“微笑”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほほえ47.5%
ほほえみ8.6%
ほゝゑ7.8%
びしょう6.7%
わら6.2%
えみ3.4%
ほゝゑみ3.2%
ほほゑ3.2%
びせう3.0%
ほほゑみ2.0%
わらい1.5%
ほゝえ1.0%
ゑみ0.5%
にっこり0.4%
みしょう0.4%
ほおえ0.4%
ほゝえみ0.4%
うすわら0.2%
0.2%
うすわらい0.2%
にこにこ0.2%
はほえ0.2%
わらひ0.2%
0.2%
にッこり0.1%
ほヽえ0.1%
ほヽゑ0.1%
にっこりわらい0.1%
につこり0.1%
はほえみ0.1%
びしよう0.1%
びよう0.1%
ほおえみ0.1%
ほほえま0.1%
ほほえん0.1%
ほほゑま0.1%
ほゝゑま0.1%
ほゝゑめ0.1%
わらっ0.1%
ゑま0.1%
ホホエ0.1%
ユウモア0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「左様でございますか」と、半七は微笑んだ。「では、まことに申しにくうございますが、この御相談はお断わり申しとう存じます」
半七捕物帳:07 奥女中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
殿下は知事の御案内で御仮屋へ召させられ、大佐の物申上る度に微笑させられるのでした。群集の視線はいずれも殿下にる。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
我たゞ微笑めるのみ、されどそのする人に似たれば、かの魂口を噤み、心のいとよくあらはるゝ處なる目を見て 一〇九—一一一
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
わたしはふたたびあの見おぼえのある顔を、化粧したとちぢれたひげとを見ました。この男はまたわたしを見上げて微笑しました。
母親は、そう言うたときに父親がっている窓口を見た。ふたりは微笑いあったが、どの微笑いも満足そうな色を漂わしていた。
後の日の童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
声を和らげ、微笑をつくつた其様子を見て、マアなんといふ深切な人だかとしく、早速敷居をた。主人はいよ/\笑顔になり
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
短く伸びた髯をひねつて、さも疑のない勝利を向うに見てゐるやうな、凝り固つた微笑を浮べて、相手の様子を眺めてゐたのである。
クサンチス (新字旧仮名) / アルベール・サマン(著)
その約束もめて置きたいねと微笑んで言へば、そいつはいけない、己れはどうしても出世なんぞはないのだから。
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
折々會計係小娘の、してゐたのマアシヤは、微笑してでもでやうとすると、いで遁出す。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
只目の前にゐる美しい女の微笑が折々変つて、その唇が己に新なる刺戟を与へてくれさへしたら、己はそれに満足してゐただらう。
復讐 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
お前が、さも新吉の凄じい権幕にえたように、神経のばった相形いて微笑を見せながら、そういって私の部屋に入って来た。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
そして、その退がると、彼女は微笑みながら云つた。「いゝあんばいに、今度だけは、足りない分を私の手で都合がつけられるのよ。」
そして老僕をいたはる心持で微笑んでゐた微笑が消えてしまつた。
祭日 (新字旧仮名) / ライネル・マリア・リルケ(著)
これがお竹ででも有ろうものなら、直ぐ見たくでもないらして、沸々口小言を言う所だ。それを常談事にして了って、お三どん新参で大狼狽といって微笑……偉い!
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
疾翔大力、微笑して、金色の円光をれるに、その光、く一座を照し、諸鳥歓喜充満せり。則ち説いて曰く
二十六夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
にんじんは、かったのがおかしく、微笑む。眼がだんだん暗闇れると、細かな部分がはっきりしてくる。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
春の曙の夢は千々に乱れて薄紅の微笑、カラカラと鳴り渡るの噴泉、一片の花弁、フツと吹けば涙を忘る——泣いて泣いて泣き明した後の清々しさ……と
嘆きの孔雀 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
彼とは愉快な仲直りのしやうもなかつた。快活な微笑ひも寛大な言葉も、彼とは交はすべくもなかつた。しかもこの基督教徒は辛抱強く落着いてゐた。
そしてその女の癖でかな色したを少しめたようにしてしそうにをあげて微笑みかけながら黙っていた。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
あの女の顔に普段充満しているものは、人を馬鹿にする微笑と、勝とう、勝とうとる八の字のみである。あれだけでは、とても物にならない。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
どちらも微笑している間に、自然ととり交わされた礼節が、子供らの敏感な心を柔らげるのであった。
幼年時代 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
ルイザは安心して彼をながめ、頭を振り、微笑んでいた。
青楼へ遊びにゆく客といふものは、大抵見え坊で、内証はぴいぴいでも、懐中には山をひ、を購ひ、馬を購ひ、郵便切手を購ひ、おで若い微笑を購ふ位の財貨
玄關敷臺掃出しながら如何に相手が青年でも日がない故とぼけるにも餘程たはへし五十兩の仕業だからアノ位なる狂言はせにや成舞と長庵は微笑みつゝ居たりけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「どうも有難うございました」、とのめるように私の床のに坐りながら、「好かったわねえ」、と私と顔を看合わせて微笑した。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
さあはれとねれば、令孃微笑みながら、、お約束なるににてはよ、ごむ人形げまじとをふるに、れでも姉樣この大切のにて
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
何とも物は仰いませんでしたけれど、御顔を見ているうちに、美しい朱唇んで来て、微笑になって了いました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「溝の中を歩く人。」と口の中で云つて、私は思はず微笑した。それに違ひない、アノ洋服の色は、えた、腐つた、溝の中の汚水の臭気で那麽に変色したのだ。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
白磁の壺に、牡丹は、青春の唇を割りかけている、先ごろ、月輪の姫から贈られた室咲のそれである。悩ましい蠱惑微笑をこの花はに夕べに、夜半の枕へも、投げかけていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一人りますとさくるに、こりやい、其方まで心配するなと微笑んででらるゝに彌々ちゞみて、喧嘩をしたとふと親父さんにかられます
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
れほどの物好きなれば手出しを仕樣ぞ、邪推大底にしていてれ、あのならば清淨無垢潔白だと微笑んで口髭らせふ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「…………」お米は何んとも云わなかったが、その代わり静かに顔を上げ、幽かに微笑を頬に浮かべた。
三甚内 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そうって微笑れました。はこんな立派神様時々姿わして親切えてくださるかとうと、ないやら、心強いやら、ずとがにじみました。——
「何だい?」と答えて棟梁は庄吉の顔を見返したが、庄吉が其儘下を向いて了ったので唯微笑でみせた。
少年の死 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
濃青微笑ひ、はほのめきつ。
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
出して申しければ大岡殿は微笑れコレ/\其方は正直者云事て某しも聞及んだりに惡事有て調べるにてはなし安心せよ今此調べ者に付て其具足櫃をんと思へども合鑰なし是に依て其方を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
まつとははず杉原さまはお廿四とやおよりはけてふなり和女ふぞとて朧氣なことふて流石じけんお八重一日莞爾やかにさまおばすありてゝ御覽じろとりのさりとはりにすぎてらぬなりと微笑らば
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「炭のことは私共に解らんで……」と莞爾微笑てそのまま首を引込めて了った。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
とめと ばるる 尼のみ寺の みほとけや 幾世へにけむ 玉の手の 光りふふみて けくも 微笑せたまへる にふれつ 朝な夕なに はすは の嘆きか うつし世の 常なきか 頬にふるる 指のあはひに 春ならば くれなゐの薔薇 秋日には
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
不滅真理微笑ンデエル、「一長一短。」ケサ、快晴、ハネキテ、マコト、スパルタノ愛情右頬ツ、マタツ、ツ。他意ナシ。
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
私がその第一印象に鬼の念仏を聯想したというのも、つまりその雅懐から生ずる田中さんの持つ微笑が然らしめたのではあるまいか。
西隣塾記 (新字新仮名) / 小山清(著)