“汚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けが28.7%
よご27.0%
きたな21.4%
きた11.2%
むさ2.3%
けがれ2.1%
きたね1.5%
けがら1.5%
0.6%
0.6%
きたの0.5%
まみ0.5%
ぎた0.3%
ぎたな0.3%
0.3%
よごれ0.3%
キタナ0.3%
けがらはし0.2%
きたなら0.2%
しみ0.2%
ばばち0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
のちに僕の死んでゐるのが、そこで見出されるだらう。長椅子に掛けてある近東製のかもを、流れ出る僕の血がけがさないやうにするつもりだ。
不可説 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
ある者は手車に荷物を積んでその上に老人をのせている。そのすべてが、煙をくぐりぬけたためか、着物も皮膚も薄黒くよごれている。
地異印象記 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
おくっていただいた、うつくしい雑誌ざっしともだちにせると、みんなが、うばって、たちまち、きたなくしてしまいました。残念ざんねんでなりません。
おかめどんぐり (新字新仮名) / 小川未明(著)
堀割ほりわり丁度ちやうど真昼まひる引汐ひきしほ真黒まつくろきたない泥土でいどそこを見せてゐる上に、四月のあたゝかい日光に照付てりつけられて、溝泥どぶどろ臭気しうきさかんに発散してる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
貴方はそれでよいじゃろが、むさ身装みなりをしていては、綺羅きらやかな遊廓さとの席に、雑巾ぞうきんが置いてあるように見ゆるではないかの。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また豚是は蹄わかるれども反蒭にれはむことをせざれば汝らにはけがれたる者なり、汝ら是等これらの物の肉をくらうべからず、またその死体しかばねさわるべからず。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
きたねえな! ってわっしあ本当にうっかり。それが何です、山河内やまこうちという華族の奥方だったんですって、華族だって汚えんですもの。」
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「訳を、訳をいえば貴下あなた、黙って死なして下さいますよ。もう、もう、もう、こんなけがらわしいものは、見るのもいやにおなりなさいますよ。」
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
園丁来りて踏板の上に並べほしたる靴ぬぎのごれたる毛をはたく、チヨコレートの如き埃立つ。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
くさむしりに庭掃除にはさうぢぐらゐはとて、六十をとこのする仕事しごとぞかし、勿躰もつたいなや古事記こじき舊事記くじき朝夕あさゆふらきて、万葉集まんえふしふ不審紙ふしんがみをしたるを、泥鉢どろばちのあつかひにがすことひとらねど
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「はゝゝゝはゝ、いや、こうまたものもきたのうなると、手がつけられぬから恐るゝことなし。はゝはゝこら、うぢやい。」と、ひよいとおどつた。
蠅を憎む記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
政子は、黙ってうなずきながら、露や草の実にまみれた身を、そのまま、たおれている朽木くちぎへ腰かけて、もう明け近い海面うなづらに向けていた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とめどのないおやじの話をうちきるように馬車屋が言って、立ちあがると、うすぎたないカーテンのすきまから、おかのほうをのぞいてみた。
霍亂かくらんで死んだといふ、小僧の友吉も、毒害されたに違ひあるまいよ、鳥兜とりかぶとなどで殺されると、霍亂とよく似てゐる、多分小僧の友吉は誰かほかの人に盛つた毒を、意地ぎたなをして食ひ
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
のみならずべ紙の左はしに、何やら、べっとりと油じみたみのあとがありましたので、試みにその匂いを嗅いでみると、これが浅ましい事にはあまり上等でない梅花香のみでした。
上段の十畳、一点のよごれもない、月夜のような青畳、紫縮緬むらさきちりめんふッくりとある蒲団ふとんに、あたかもその雲に乗ったるがごとく、すみれの中から抜けたような、よそおいこらした貴夫人一人。
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其は、キタナき心なき由を、白幡立て、神をぎ下した場所で誓ふと言ふ、古い信仰形式の片われである。
幣束から旗さし物へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
お前はうこの家業を不正ぢやの、けがらはしいのと言ふけど、財をまうくるに君子の道を行うてゆく商売が何処どこに在るか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ちいさきたならしいおけのままに海鼠腸このわたが載っている。小皿の上に三片みきればかり赤味がかった松脂まつやに見たようなもののあるのはからすみである。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それを亭主の方で浮気のしみをつけたり、女房の方で嫉妬やきもちの焼け穴でも拵えたり何かすれば、これを離して外の裏と合せると再縁になるようのもので、合せものは離れものでございます。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ばばちいことしたらいかん。阿呆!」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)