“抜”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
83.2%
ぬけ5.0%
ぬか3.2%
ぬき3.2%
ぬい2.7%
ぬく1.4%
0.5%
ヌク0.5%
ヌケ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
越前一の強力といわれる氏長が力をこめてこうとしても抜けないのである。氏長は、おめおめとこの女について行く外はなかった。
大力物語 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
相手の自転車は何喰わぬ顔ですうと抜けて行く、ぬけさ加減は尋常一様にあらず、この時派出はでやかなるギグに乗って後ろからきたりたる一個の紳士
自転車日記 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
盗賊とうぞくどもはびっくりしてきあがりますと、の前に大きなおにがつっ立ってるではありませんか。みんなきもをつぶして、こしぬかしてしまいました。
人形使い (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
梅「それはまア有難い事で、何もございませんが、召上るか召上らないか存じませんが、只今鰌のぬきを云い付けて参りましたから」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
若者等は刀をぬい追蒐おっかける、手塚は一生懸命に逃げたけれども逃切れずに、寒い時だが日比谷そとの濠の中へ飛込んでようやく助かった事もある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
人はほとりにありてかれまさに死せんとする時かならずをひるをさける。狐尾をうごかさゞるを見て溺死おぼれしゝたるをり、尾をり大根をぬくがごとくして狐をる。
思ったより大きなうちで庭に麦が積んであって、ばあさんと若夫婦らしいのとがしきりにいでいたが、それからみんな集まって絵を見るやら茶を出すやら大騒ぎを初めた。
郊外 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ヌクからに、身をさむくする秋霜アキノシモ。こゝろにしみて、うれしかりけり
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)