“鱲”の読み方と例文
読み方割合
からすみ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ちいさきたならしいおけのままに海鼠腸このわたが載っている。小皿の上に三片みきればかり赤味がかった松脂まつやに見たようなもののあるのはからすみである。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
お増は髪を丸髷まるまげなどに結って、台所で酒の支度をした。二人で広小路で買って来た餉台ちゃぶだいのうえには、男の好きなからすみや、鯛煎餅たいせんべいあぶったのなどがならべられた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
水戸には今だに東湖の模倣者まねても少くない事だから、さういふ人達にとつて、東湖が俺はからすみが好きだと言はないで、やつこ豆腐で辛抱したのは、どれだけ幸福しあはせだつたかも知れない。