“松脂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まつやに92.3%
くすね2.6%
やに2.6%
チャン2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……背中には革で作った哨楼しょうろうが太い革紐でしばり付けられて、その中から四人の射手が、松脂まつやにと麻緒をめた火矢を投げるのであった。
大衆文芸作法 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
学士は弓を入れた袋や、弓掛ゆがけ松脂くすねたぐいを入れたかばんを提げた。古い城址じょうし周囲まわりだけに、二人が添うて行く石垣の上の桑畠も往昔むかしいかめしい屋敷のあったという跡だ。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
荒砥あらとのような急湍きゅうたんも透徹して、水底の石は眼玉のようなのもあり、松脂やにかたまったのも沈み、琺瑯ほうろう質に光るのもある、蝶は、水を見ないで石のみを見た、石を見ないで黄羽の美しい我影を見た
梓川の上流 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
それはツイ一時間ばかり前に、二重の麻袋ドンゴロスに入れて、松脂チャンやタールでコチンコチンに塗り固めて、大きな銑鉄せんてつおもりを付けて、確かに海の底へ沈めた筈の二人の水夫に違いなかった。
幽霊と推進機 (新字新仮名) / 夢野久作(著)