“垢膩”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くに60.0%
こうじ40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
若き世の歌はここに始めて蘭湯らんたうの浴より出でゝ舊き垢膩くにけがれを洗ひ棄てたのである。
新しき声 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
土ぼこり、垢膩くにはそそけて
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
緑翹は額の低い、おとがいの短い猧子かしに似た顔で、手足は粗大である。えりや肘はいつも垢膩こうじけがれている。玄機に緑翹を忌む心のなかったのは無理もない。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
或は刀鑱し錐穿して之を傷つけて顧みず、碗には垢膩こうじ滓渣さいさを附して洗はず、或は之を衝撃して、玉瑕氷裂の醜を與へ、匣をば毀損し、劔をば銹花滿面ならしむるが如きは、剋殺の作用である。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)