“捻”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひね57.1%
25.9%
ねじ9.4%
より1.6%
ねぢ1.3%
1.3%
つね0.9%
0.6%
ひねり0.6%
よじ0.4%
ひねく0.3%
うな0.1%
0.1%
つまぐ0.1%
まく0.1%
よぢ0.1%
ヒネ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
首をひねった、「つまりもっとも肝心なもの、竜の眼、要するに点ずべきひとみといったふうなものが、この辺になくてはならないと思う」
扇野 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
毛と云う毛は悉く蛇で、その蛇は悉く首をもたげて舌を吐いてもつるるのも、じ合うのも、じあがるのも、にじり出るのも見らるる。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
今まで気もつかなかった、変にねじけた自我がそこに発見された。葉子をおどかすようなことも時には熱情的に書きかねないのであった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
電気吹込み以後のレコードだけでも、少なくとも十二、三組はあり、その一つ一つが世界の大指揮者達が、腕によりをかけて録音したものである。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
つけられて惡漢どもよし/\合點がつてん承知の濱と遂ひに懷劔を捻取もぎとりつゝ手どり足どり旋々くる/\まき強情しぶとひ婀魔あまめと引摺ひきずりねぢつけ駕籠へ入れんとするを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
したがってなかなか珍談があるなかにも、悪いやつらが腕にりをかけて天下を横行したから、捕物なんかにも変り種がすくなくない。
馬のかかとみたいに黒ずんで固くなってつねっても痛くも何ともないナンテいう恐ろしいのを丸出しにしているのは、国辱以外の何ものでもアリ得ないと思うわ
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「なるほどそうだね」と圭さん、首をひねる。圭さんは時々妙な事に感心する。しばらくして、ねった首を真直まっすぐにして、圭さんがこう云った。
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
南無なむ大師、遍照金剛へんじょうこんごうッ! 道の左右は人間の黒山だ。おひねりの雨が降る。……村の嫁女は振袖で拝みに出る。
山吹 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
女房は真うつむけに突伏つッぷした、と思うと、ついと立って、茶の間へげた。着崩れがしたと見え、つまよじれて足くびが白く出た。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「あゝ行きたい。」と思えば段々段々と大切にしている書籍ほん凝乎じっと、ひらいて見たり、ひねくって見たりして、「あゝこれを売ろうか遊びに行こうか。」と思案をし尽して
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
此頃このごろでは大概たいがい左翼レフトほうまはしてるが、先生せんせい其處そこからウンとちからめて熱球ダイレクトげると、そのたまがブーンとうなごゑはなつてんで有樣ありさま、イヤそのたまあたまへでもあたつたら、此世このよ見收みをさめだとおもふと
「叔母さんのすることは、少し厭味よ。」お庄はねくっていた枕をまた袋の底へ押し込んだ。よく四畳半で端唄はうたうたっていた叔母のつやっぽいような声が想い出された。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
初めのうちは心がいらいらしておちつかなかったが、しだいにおちついてきて安らかになり、朝晩ほかのことは思わずに珠数じゅずつまぐっていられるようになった。
瞳人語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
手には今いだばかりの剃刀を持つて、右の袖だけまくり上げた片襷かただすき。その袖口からチラリと見える袷の裏が、定石通りの花色木綿でもあることか、何んと、少し色のせた黒木綿ではありませんか。
あひだには與吉よきち背負せおつてはやしなかあるいてたけ竿さをつくつたかぎ枯枝かれえだつては麁朶そだたばねるのがつとめであつた。おつぎは麥藁むぎわら田螺たにしのやうなかたちよぢれたかごつくつてそれを與吉よきちたせた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
途すがらおヒネり銭を揺りこぼして行き、此を見物群衆の拾ふに任せる花籠と言ふものも、やはり此系統に属する物ではないかと思ふ。
髯籠の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)