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傍
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あたり
ふりがな文庫
“
傍
(
あたり
)” の例文
「斯うしていても
際限
(
きり
)
がないから、……私、
最早
(
もう
)
帰りますよ。じゃこれで一生会いません。」と、
傍
(
あたり
)
を憚るように、
低声
(
こごえ
)
で強いて笑うようにして言った。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
拾ひ取
眞向
(
まつかう
)
より
唐竹割
(
からたけわり
)
に
切下
(
きりさげ
)
たれば何かは以て
堪
(
たま
)
るべき宅兵衞は聲をも立ず死したりけり吾助は一
息
(
いき
)
吐
(
つい
)
て
傍
(
あたり
)
を見廻し宅兵衞が
懷中
(
ふところ
)
を
掻探
(
かきさぐ
)
り
持合
(
もちあは
)
せたる金子五兩二分を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
見あげると、太い杉の木かげに、すくすくと伸びあがつた古い藤蔓が、さながら女の取り乱したやうに茎を垂れ、葉を垂れて、細長い腕を離れじとばかり
傍
(
あたり
)
の樹々に纏ひかけてゐる。
森の声
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
その大胆らしい界の線を
翳
(
くもり
)
のない夕空に画き、時としては、近き
傍
(
あたり
)
の森には、雲も烟も見えぬに、その巓は、鼠色の霧の
環
(
わ
)
を掛けられ、西山に這入り掛つた夕日の、最後の光に触れて
新浦島
(新字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
かれその
傍
(
あたり
)
を
遊行
(
ある
)
きて、その
樂
(
うたげ
)
する日を待ちたまひき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
▼ もっと見る
女は枕に顔を伏せながら、それには答えず、「はあ……」と、さも術なそうな深い
太息
(
ためいき
)
をして、「だから、私、男はもう厭!」
傍
(
あたり
)
を構わず思い入ったように言った。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
見て心中に
點頭
(
うなづき
)
時分は
宜
(
よし
)
と獨り
微笑
(
ほゝゑ
)
み
傍
(
あたり
)
を見廻せば
壁
(
かべ
)
に一筋の
細引
(
ほそびき
)
を掛て有に是
屈竟
(
くつきやう
)
と
取卸
(
とりおろ
)
し前後も知らず
寢入
(
ねいり
)
しばゝが首に
纒
(
まと
)
ひ難なく
縊
(
くゝ
)
り殺し
豫
(
かね
)
て
認置
(
みおき
)
し二品を
奪
(
うば
)
ひ
取
(
とり
)
首に纒ひし
細引
(
ほそびき
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
傍
常用漢字
中学
部首:⼈
12画
“傍”を含む語句
近傍
路傍
傍若無人
傍人
傍観
其傍
片傍
傍目
傍輩
傍聞
傍題
傍眼
両傍
傍岡
直傍
傍見
御傍
傍聴
傍視
傍々
...