“垢光”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あかびか80.0%
あかびかり20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、赤地錦の——といっても余りに古びて金襴きんらんの光よりは、垢光あかびかりの方がよけいにする巾着の耳をつまんで、武蔵の顔の前へ出した。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二人はいつの間にか制帽をふところの中にたくしこんでいた。昼間見たら垢光あかびかりがしているだろうと思われるような、厚織りの紺の暖簾のれんくぐった。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
四十年配のいちょうがえしの女が、寝床に坐ってバットを美味おいしそうに吸っている。敷布もない木綿の敷蒲団が垢光あかびかりに光っている。新聞紙を張った壁。飴色あめいろの坊主畳。天井はしみだらけ。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)