より)” の例文
電気吹込み以後のレコードだけでも、少なくとも十二、三組はあり、その一つ一つが世界の大指揮者達が、腕によりをかけて録音したものである。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
「どうしたせてんのか、そんだられかんぜんよりこせえてやつかれえ」ぢいさんがさらにいつたとき返辭へんじがなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
前へ突出つきだしたり後へ引たり爾々そう/\つまり二本一緒の毛へよりを掛たり戻したりするのですソレ奇妙でしょう二本の毛が次第/\に右と左へズリ抜るでしょう丁度二ひきの鰻を
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
『鶴子様。世界のよりが少し狂つて居るよ。北極星が二十三度半傾き過ぎて居るのですよ……』
それから金も沢山呉れえが、こゝに金が七両あるだ、是ア少し訳があっておら手許てもとにあるだから是を汝がにくればい、此の紬縞つむぎじまあんまり良くなえが丹精してよりをかけて織らした紬縞で
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
したのか、仲違ひしたのか、二十日ばかり口もきゝませんでしたが、番頭さんが死んでからは、すつかりよりが戻つて、ことにこの一日二日は大變ないちやつきで——
ですからよりを掛たり戻したりする内に鱗と鱗が突張り合てズリぬけるのです(荻)成る程そうかな(大)未だ一ツ其鱗の早く分る事は髪の毛を摘んで、スーッと素扱すごいて御覧なさい
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「かんぜんよりくた/\してふことかねえや」いひながらかれめた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
八五郎は千疋狼の退治にでも向うつもりらしく、手拭などを出して、キリキリとよりを掛けて居ります。
根付けの木の札の木目もくめから、鍵の大きさ、重さ、それを吊つた麻紐のよりの具合まで。
お葉はもとの夫の鈴川主水への面當てにお氣に入りの佐野松をたぶらかし、腕によりをかけて若作りをし、夜な/\通つた心持はわからないではない——尤もこれは皆んな俺の當て推量だよ
平次はもう一度話のよりを戻します。
平次は話のよりを戻しました。