“汚”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
けが29.0%
よご26.9%
きたな20.9%
きた11.1%
けがれ2.2%
むさ2.1%
きたね1.7%
けがら1.6%
0.7%
きたの0.5%
(他:19)3.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“汚”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸38.7%
文学 > フランス文学 > 小説 物語38.5%
文学 > 日本文学 > 小説 物語9.9%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
そして、自分も、その美しい都人のなかの一人となり得たことを誇っていた。けがしたくない。ゆめ、傷つけたくないのである。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さような立派なおかたがたに、わしみたようなけがれたもののうちに泊まっていただいてはおそれ多い気がしますのでな。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
盲縞めくらじまの腹掛け、股引ももひきによごれたる白小倉の背広を着て、ゴムのほつれたる深靴ふかぐつ穿
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼らは、これらの器物をよごさないように、気にしながら、たちまちのうちに第一のさらをあけて、第二番目が注文された。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
はらわたは二のはぎの間に垂れ、また内臟と呑みたるものをふんとなすきたなふくろはあらはれき 二五—二七
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そしてとほりがゝりの成るべくきたない車、るべく意気地いくぢのなさゝうな車夫を見付みつけておそる/\、
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
然し、ぼくはきたならしい野郎ですから、東京に帰ってどんなに堕ちても、かまいませんが、おふくろが、——たまらんです。
虚構の春 (新字新仮名) / 太宰治(著)
いかに逡巡しりごみをするほどのきたならしいものでも、一度皮切りをやると、あとはそれほど神経にさわらずに食えるものだ。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
本丸は警固大明神の社のあつた跡なので、血のけがれを避けて、これも利安に預けてある東の丸に産所をしつらはせたのである。
栗山大膳 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
また凡て羽翼つばさありてはうところの者は汝らにはけがれたる者なり汝らこれをくらうべからず。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
「わしも、傍杖そばづえくって、こんなむさい所へちてしまったので、見もせなんだが、跫音はたしかに、あっちへ遠のいて行った」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
認められないのに、こちらから思い切って持ち出すのは、肌を脱いでむさ腫物しゅもつを知らぬ人の鼻のさきにおわせると同じ事になる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
チヨツ(舌打したうち)大きな体躯なりで、きたねえ手のあかを手のひらでぐる/\んで出せばくらゐ手柄てがらになる
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「しかしたむしきたねえといったのが、柳屋の気に入ったというでもなかろう。」
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
けがらはしいよくのあればこそうなつたうへ蹰躇ちゆうちよをするわ、そのかほこゑけば
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あの人間が人間の体を裂きもてあそび喜ぶのは、重くろしくけがらはしくはずかしい気がする。
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
三分ののち、われはまた広き池のほとりの老緑色のベンチに腰かく。園丁来りて踏板の上に並べほしたる靴ぬぎのごれたる毛をはたく、チヨコレートの如き埃立つ。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
横綴よことじの茶の表布クロースの少しは汗にごれたかどを、折るようにあけて、二三枚めくると、一ページさんいちほど白い所が出て来た。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
(さあさあきたのうございますが早くこちらへ、おくつろぎなさいまし、そうしてお洗足せんそくを上げましょうかえ。)
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それも校舎の修繕に使うのんなら格別、校舎いうのん豚小屋みたいにきたのうてぼろぼろになったなり、荒れ放題にしたあるのんです。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
いくら運動と名がついても、主人の時々実行するような、読んで字のごとき運動はどうも運動の神聖をがす者だろうと思う。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
泥鉢どろばちのあつかひにがすことひとらねど、らちもなく万年青おもとあらひ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
政子は、黙ってうなずきながら、露や草の実にまみれた身を、そのまま、たおれている朽木くちぎへ腰かけて、もう明け近い海面うなづらに向けていた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見廻せば、両側に立続く長屋はちりまみれし赤煉瓦の色黒くなりて、扉傾きし窓々にはも見えず、低き石段を前にしたる戸口のうちは、闇立ち迷ひて、其の縁下ペーズメントよりは悪臭を帯びたる湿気流れ出でて人の鼻をつ。
夜あるき (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
とめどのないおやじの話をうちきるように馬車屋が言って、立ちあがると、うすぎたないカーテンのすきまから、おかのほうをのぞいてみた。
まげ白髪しらがもおかまいなし、床屋とこや鴨居かもいは、もう二つきくぐったことがないほどの、あかにまみれたうすぎたなさ。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
そこの宿屋も前日のうすぎたない宿屋に似ていた。
燃ゆる頬 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
「いや、去年の夏、霍亂かくらんで死んだといふ、小僧の友吉も、毒害されたに違ひあるまいよ、鳥兜とりかぶとなどで殺されると、霍亂とよく似てゐる、多分小僧の友吉は誰かほかの人に盛つた毒を、意地ぎたなをして食ひ、身代りになつて死んだことだらう」
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
のみならずべ紙の左はしに、何やら、べっとりと油じみたみのあとがありましたので、試みにその匂いを嗅いでみると、これが浅ましい事にはあまり上等でない梅花香のみでした。
水薬すゐやくみしつくゑ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
今より曙覧の歌のみならでその心のみやびをもしたひまなばばや、さらば常の心のよごれたるを洗ひ浮世のほかの月花を友とせむにつきつきしかるべしかし
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
上段の十畳、一点のよごれもない、月夜のような青畳、紫縮緬むらさきちりめんふッくりとある蒲団ふとんに、あたかもその雲に乗ったるがごとく、すみれの中から抜けたような、よそおいこらした貴夫人一人。
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一読イチドク、ムセビイテ、三嘆サンタン、ワガクダラナクキタナカベアタマチツケタキオモイ、アア
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
其は、キタナき心なき由を、白幡立て、神をぎ下した場所で誓ふと言ふ、古い信仰形式の片われである。
幣束から旗さし物へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ちいさきたならしいおけのままに海鼠腸このわたが載っている。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
お前はうこの家業を不正ぢやの、けがらはしいのと言ふけど、財をまうくるに君子の道を行うてゆく商売が何処どこに在るか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それが何で不正か、何でけがらはしいか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
折目正しく整然ちゃアんとしていれば一対の夫婦でございますが、それを亭主の方で浮気のしみをつけたり、女房の方で嫉妬やきもちの焼け穴でも拵えたり何かすれば、これを離して外の裏と合せると再縁になるようのもので
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)