“汚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けが28.6%
よご26.9%
きたな21.5%
きた11.3%
むさ2.3%
けがれ2.1%
きたね1.5%
けがら1.5%
よ0.6%
け0.6%
きたの0.5%
まみ0.5%
ぎた0.3%
ぎたな0.3%
し0.3%
よごれ0.3%
キタナ0.3%
けがらはし0.2%
きたなら0.2%
しみ0.2%
ばばち0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
後(のち)に僕の死んでゐるのが、そこで見出されるだらう。長椅子に掛けてある近東製の氈(かも)を、流れ出る僕の血が汚(けが)さないやうにする積(つもり)だ。
不可説 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
ある者は手車に荷物を積んでその上に老人をのせている。そのすべてが、煙をくぐりぬけたためか、着物も皮膚も薄黒く汚(よご)れている。
地異印象記 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
先生が書く前になんども字を美しくきれいに書かねばなりませんと注意なさったにもかかわらず、ごてごてと汚(きたな)く書きこんでいます。
決闘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
堀割(ほりわり)は丁度(ちやうど)真昼(まひる)の引汐(ひきしほ)で真黒(まつくろ)な汚(きた)ない泥土(でいど)の底(そこ)を見せてゐる上に、四月の暖(あたゝか)い日光に照付(てりつ)けられて、溝泥(どぶどろ)の臭気(しうき)を盛(さかん)に発散して居(ゐ)る。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
貴方はそれでよいじゃろが、汚(むさ)い身装(みなり)をしていては、綺羅(きら)やかな遊廓(さと)の席に、雑巾(ぞうきん)が置いてあるように見ゆるではないかの。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また豚是は蹄わかるれども反蒭(にれはむ)ことをせざれば汝らには汚(けがれ)たる者なり、汝ら是等(これら)の物の肉を食(くら)うべからず、またその死体(しかばね)に捫(さわ)るべからず。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
「汚(きたね)えな! って私(わっし)あ本当にうっかり。それが何です、山河内(やまこうち)という華族の奥方だったんですって、華族だって汚えんですもの。」
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「訳を、訳をいえば貴下(あなた)、黙って死なして下さいますよ。もう、もう、もう、こんな汚(けがら)わしいものは、見るのも厭(いや)におなりなさいますよ。」
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
園丁来りて踏板の上に並べほしたる靴ぬぎの汚(よ)ごれたる毛をはたく、チヨコレートの如き埃立つ。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
草(くさ)むしりに庭掃除(にはさうぢ)ぐらゐはとて、六十男(をとこ)のする仕事(しごと)ぞかし、勿躰(もつたい)なや古事記(こじき)舊事記(くじき)を朝夕(あさゆふ)に開(ひ)らきて、万葉集(まんえふしふ)に不審紙(ふしんがみ)をしたる手(て)を、泥鉢(どろばち)のあつかひに汚(け)がす事(こと)と人(ひと)は知(し)らねど
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「はゝゝゝはゝ、いや、恁(こう)又(また)ものも汚(きたの)うなると、手がつけられぬから恐るゝことなし。はゝはゝこら、何(ど)うぢやい。」と、ひよいと躍(おど)つた。
蠅を憎む記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
政子は、黙ってうなずきながら、露や草の実に汚(まみ)れた身を、そのまま、仆(たお)れている朽木(くちぎ)へ腰かけて、もう明け近い海面(うなづら)に向けていた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とめどのないおやじの話をうちきるように馬車屋が言って、立ちあがると、うす汚(ぎた)ないカーテンのすきまから、丘(おか)のほうをのぞいてみた。
霍亂(かくらん)で死んだといふ、小僧の友吉も、毒害されたに違ひあるまいよ、鳥兜(とりかぶと)の根(ね)などで殺されると、霍亂とよく似てゐる、多分小僧の友吉は誰かほかの人に盛つた毒を、意地汚(ぎたな)をして食ひ
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
のみならず展(の)べ紙の左端(はし)に、何やら、べっとりと油じみた汚(し)みのあとがありましたので、試みにその匂いを嗅いでみると、これが浅ましい事にはあまり上等でない梅花香の汚(し)みでした。
上段の十畳、一点の汚(よごれ)もない、月夜のような青畳、紫縮緬(むらさきちりめん)ふッくりとある蒲団(ふとん)に、あたかもその雲に乗ったるがごとく、菫(すみれ)の中から抜けたような、装(よそおい)を凝(こら)した貴夫人一人。
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其は、汚(キタナ)き心なき由を、白幡立て、神を招(ヲ)ぎ下した場所で誓ふと言ふ、古い信仰形式の片われである。
幣束から旗さし物へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
お前は能(よ)うこの家業を不正ぢやの、汚(けがらはし)いのと言ふけど、財を儲(まう)くるに君子の道を行うてゆく商売が何処(どこ)に在るか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
小(ちいさ)な汚(きたなら)しい桶(おけ)のままに海鼠腸(このわた)が載っている。小皿の上に三片(みきれ)ばかり赤味がかった松脂(まつやに)見たようなもののあるのは鱲(からすみ)である。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それを亭主の方で浮気の汚(しみ)をつけたり、女房の方で嫉妬(やきもち)の焼け穴でも拵えたり何かすれば、これを離して外の裏と合せると再縁になるようのもので、合せものは離れものでございます。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「汚(ばばち)いことしたらいかん。阿呆!」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)