れのはとりに、老僕はただ一人、木の伐株きりかぶしりをかけていた。やがて老僕の眼の前に男二人女一人が現れた。
討たせてやらぬ敵討 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
かれ火たき小子わらは二人、かまどに居たる、その小子どもに〓はしむ。
仔細しさいこそあれとは覚ゆれど、例のこの人の無愛想よ、と満枝はよそに見つつもあはれ可笑をかしかりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
彼はこの長者のくるしめるをよそに見かねて、貫一が枕に近く差寄りてうかがへば、涙の顔をしとね擦付すりつけて、急上せきあげ急上げ肩息かたいきしてゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
新漢イマキなる小丘ヲムレウヘに雲だにも シルくし彷彿タタば、何か嘆かむ(斉明天皇――同)
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ケレドモ、所詮ショセン、有閑ノ文字、無用ノ長物タルコト保証スル、飽食暖衣ノアゲクノ果ニ咲イタ花、コノ花ビラハ煮テモ食エナイ、飛バナイ飛行機、走ラヌ名馬、毛並ミツヤツヤ、丸々フトリ、イツモ狸寝、ソバニハ一冊ノ参考書モナケレバ
走ラヌ名馬 (新字新仮名) / 太宰治(著)