“垢抜”のいろいろな読み方と例文
旧字:垢拔
読み方割合
あかぬ86.8%
あかぬけ13.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一組は、六十くらいの白髪の老爺ろうやと、どこか垢抜あかぬけした五十くらいの老婆である。品のいい老夫婦である。このざいの小金持であろう。
美少女 (新字新仮名) / 太宰治(著)
着こなしが肌につきすぎて、粋というのもおかしいが、垢抜あかぬけがしている。もうひとりは、こってりと、日本髪で、あどけない。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
茶色が「いき」であるのは、一方に色調のはなやかな性質と、他方に飽和度の減少とが、あきらめを知る媚態、垢抜あかぬけした色気を表現しているからである。
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
何も御在ませんがと言って、座敷へ座布団を出して敷いてくれた。三十ぢかい小づくりの垢抜あかぬけのした女であった。
雪の日 (新字新仮名) / 永井荷風(著)